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41歳の冨永愛がたどりついた“わりと幸せ”な境地「自分の人生を誰かのせいにはしない」

CREA WEB / 2024年7月18日 11時0分

 初めて自身の生き方について語ったエッセイ『冨永 愛 新・幸福論 生きたいように生きる』を上梓した冨永愛さん。

 幸せをつかむためにこれまでどのようなことを心がけてきたのでしょうか。

 41歳の今の冨永さんの“本音”をお聞きしました。(全2回の後篇。)



冨永愛さん。

――書籍のプロローグで「41歳の冨永愛は、わりと幸せなんです」と書かれています。ご自分を好きでいるために、どのようなことを意識されているのか教えてください。

「人のせいにしない」ということですかね。失敗しても成功しても誰かのせいにしない、ということは大事にしています。

 とくに失敗。誰かのせいにするとその時は一瞬安心してラクな気がしますが、意外とラクじゃないんですよ。攻撃のエネルギーを外に向けているだけなので、自分の内部ではずっとモヤモヤしたままで、ネガティブなエネルギーが恨みつらみとなって、逆に自分に還ってきたりしますから。それに、困った状況を人のせいにしたところで、問題は何も解決しません。

 それよりも、ちゃんと自分のせいにして自分をふりかえるようにすると、自分で必死で解決策を探そうとするので、失敗も間違いもちゃんとした栄養分になって自分の糧になる。だから、何事も人のせいにせず、自分のせいにすると、自分を嫌いにならないでいられるんじゃないかと思います。

 でもこれはあくまで私の考えです。人それぞれ「自分を好きでいる方法」というのはあると思うので、「人に優しくできる自分が好き」「はっきり言える自分が好き」など、それぞれがそれぞれの思う方法で、自分の好きなところを見つけてあげるのが、自分を好きになる方法じゃないかと思います。

――何かきっかけがあって「人のせいにしない」という考えに行き着いたのですか?

 10代からモデルとしてひとりで世界各国のステージで勝負してきたというところもあると思いますが、「人のせいにしない」とちゃんと意識するようになったのはここ最近だと思います。

 ありがたいことにモデル以外でもこうやって本を書かせていただいたり、俳優としてお仕事をいただけたりすることが増えて、インタビューを受ける機会も増えたんですけど、インタビューを受けるとすごく自分を見つめ直すことができるんです。

 このインタビューもそうですが、インタビューにお答えすることで自分を深掘りすることができるので、そのなかで「そういえば、ずっとこう考えていたんだ」ということを言葉でまとめられるようになった気がします。

――全部自分に引き受けるというのは、覚悟も必要です。苦しくなることはないのでしょうか。

 嫌なことや大変なことがあったときは、その日のうちにリセットするようにしています。

 時々「ああ、やっちゃったな……」と思うこともありますが、それもそんなに引きずらず、やっちゃったんだからしょうがない、と思うようにしていますね。

 私は夜眠る前に、今日一日の出来事をひと通り思い出して反省するようにしているんですけど、うまくいったこと、失敗したことそれぞれの理由を考え、反省すべきところを反省したら、頭を空っぽにして眠るようにしているんです。そして翌日は、新しい私となって、前日を引きずらずにすっきり目覚める。これを心がけています。

体力の低下はすごく実感している

 それでもモヤモヤが残っていたら、自然の中に行ってデトックスするとか、温泉やサウナで汗を流すとか、いくつかストックしている自分を救う方法を実行します。

 40年も自分と付き合っていると、こうするとダメージを受けるなとか、これくらいやると心身共に疲れるなとか、だいたいわかってくるので、自分のなかでいくつか自分を救う方法を覚えておくと、早めにリカバリーできるので、おすすめです。

――年齢を重ねると、若さやエネルギーを失うというネガティブなことばかりが浮かびますが、自分をうまく操縦できるようになるというメリットもあるのですね。

 若い頃の美しさは有限なので、年齢とともにそれが失われるのは当たり前だと思いますよ。歳を重ねればシワも増えるしシミも目立ちます。でもその代わり、人間としての本来の美しさが内面から湧き出てくると私は思っています。

 結局、「若さ」なんて、美しさのごく一部でしかないんですよ。だから、そこだけにフォーカスするのはあまりにも残念だと、逆に私は思います。

 ただ、41歳になって体力の低下はすごく実感しているので、体力維持のためにトレーニングをするなど、自分を鍛える努力はしています。

 昔は1泊3日のパリも、1泊3日のニューヨークも平気でしたが、先日1泊3日のニューヨークから帰ってきた時は、激しく自分の体力低下を感じました。普段から自分の健康エネルギーのレベルを高めておくことって大事だなとあらためて思いました。


冨永愛さん。

――健康維持のためには、どのようなことをされているのですか?

 大事にしているのは、適度な運動と適切な食事、そして十分な睡眠です。とくに睡眠は大事ですね。ちょっとでも睡眠不足が続くと、肌にも出ますし、頭も回らなくなります。

 また、食事も「食べたいものを食べたいだけ食べる」というスタイルは年齢とともに健康を損ねる原因になるので、自分の健康や体調をみながら、身体を整えるものをきちんと食べるようにしています。

 運動に関しては、私は仕事の一環でもあるので普通の方よりは多めのトレーニングをしているかもしれませんが、それでも毎日はできないので、週に3〜4日を目安に運動するようにしています。

 自宅ではピラティスとヨガ、ダンベル、チューブトレーニングなどを組み合わせたエクササイズをしていますが、自宅だと、トレーニングウェアに着替えて、準備万端にして「さあやるぞ」といってソファーに横になってしまったりすることもあるので(笑)、なるべくトレーニングジムなど、人の目のあるところでやるようにしています。

 それと、時間は午前中がおすすめですね。私の場合、夕方だとエネルギーが残っていないことも多いので、なるべく午前中にやるようにしています。

一人だけ尊敬する人をあげるなら

――美も健康も、毎日の積み重ねが大事なのですね。そんな冨永さんに憧れている人も多いと思いますが、冨永さんご自身が憧れている方や目指している方はいらっしゃるのでしょうか。

 尊敬する方はたくさんいますが、憧れの人は昔からいません。

 これは「モデル」という職業柄かもしれませんが、モデルってまわりが全員ライバルなので、憧れていたら永遠にその人を超えられないんですよ。もちろん、「素敵だな」と思う人はたくさんいましたが、憧れるとか目指すというふうにならなかったのは、そういうことだからかなと思っています。

 でも、もし一人だけ誰か尊敬する人をあげろと言われたら、私は迷わず「母」と答えます。ひとり親で私たちを育ててくれた母については、書籍でもたくさん書いたので、読んでいただけたら嬉しいです。


冨永愛さん。

――本書にはたくさんのパワーワードも登場します。冨永さんがこれまでに出会った言葉のなかで、大事にされている言葉があれば教えてください。

「チャンスをつかめる自分であれ」という言葉です。

 17歳ではじめて海外のショーに出はじめた頃、何かの付録の雑誌でみつけた「名言集」のなかのひと言だったんですけど、ひとりで世界に出て行く自分へのエールのように思えて、パスポートに挟んでずっと大事に持っていました。

 でも先日ふと思い出してその付録を見返したら、「チャンスをつかめる自分であれ」とは書いてなかったんです。似たようなニュアンスではあったのですが、勝手に自分で解釈して「名言」を創り出していたみたいなんです。言葉のインパクトって面白いなあと思いました。

 いまもその言葉は大事にしていますが、41歳のいま、一番大事にしている言葉は何かと聞かれたら、「自分の人生を誰かのせいにはしない」ということかもしれません。これは息子にも口を酸っぱくして言っています。

 もがきながら、悩みながら、自分が求める人生を自分自身で選びながら、生きたいように生きていく。これからもそうやって生きながら、100歳になってもランウェイを歩ける私でいられるよう、頑張っていきたいと思います。

文=相澤洋美
写真=平松市聖
スタイリスト=仙波レナ
ヘアメイク=Haruka Tazaki

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