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解散から15年でも「再結成はまだ?」炎上、逮捕、兄弟ゲンカで解散…元オアシスのノエル(57)の今

CREA WEB / 2024年7月28日 11時0分


リアム・ギャラガー(左)とノエル・ギャラガー(右)©AFLO

「今夜 俺こそがロックンロール・スター」。楽曲「ロックンロール・スター」中の堂々たる宣言から30周年を迎えた2024年、伝説のバンド・オアシスのノエル・ギャラガーが日本のフジロックに降臨する。

 オアシスといえば、イギリスの国民的バンドでありながら、兄・ノエルと弟・リアムの諍いから解散したことがあまりに有名。そんなオアシスとノエルの軌跡を振り返る。

ひきこもりの兄と不良の弟…ノエルとリアムの幼少期

 1967年イギリスのマンチェスターにて、アイルランド系の労働者階級家庭の三兄弟の次男として生まれたノエル・トマス・デヴィッド・ギャラガー。幼少期は、家族に暴力をふるっていた父に、とくに標的にされたという。

 両親が離婚しても荒れた日々を送ったが、停学時に母からもらったギターにのめりこむことで、寡黙でひきこもりがちな音楽青年となった。本人いわく、人とつるみたがらない“猫タイプ”。対して、つるみたがりな“犬タイプ”こそ、5歳下の弟、リアムだった。

 兄弟で一番の暴れん坊として喧嘩に明け暮れていたリアムは、ライバルの不良に金づちで頭を殴られたことで突然音楽に目覚めたという。このリアムが1991年にはじめたバンドが、オアシスとなった。

 それまでアーティストになる気はなかったノエルだったが、弟からバンドのマネージャーにならないかと誘われたことをきっかけに、バンドのリード・ギタリストおよび作曲をはじめとする創造面をとりしきるリーダーに就任する。

 主に兄が作曲した曲を弟が歌う兄弟バンドのオアシスは、1994年発売のデビューアルバム『Definitely Maybe』で大成功。陰鬱なグランジロックが流行っていた90年代当時、古き良きロックの香りをまとわせた彼らの歌は、人々に希望を与えるアンセムとなっていった。

 ギャラガー兄弟は、傍若無人な不良キャラとしても話題をつくりつづけた。行く先々で暴れるため、ほとんどのホテルチェーンで出禁になったそうだ。ザ・ヴァーヴのツアー前座に抜擢されたときも、アムステルダム行きのフェリーで乱闘に参加し、ノエル以外のメンバーが逮捕されたことでおじゃんになった。

 ほかのバンドへの罵詈雑言も有名だ。彼らいわく「上流階級ロック」ブラーのメンバーとの対立が悪化した際、ノエルが放った罵倒「エイズで死ねばいいのに」は今なお悪名高い(発言後に謝罪)。

炎上しても支持されたワケ

 いくら炎上してもオアシスの勢いは止まらなかった。むしろ、階級社会のイギリスにおいて、労働階級のヒーローとして熱狂的に受け容れられていった。そして1995年、2ndアルバム『(What's the Story) Morning Glory?』で国民的人気を決定づける。今なおオリジナルアルバムとして英国歴代3位の売上を誇るほどの社会現象となったのだ。

 ノエルいわく、オアシスの魅力は「団結」にある。高学歴アーティストが得意とする社会批評や政治風刺を毛嫌いしていた彼は、自分ごとばかりを歌う歌詞や「我々vs敵」といった対立構造を作る歌詞を避けた。オアシスの音楽は、「僕と君」視点の簡単な歌詞で合唱を起こし聴衆をひとつにする、「我々みんなの音楽」なのだ。

 たった3年で英国史上最大級のバンドとなったオアシスが絶頂を迎えたのは、1996年ネブワース公演。収容25万人に対して、チケット応募は250万人、国民の4パーセントに及んだ。

ドラッグ、兄弟間の諍い…オアシスの「凋落」

 しかし、ここから「凋落」の時代に突入する。貧困から成り上がって大金を手に入れたメンバーたちは、贅沢とドラッグに夢中になって曲づくりをおろそかにしていった。結果、期待外れと評された3rdアルバム『Be Here Now』以降、勢いをそがれてしまう。

 なにより、兄弟間の衝突が絶えなかった。喧嘩は日常茶飯事で、暴力沙汰も起こしていた。ノエルは、根本に主導権争いがあったと主張する。兄がつくった曲を主に弟が歌うという、どちらが主役なのかわからないバランスが、喧嘩の火種になっていた。

 それでも全7枚のアルバムを出したが、ノエルが40代に入った2000年代終盤、バンド内部は最悪の状態となっていた。リアムが喉の不調を理由に英公演をキャンセルすると、ノエルは「ただの二日酔い」と難癖をつけて裁判を起こそうとした。その直後、パリ公演の壇上で口論が発生し、リアムが兄のギターを斧のように振り回すまでに発展。

 ノエルが脱退を発表し、オアシスは解散した。その際の脱退声明で、ノエルは「脱退を知らせるのに若干の悲しみもあるが、なにより安堵している。好き勝手言われるだろうが、単純に、もうリアムと仕事ができない」と語っている。

解散から15年経ったノエルの今

 解散から15年経ち、60代を前にしたノエルは、三児の父として丸くなった。メディアに出るたびオアシス再結成について問われては否定する日々を送っているが、解散は後悔していないようだ。「オアシス最後のツアーは本当に酷かった。誰も幸せじゃなかった」「人生は一度きりだ。不幸な状態でいたら、貴重なものを無駄にするよ」。

 英国音楽界の「ご意見番」として、毒舌キャラも健在だ。エド・シーランやテイラー・スウィフトといった売れっ子について聞かれてはこきおろすやりとりが定番化している。取材した記者によると、大半の罵倒がサービス精神からくるジョークだが、ただ一人、弟のリアムに対しての怒気だけは本物なのだそうだ。


現在のノエル・ギャラガー ©AFLO

 解散後、兄弟はほとんど会わなくなった。オアシスの再結成を望んでいるリアムは、たびたびSNSで兄を罵っていたものの、2019年にはノエルの妻(当時)に対する脅迫的なメッセージをノエルの娘に送るという騒動を起こし、亀裂をより深めた。いっとき、リアムの息子がノエルの娘を口撃するなど、対立が次世代に継承されたほどだ。

 現在ノエルは、バンド、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズとして活動中。売れっ子になってしまったオアシスでは作れなかった自由で実験的な作風を楽しんでいるという。2023年作『Council Skies』収録「Pretty Boy」リミックスでは、ザ・スミスのジョニー・マー、ザ・キュアーのロバート・スミスという伝説トリオコラボを成し遂げた。また、かつての天敵、ブラーのデーモン・アルバーンとも和解し、デーモンのバンド、ゴリラズの楽曲「We Got the Power」にて共演を果たしている。

 アーティストとしての現在が充実しているぶん、再結成する気は相変わらずないようだが、キャリア一番の誇りであるオアシスを嫌いになったことは一度もないという。現に、今でもコンサート、とりわけ音楽フェスにおいて、オアシスの曲を演奏しつづけている。

 デビューから30年経っても、このバンドのアンセムは「我々みんなの音楽」でありつづけているのだ。フジロックでも、合唱が起こることはまちがいない。

文=辰巳JUNK

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