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【ホテルニューグランド】のショップ「S.Weil by HOTEL NEW GRAND」で新名物“モカルーロ”“ナポパン”を!

CREA WEB / 2024年7月30日 11時0分


薄い生地が美しいこのケーキは?

 異国の香り漂う横浜・山下町で、港のうつろいを見つめ続けてきた「ホテルニューグランド」。関東大震災からの復興のために開業したのは1927年のこと。戦後はGHQから接収され、ダグラス・マッカーサー最高司令官も泊まっていた……と、歴史の舞台を担ってきた、日本を代表するクラシックホテルがいま、新たなフェーズへ。

 本館のすぐそばにオープンしたホテルショップ「S.Weil by HOTEL NEW GRAND(エス・ワイル バイ ホテルニューグランド)」は、そんな歴史の数々を感じられる場所です。


クラシックホテルの魅力が凝縮されたショップ


入るとすぐにずらりと並ぶ名物「モカルーロ」。

 2019年にベーカリー工房が完成すると、瞬く間に人気を呼んだホテルメイドのパンやスイーツ、さらに、クラシックな洋食をいつでも自宅でも楽しめるようにと生み出した、ホテルオリジナル冷凍食品やレトルトも。「ホテルニューグランド」が誇るおいしいテイクアウトがここに集結!  伝統をリスペクトしつつ、いまの時代に寄り添う食とライフスタイルを提案してくれます。


美しく、趣のある内観。

 店内はホテルの重厚で美しい佇まいをオマージュ。カウンターは「ホテルニューグランド」のシンボル、大階段を彩るイタリア産のオーダーメイドタイルを、釉薬の光沢を帯びた常滑焼タイルで見事に再現。床はクラシックな八角形のイタリアタイル。モノトーンがホテル開業時の床のムードを醸します。天井は本館の凹凸ある幾何学デザインをミニマムに表現。アメリカンチェリー材の壁の深いブラウンは、ホテルの落ち着きと温もりを感じさせ、自然と心和みます。


大階段のタイルを再現したカウンターとモノトーンの八角タイルの床。

立体的な幾何学模様の天井も見逃さないで!

 開業時から長きに渡り受け継がれる「ホテルニューグランド」の食、その礎を築いたのは初代料理長、サリー・ワイルさん。パリのホテルから招聘され、30歳の若さで料理長に就任した彼は、日本の西洋料理に自由と革命をもたらし、日本における「西洋料理の父」とも呼ばれています。


メインビジュアルにはサリー・ワイルさんの横顔に、ニューグランドを象徴するフェニックス、大階段のフルーツバスケットのオブジェが柔らかなタッチで描かれる。

 堅苦しいフルコース一辺倒だったホテルの食事に、パリの下町風の明るくモダンなスタイルを持ち込んだのも彼。グリルルーム(食堂)を作ったり、バンド演奏を楽しみながら食べられるようにしたりと、柔軟な食の楽しみを提案し、数多の美食家を魅了したといいます。


店内には貴重な資料も陳列されている。今はなき直営レストラン「東京ニューグランド」の、タイプライターで記入されたメニューブック。

 さらにはメニューに、「メニュー以外のいかなる料理にもご用命に応じます」と記し、あらゆるリクエストに柔軟に対応したとか。実際にお客さんの声からそれまで存在しなかった「シーフードドリア」を生み出したのも、サリー・ワイルさんです。そんな「やわらかな正統派」の技とフィロソフィが、このショップにも脈々と受け継がれています。

必ず食べたいプレミアムな“ナポパン”!


「ナポパン」756円、「ナポパン プレミアム」972円。

「ナポパン」はその代表。これまで催事などでスポット的に登場してはファンを魅了、1日500個ほども売れたとか。「S.Weil〜」ではそのプレミアム版が登場。「ナポパン」はホテルオリジナル冷食のナポリタンを挟んでいましたが、「ナポパン プレミアム」は、ホテルでシェフが作るナポリタンがサンドされるのです。まさにプレミアム!


ふんわりバンズに、挟める限り、と言わんばかりにナポリタンがたっぷり!

 実はスパゲティナポリタンもまた、ホテルニューグランドが発祥(諸説あり)。サリー・ワイルさんが持ち込んだガルニ(フランス料理の付け合わせ)としての「スパゲッティナポリテイン」をベースに、2代目料理長の入江さんが、喫茶店とはまた別派生のフランス料理からのナポリタンを発明したとか。


こちらは従来の「ナポパン」。

 ケチャップを使わずトマトで作ること、それからパスタを茹でてから一晩おくのがポイント。その後、炒めて水分を飛ばすと、日本人が好きなもちもち食感になるのです。「ホテルニューグランド」の「ザ・カフェ」で出しているものと同じですが、パンとのバランスを取るために、少しだけデミグラスソースを混ぜているそう。

 頬張ると少し細めのパスタはプリプリ。トマトの酸味が効いて思いのほかサラッとした食べ心地で、噛むほど旨みが溢れるよう。ボリュームたっぷりなのに、気づくとぺろりといってしまいます。


「トロペジェンヌ」648円。

 さらにこの店で新たに仲間入りしたのがブリオッシュ。横浜産の卵と北海道バターをたっぷり練り込んだ生地に、甘みがまろやかな種子島産きび糖と岩塩を加えてふんわり焼き上げています。嬉しいのは、ブリオッシュを使った南仏スイーツ、トロペジェンヌも並ぶこと。シロップを染み込ませたしっとりふんわりブリオッシュに、バニラ香るクリームがリッチにとろけていきます。


ふっくら柔らかなパンはどれも、素材の風味を大切にした、シンプルで飽きのこない味わい。

スイーツにまつわる物語


「モカルーロ」3,456円。薄い生地にクリームを均一にしき、美しい渦に巻き込むのは至難。匠の技のたまものです。

 ところで、“エスワイル”と聞いて、ピンときたお菓子好きも多いはず。「エスワイル」と言えば、1951年に銀座に店を構え、神保町、春日と移りながら愛され続け、2011年に惜しまれつつもクローズした洋菓子の名店です。

 実は洋菓子店「エスワイル」の店主・大谷長吉さんは、サリー・ワイルさんの元でベーカリーシェフ務めた方。師匠の名前を掲げていたのです。名店をこのホテルショップに受け継ぐことを、「またニューグランドに戻るのなら」と、大谷さんの息子さんも快諾されたといいます。


サリー・ワイルさんから大谷長吉さんに送られたモチーフ。

裏にはカリグラフィーで名前が刻まれており、なんと直筆なのだそう。

 店に入るとすぐ、ショーケースで迎えてくれるのは、「エスワイル」の看板スイーツをベースにした「モカルーロ」。大谷さんの息子さんから譲り受けたレシピをもとに、大谷さんの弟子である加藤さんに確認してもらいつつ、いまの時代に合わせてアレンジ。「サリー・ワイルさんが大のコーヒー好きだった、ということで、よりコーヒーを感じられるよう仕立てています」と、調理部 製菓・製パン課課長の柏木康志さん。


「ザ・コーヒー」の豆は1,620円、コーヒーのテイクアウトは1杯650円。

 豊かなコーヒー香の決め手は、ショップのオープンに合わせて作ったオリジナルブレンド「ザ・コーヒー」。エチオピア(ウォッシュド)をベースにコロンビアなどをブレンドしたフルシティローストです。「ホテルニューグランド」のフランス料理のレストラン「ル・ノルマンディ」で提供しているコーヒーをベースに、少し軽めに仕立てていて、華やかな香りが特徴。淹れたコーヒーを生地にもクリームにも混ぜて。さらにバタークリームには細かく挽いたコーヒーそのものも混ぜ込むので、たまらない香りが鼻を抜けていきます。

「モカルーロの生地は空気を細かく入れ込み、水分を飛ばしすぎないように高温でパッと焼きます。焼き時間がずれると状態が変わってしまうので、10枚入る窯に3枚ずつしか入れません」。しっとり口溶けの良い生地に仕上げるため、どこまでも丁寧に手をかけていきます。口にすると、たっぷり空気を含ませたバタークリームと生地がスッと溶け、クリーミーで味わいはしっかりつつ、驚くほど軽やか。ほろ苦くもほのかにフルーティーなコーヒーのアロマに包まれます。


毎日少量しか出ない、出合えたらラッキーな「ミミルーロ」1カップ1,234円。

 より気軽に楽しむなら、「モカルーロ」を作る際に出る“両端”、つまりミミをカップに入れた「ミミルーロ」。その量はなんと1/3本分にもなります。包丁いらずなので、コーヒーと一緒にテイクアウトして山下公園でおやつにするもよし、大切な人に1本贈る前のお試しにも最適です。

 正統でありながら柔軟。その心地よいバランスで、時代を超えて愛され続けた「ホテルニューグランド」の味。その特別感はそのままに、これからは日々の食卓やおやつ時間まで幸せに彩ってくれそうです。

S.Weil by HOTEL NEW GRAND


S.Weil by HOTEL NEW GRAND 外観。

所在地 神奈川県横浜市中区山下町31-7 グランドメゾン山下公園1F
電話番号 045-681-1841
営業時間 10:00~19:00
定休日 無休
https://www.hotel-newgrand.co.jp/s_weil/

文=chico
写真=榎本麻美

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