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人気料理家になった長谷川あかりが 『天才てれびくん』ファンに 現在進行形で「感謝」している理由

CREA WEB / 2024年8月18日 11時0分

 子役タレントとして10代は『天才てれびくん』などで人気を集めた後、22歳で引退、結婚、大学進学。現在は料理家・管理栄養士としてSNSやテレビ、雑誌でレシピを発信する長谷川あかりさん(28)。

 インタビュー後篇では、「シンプルで作りやすい」「意外な組み合わせが納得するほどおいしい」と評判の長谷川さんのレシピの秘密を伺った。


私のレシピを元に「我が家の料理」を育ててほしい

――長谷川さんのレシピは、ミニマムな材料や調味料で疲れていてもパパッと作れるような、体にも心にも優しい料理が多いように感じます。レシピを作るうえでルールのようなものはあるのですか?

 ルールは特に決めていませんが、自分が生活している範囲内だと自ずとこうなるっていうのはありますね。趣味の領域の料理と家事の領域の料理は全然違うと思っているので、自分が家事としてできる範囲の料理となると、統一感のようなものはできていっているかもしれません。

 やっぱり、家事の料理は生活に馴染んでいないとあまり意味がないと思うんですよ。調理器具とかおいしい調味料とかに依存した料理になってしまうと、再現性が低くなって多くの方に実践していただけなくなる。


長谷川あかりさん。

 広く多くの方に作っていただいて、みんながより心地よく生活できて健康になっていくという私の理念からちょっと外れてしまうので、なるべく削ぎ落とした状態でレシピを提供したいと考えています。

――レシピどおりに作ればおいしいのはもちろんなのですが、「ちょっとこれを足してみようかな」「この野菜に替えてみたらどうだろう」とアレンジを楽しめるのも長谷川さんの料理の魅力です。

 あ、そう言っていただけるのは嬉しいですね。やっぱり家庭料理だから、こちらが完成度100%、120%のレシピを出しても、120%で作っていただけないことがほとんどだと思うんですよ(笑)。もう全然それで良くて。

 こちらも80%ぐらいの状態でお渡しするから、残りの余白の部分は好きに調節していただいてかまいませんって。そのほうが家庭料理としては残っていくし、私の料理を元に「これが我が家の味です」って別の料理がそれぞれに育っていく過程を見たいという気持ちがあります。

――確かに最初は120%完璧に作っても、続かないですよね。

 そうそう!(笑) それに、120%ではなくできるだけ削ぎ落とした状態で紹介すると、簡単そうに見えて「1回作ってみようかな」って思ってもらえるんです(笑)。120%のレシピを作って出しても、「なんか調味料がいろいろ必要」とか「材料がいっぱい入ってて大変そう」って思われて作ってもらえなかったりするので。

「レシピどおりにしか作れない」っていう悩みを抱えていらっしゃる方も結構多いですが、余白の20%だけでも「私はこれが好きだから入れてみようかな」って考えられる幅があったほうが、「これは私の料理」って自信を持てるようになっていただけると思うんです。

――どんどんアレンジしてもらってそれで家庭に定着していくほうが、長谷川さんにとっても嬉しいと。

 今はミールキットとか合わせ調味料とかもたくさんありますし、それはそれでもちろん便利で良いところもあると思いますが、一方で家庭それぞれの味っていうものがなくなってきているような気がするんですね。

 でも、私はやっぱりその家でしか食べられない味とか家庭料理みたいなものが残っていってほしいなって思っていて。


「削ぎ落としたレシピは簡単そうに見えて『1回作ってみようかな』って思ってもらえるんです(笑)」

 栄養学の面で言うと、80%のミニマムなレシピを、このまま作ってもおいしいし塩分量も脂質も控えられるよ、これで十分だよっていうところでお渡しする。

 もっとガッツリ食べたい時は自由に足してもらっていい、健康的にしたい時はさらに削ぎ落としてもらってもいいし、作る人でコントロールができるようにしておきたいと思っています。

 完成度100%、120%のレシピから要素を減らしていくのは大変だけど、余白があれば足すのは簡単ですから。

「20~30代」「一人暮らしか二人暮らし」想定だったレシピが…

――レシピを見ていても、長谷川さんご自身が食生活のバランスなどの健康管理に気を配っていらっしゃるように感じます。

 できたらいいなとは思いつつ、それほどは(笑)。でも、前日の夜の食事が重たかったら次の日の朝はハーブティーだけでいいやとか、あまり意識せずに感覚で自然にできているところはあるのかもしれませんね。連日暴飲暴食みたいなことはありませんし。

――ルーティンで摂っている食品などはありますか?

 豆乳だけは高校生の時から本当に毎日飲んでいますね。ハチミツとコーヒーと豆乳で豆乳ラテを作って、飲むのは朝だったりおやつだったり夜食だったり日によって違いますが、1日に一度は必ず飲んでいます。たんぱく質も摂れますし。

 あと、ごはんも毎日食べていますね。特におにぎりが大好き! 炭水化物って不健康なイメージがあるかもしれませんが、減らしすぎてしまうと逆に脂質などの栄養素とのバランスが悪くなってしまうので、適正量を摂ったほうがカロリーコントロールしやすいと思います。


豆乳とごはんは毎日摂っているそう。

――「糖質完全オフ」のように行きすぎてしまうのも良くないということですね。

「炭水化物は一切抜いて、フルーツだけ食べていればいいです!」みたいに分かりやすい話があればキャッチーでありがたいんですが、結局は「バランス良く」に行き着くわけで、そこが栄養学の面白くない面白さではある(笑)。

 せめて私自身がレシピを出す人間としてもっともっと参考にしていただけるようになって、「長谷川の食生活を真似してみたい」と思っていただければ、レシピから栄養学が伝わるフェーズになってくるのではないかと考えています。

――レシピはご自身と同じ世代が作ることを想定したものなのでしょうか。

 年齢やライフスタイルなど、自分とリンクしているものが多い方のほうが共鳴してくださるかなと思って、具体的には20代から30代で一人暮らしもしくは二人暮らし、子どもがいてもまだ小さくて東京に住んでいる、という感じの想定はしていました。

 でも実際にはもっと若い方とか、大人数で暮らしている方とか、それこそ男性とか、想定していなかった方たちが作ってくださったりして。意外でしたが、すごく嬉しいですね。

「“天てれ”の頃から見てました」って言われるとドキッ

――お話を伺っていると、「人生何周目ですか?」っていうぐらいに物事をしっかり考えていらっしゃるなと思うんですけど(笑)、今後実現させたい夢や目標はありますか?

 料理家になりたいと思ってレシピ発信を始めた頃から考えると、想像以上のスピードでいろいろとやらせてもらえるようになっていて。本当に5倍速ぐらいの感覚で、めちゃくちゃありがたいし頑張ろう!って思うんですけど、ちょっとそのスピードに自分がついていけてないところもあるんですよね。

 ダイエットと一緒で、短期間でブン!って成果が上がったものって、短期間でブン!って元に戻ることも多いと思うので、あまり無理をしすぎず、とにかく料理家としての仕事を続けていくことを今は目標にしています。

 続けた先に何があるのか、どんな出会いがあるのか、たどり着く先がどこなのかっていうのは自分自身ちょっと楽しみでもありますね。


『天才てれびくんMAX』出演当時は「“気合・スポーツ・声でかい”みたいなバラエティの子だったので(笑)」

――レシピの発信方法も何か違うことを考えていたりしますか?

 今回の初めてのパーソナルブック(『長谷川あかり DAILY RECIPE Vol.1』)のように、レシピを自分の人間像とリンクさせて広げていきたいというところと、あともう一つ、全くの妄想なんですけど、ドラマとかコミックのようなストーリーと共にレシピを届けることができたらなって。

 自分では絵も描けないしストーリーも書けないんですけど、レシピをただレシピとして出すだけじゃなく、もっと見せる方法の幅を広げることができたら、より届けられる方が増えるんじゃないかなと妄想しています。

――読者の中には子役として活躍していた長谷川さんをリアルタイムで見ていた世代の方も多いと思うのですが、『天才てれびくんMAX』の長谷川あかりちゃんが今『キユーピー3分クッキング』に出ているなんて!と驚いているのではないでしょうか。

 そうですね。『天才てれびくんMAX』には小6から中2まで出演していたのですが、その頃は料理とは程遠い“気合・スポーツ・声でかい”みたいなバラエティの子だったので(笑)。「“天てれ”の頃から見てました」って言われるとドキッとするというか、今はこんなにすましちゃってごめんなさいって気持ちになったりしますね(笑)。

 でも、ありがたいことに当時から見てくださっていた方は一緒に成長してきたような感覚でいてくださって、よりレシピに愛着を持ってくださるんですよね。そう考えると、昔から顔を出して活動していて良かったな、と思います。

長谷川あかり(はせがわ・あかり)

1996年埼玉県生まれ。料理家、管理栄養士。10歳から子役・タレントとして活動、『天才てれびくんMAX』(NHK教育テレビ、現Eテレ)をはじめ、さまざまな番組に出演する。大学で栄養学を学んだ後、SNSで始めたレシピ投稿が大反響を呼び、人気アカウントに。現在、雑誌、Web、テレビなどで幅広くレシピ開発を行っている。近著に『長谷川あかり DAILY RECIPE Vol.1』(扶桑社)、『いたわりごはん2 今夜も食べたいおつかれさまレシピ帖』(KADOKAWA)、『材料2つとすこしの調味料で一生モノのシンプルレシピ』(飛鳥新社)など。

文=張替裕子 (Giraffe)
撮影=杉山秀樹

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