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1日100個完売「チャバタあんばた」「パレスホテル」が辿り着いたのは国産小麦の“毎日食べたいパン”

CREA WEB / 2024年8月10日 11時0分


国産小麦のパンが並ぶ。

 近頃注目のニューオープンが相次ぎ、おいしいホットスポットとなっている代官山。その中心地、「Forestgate Daikanyama」に今年4月にオープンした「Et Nunc Daikanyama(エトヌンク 代官山)」は、今日も幸せな香りを漂わせています。

 カウンターには40種ほどものパンが黄金色に輝き、奥のガラスばりの厨房では職人たちが生き生きとパンを焼き上げる姿が。ライブ感たっぷりに、焼けたそばからパンが次々と運ばれてきます。

 その魅力とおいしさをパレスホテル東京 ベーカリーシェフ、星敏幸さんにうかがいました。


全国を歩いて出合った国産小麦で焼くパン


焼きたてパンがひっきりなしに届けられるカウンター。

「Et Nunc」は「パレスホテル」がプロデュースする新たなブーランジュリーブランド。「食のパレス」と名を馳せるこだわりやクオリティはそのままに、より自由なパンを展開しています。


ベーカリーシェフの星敏幸さん。こちらのお店ではカジュアルスタイルで動く。

 3年がかりで「パレスホテル」とはまた違うコンセプトのパンを開発したのは、「パレスホテル東京」で30年以上腕を振るうベーカリーシェフ、星敏幸さん。

「日本のブーランジュリーとして、小麦粉は全てこの国の自然から生まれた国産を使いたい」と、星さん自ら、全国の小麦を巡って生産者と繋がり、見出した粉を大切に使っていきます。シグネチャーブレッドのほとんどはシングルオリジンの小麦粉を使うので、その持ち味を存分に味わえるはず。

 また、生地に使うバターや塩、きび糖なども、国産のとびきりのもの。さらに、星さんが約15年前から育ててきた4種の自家製酵母も活躍します。


選りすぐりの国産小麦が届けられる。

 国産小麦粉は単一品種だけで4種、ブレンドと合わせて8種を、作りたいパンに合わせて使い分けていくとか。さらには、「香り高く小麦の甘みがしっかり感じられ、ずっと美味しい」。そんな星さんの理想を追って、オリジナルブレンドも開発。その味を楽しむならまずは「Et Nunc バゲット」を。


バゲットは「Et Nunc バゲット」(写真右)と、佐賀県産小麦「さちかおり」を使った煎餅のような香ばしさと旨みを秘めた「バゲット」(同左)の2種。どちらも1本380円。

「Et Nunc バゲット」は星さんの理想の結晶。本来の味が生きるよう小麦ごとに挽き方も変えた、北海道産小麦数種のオリジナルブレンドを味わえます。クラスト(外側)はしっかり焼き込まれつつも薄めでパリッと歯切れ良く、ほんのり黄色がかったクラム(内側)はしっとり。噛むほど旨みにあふれ、柔らかな麦の余韻を残していきます。


オリジナルブレンド小麦粉「Et Nunc ブレンド」も販売(1,080円)。フランスのビオのコンフィチュールなど、選りすぐりのパンのお供も並ぶ。

「今」食べたいパンを提供したい

 ところで、「Et Nunc」とはあまり聞きなれない言葉ですが、ラテン語で「そして今」という意味なのだとか。焼きたての美味しいパンを「今」食べる、という偉大で小さな幸せを味わってほしい。そして「今」、この瞬間の「好き」を満たしたい、などの想いが込められています。だからこそ、いつでも焼きたてが出てくるのはもちろん、ジャンルも幅広く種類豊富。一人一人の好みにもどんなライフスタイルにも気分にも、あらゆる「今」にフィットするパンに出合えるのです。


粉のポテンシャルを存分に味わえる「パン ド ミ」1斤520円。砂糖、油脂が少ない分、小麦の味がくっきり。

 いつでも「今」を美味しくしてくれるパンは、毎日食べたいパンとも言えます。それは日本人の体に馴染む、国産素材のおいしさを感じられるパン。その代表格といえば「パン ド ミ」です。

 さっくり軽い食感を叶えるべく、選んだ小麦粉は茨城県産「ゆめかおり」。そして酵母はルヴァン種とホップ種の自家製酵母。香ばしさが出るよう限界まで焼き上げるおかげで、クラストはサックサク! 軽くクリスピーな食感はラスクのようで、ミミがもう主役級においしいのです。

 焼かずにしっとり、ホップ種のフルーティな香りを楽しむのもいいですが、トーストすると本領発揮! まわりが香ばしく砕けて、中は綿菓子みたいにふわふわ。「食感や味のコントラストをいつも考えています」と星さん。このコントラスト、やみつきになりそうです。


左から、「あんクレーム」470円、「チャバタあんばた」380円。一見主役に見えるあんとバターが、チャバタの酵母の香りを引き立てる名脇役!

 日々ファンを増やしているのが、1日平均100個が完売するという「チャバタあんばた」。チャバタに使うのは水分をキャッチする力が強くもっちり仕上がる、けれど生産量が少なく“奇跡の小麦”と呼ばれる「キタノカオリ」と、自家製酵母のルヴァン種。小麦に対し90%という多加水で仕上げることで、小麦本来のもっちり感に酵母の風味が引き立つとか。さらにたっぷり蒸気を含ませたオーブンで柔らかく長めに火を入れることで、外はカリカリ中もっちりに。

 粉の旨みが息づくチャバタに、北海道産エリモ小豆のあん、北海道根釧地区の生乳でできた発酵バターをこぼれんばかりに挟んで完成です。

 頬張ると薄めのクラストがかり、もちっ。あんの深いコクとバターの乳味が広がり、噛むほど溢れる酵母のほのかな酸味、しみじみとした粉のうまみがあとを引きます。仕上げに振った国産フルール・ド・セル(天然海塩)が優しく、全体の甘さと香りを際立てて。あと一個が止まらなくなってしまいます。


「あんクレーム」はレジ下のケースに。

 あん好きなら、「あんクレーム」もお忘れなく。生地は2種の強力粉に旨みの強い小麦の外皮の粉を混ぜ、無発酵でパイに仕立てることで、開きかけの本のようにエッジがたったパリパリ食感に。クリスピーさとうらはらに、甘さを控えたあんとクリームがまろやかにとろけます。

イートインも充実。“季節を味わう”パンも


「パンオルヴァンのタルティーヌ フルーツトマト」1,300円。トマトは注文後に切って自家製ヴィネグレットで和えるから、どこまでもフレッシュ! ~8/31まで、その後は秋の恵みに。イートインのみ。

「今」、一番おいしい旬の素材もパンに姿を変えています。季節の移ろいとともに内容を変えていくタルティーヌは、今夏はフルーツトマトとブッラータチーズ。3個のチェリートマトと丸ごと1個分のフルーツトマトのカットがどっさり、パンの上でみずみずしく輝きます。

 パン オ ルヴァンは1日かけてゆっくり発酵させることで旨みを引き出すそう。「その日の気温や湿度で変わる発酵の様子を見ながら、温度を低めから少しずつ上げながら発酵させます。手がかかるけどそれが面白いんです」。

 そんな根っからの職人気質が、類まれなおいしさを生むもよう。もっちりと噛むほどに旨みが溢れる、香ばしいごまのパン オ ルヴァンが、トマトの弾けるようなジューシーさを受け止め、ブッラータチーズが全てをまろやかにまとめていきます。


「彩り野菜のキーマカレーフォカッチャ」497円。自家製パン粉の香ばしさで揚げなくてもサクサク軽やか。

「今」の季節に食べたいカレーパンも素材感たっぷり。さくもちっとしたフォカッチャ生地に包まれたカレーは、心地よいスパイシーさがありつつ、甘く炒めた玉ねぎのおかげでまろやか。パプリカ、なす、ズッキーニといった夏野菜のソテーに、トマトと紫玉ねぎにビネガーを効かせたサルサが爽やかに夏気分を高めてくれます。


空間デザインを手掛けるのは、国内外のインテリア・プロダクトで名を馳せる芹沢啓治設計事務所。

 主役のパンはもちろんのこと、この空間全体にパンの楽しさが満ちているよう。テラゾー風仕上げのカウンターは小麦粉のイメージ。その奥のタイル壁はパンの焼き目のようなこんがりした風合いを醸します。パンの柔らかな曲線に呼応するような木製シェードの照明は、設計チームと「カリモク家具」で作ったオリジナル。温もりと洗練が交差する空間に、「カリモク家具」や、佐賀の職人が作る「Ariake」の家具が並びます。


奥の厨房で次々とパンが焼き上がる。

 パン愛溢れる空間でイートインして、ゆったりと寛ぐもよし、持ち帰ってもよし。「今」の気分や予定に合わせて、「Et Nunc」はいつだってパンの幸せのすぐそばにいてくれます。

Et Nunc Daikannyama(エトヌンク 代官山)


外観。隣は植物屋さんで緑豊か。

所在地 東京都渋谷区代官山町20-23 フォレストゲート代官山 MAIN棟1F
電話番号 03-5422-3604
営業時間 9:30~19:30(9月1日からは~18:30)
定休日 無休 ※年数回の休業日あり
Instagram @etnunc.daikanyama
https://etnunc.jp/

文=chico
写真=榎本麻美

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