「こんなカッコいい職業だったんだ」 子役出身・南出凌嘉(18)が “役者”開眼した生田斗真との出会い
CREA WEB / 2024年8月16日 11時0分
押切蓮介原作によるホラー漫画を映画化した『サユリ』で、主演を務める南出凌嘉。
これまで菅田将暉、山﨑賢人、吉沢亮らの幼少・少年時代を演じ、着実にキャリアを積んできた彼が役作りに対する思いや、憧れの人について語ってくれました。
●初めてのドラマ現場は、NHK朝ドラ
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――幼い頃の夢は?
保育園の頃は、カプラという積み木が好きすぎて、お城やビルを作るカプラ職人になりたいと思っていたらしいです。その一方で、2~3歳の頃から、洋服好きな母に勧められて子ども服のモデルをやっていました。その後、4歳のときに地元の事務所に入り、子役として活動することになりました。
――その後、12年にNHK朝ドラ「純と愛」において、風間俊介さん演じる愛の幼少時代を演じられます。
マネージャーさんの勧めで受けた初めてのオーディションでした。それまでのキッズモデルのお仕事の延長ぐらいの気持ちで会場に行ったら、ちょっとピリピリしていて「いつもと違うかもしれない」と感じたのを覚えています。
そうして合格した初めてのドラマ現場は、カッコいいカメラや機材がいっぱいあって、ワクワクした気持ちでいっぱいでした。だから、「こういう映像の仕事をまたやりたい!」と思うようになりました。
――15年放送のNHK朝ドラ「あさが来た」でも、玉木宏さん演じる白岡新次郎の少年時代を演じられました。
ほかの作品と違って、「純と愛」と「あさが来た」は地元のNHK大阪さんでの撮影だったので、2度目では「久々に来たなぁ」「前はこういうことあったなぁ」と思い出しました。あと、朝ドラはいろんな方が見られるので、周りの方から「見たよ」という声を多くいただきました。
●生田斗真の役作りに対する姿勢に憧れる
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――翌16年には、人気アニメ『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』において、実写場面での主人公・ケータを演じられましたが、プレッシャーは?
ケータ役に決まったときは、事の重大さに気がついていなくて、「普段ゲームで操作したり、アニメで見ているケータをやるんだ!」ぐらいの気持ちでした。
撮影もグリーンバックの前で一人でお芝居していたので、気持ちの方が勝っていたのですが、映画が完成して、大勢のお客さんの前で舞台挨拶をしたときに、初めて「凄いことになってしまった!」と気づきました(笑)。
――その後も、『キングダム』での吉沢亮さん演じる漂、『ザ・ファブル』での岡田准一さん演じるファブル、『糸』での菅田将暉さん演じる漣、『夏への扉 -キミのいる未来へ-』での山﨑賢人さん演じる高倉などの幼少期・少年期を演じられます。こういった役を演じるうえで注意していることは?
いつも「こんな大役、僕でいいのかな?」と思いつつ、原作モノの実写を演じることが多いので、ご本人の特徴を意識するというより、原作を読み込んで、そこにいかに近づけるかということを考えていました。
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小学3年生のときに出演したドラマで生田斗真さんが演じたイクオの幼少期を演じたことで、「このお仕事を続けていきたい」と思うようになったのですが、その後もいくつか少年期を演じていくことで「自分が作品にどれだけ貢献できるのか?」ということを考えるようになりました。
――となると、転機となった作品は、15年に放送された「ウロボロス~この愛こそ、正義。」ですか?
時間がないなか、僕の演技を現場まで見に来てくださった斗真さんの役作りに対する姿勢を知ったときに、「役者って、こんなカッコいい職業だったんだ」ということに気付かされたんです。
最初はヒーローに憧れるような感覚だったと思いますが、ずっと斗真さんの出演作を追いかけていくうちに、だんだん変わってきたような気がします。
●観客の感情を動かす芝居を意識した最新作
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――最新出演作『サユリ』では引っ越し先で家族が次々に不幸に見舞われる主人公・神木則雄を演じられています。本作への出演の経緯は?
オーディションでした。最初に原作を読ませていただいて、その後にオーディション台本を読み込んだうえで、「僕はこういう演技が得意です」ということもアピールしました。
役が決まってからは、どこか、のほほんとしたところや、家族の中で自分の役割を分かっているところなど僕と則雄が似ているところ、共感できるところがいくつかあると思ったんです。
だから、役作りというよりは「どういうふうに、作品の中で生きるのがいいのかな?」ということについて、何度か監督とお話させてもらいました。
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――ともにサユリに立ち向かう祖母役の根岸季衣さんとの現場エピソードを教えてください。
根岸さんはカメラが回っていないときは、とても優しく、楽しくお喋りさせてもらっていたのですが、カメラが回り始めた瞬間に、ヨボヨボなおばあちゃんになったり、テンションが高いおばあちゃんへと豹変されるので、現場ではずっと引っ張ってもらいました。
大先輩とのお芝居は、とても刺激的で新鮮な体験でした。僕の感情が激しくなったときや、泣くシーンを撮った後に、「よくやった。よくやった」と優しく声をかけてくれたときの安心感や、オールアップしたときに握手してもらったときの「これで、もうおばあちゃんと会えないんだ」という寂しさもよく覚えています。
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――今回は、どんなことを学んだ現場だったと思いますか?
役としての見られ方をいちばん学びました。例えば「お客さんの感情をどのように動かすか?」ということです。今回はホラー映画なので、みなさんにたくさん怖がってもらいたいですし、可哀そうな役柄だからといって、同情させるだけではいけない。みなさんを置き去りにせず、同じ気持ちになってもらうことを心がけて演じていました。だから、今までとは違う南出が観られると思いますし、則雄と一緒に怖がってほしいと思います。
●その人物に100%なりきれる俳優になりたい
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――今後の希望や展望、また憧れの先輩について教えてください。
どんなキャラクターを演じても、その人物に100%なりきれる俳優さんになりたいです。これまで被害者側が多かったので、ダークな悪役や黒幕も演じてみたいです。
憧れや目標の人は、やはり生田斗真さん。どんな役をやってもカッコよく、美しいですし、またお会いできるよう頑張っています。
そして、僕が斗真さんに憧れているように、後輩やいろんな子に憧れてもらえるような存在になりたいです。
南出凌嘉(みなみで・りょうか)
2005年8月10日生まれ。大阪府出身。12年にNHK朝ドラ「純と愛」で俳優デビュー。その後、ドラマ「ウロボロス~この愛こそ、正義。」(15年)、「姉ちゃんの恋人」(20年)、「やさしい猫」(23年)、「君が獣になる前に」(24年)、映画『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』(16年)、『キングダム』(19年)、『ザ・ファブル』(19年)、『糸』(20年)、『夏への扉 -キミのいる未来へ-』(21年)などに出演。
文=くれい 響
撮影=平松市聖
スタイリスト=岡本健太郎 KENTARO OKAMOTO
ヘアメイク=亀田雅 MASA KAMEDA
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