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CLAMP35周年記念の展覧会を世代ドンピシャのファンライターがレポート【後期展示がスタート】

CREA WEB / 2024年8月25日 11時0分

 あなたの思い出のCLAMP作品はなんですか?

 1989年の商業誌デビュー以来、常に第一線で活躍してきた女性4人の創作集団CLAMP。2024年、画業35年周年を記念して、今までにない規模の展覧会が7月3日(水) ~ 9月23日(月・休)、国立新美術館で開催されています。

 通常観覧日が始まった初週の土日には、長蛇の列ができたという、大きな話題となっているこの展覧会。幼少時『魔法騎士レイアース』の録画ビデオを作り、『カードキャプターさくら』を見るために小学校から駆け足で帰っていたライターが、前期展を見て参りました。

 8月14日(水)からは後期展示がスタート! 前期と同様、ファン必見の展示がズラリ。見逃せません!


美麗なカラーに生原稿……ファン垂涎の展覧会構成


CLAMPファンのライター・宇野なおみ。「特に好きなキャラは知世と風です」。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 国立新美術館で、漫画作家の個展が行われるのは今回がまだ2回目。また、過去にCLAMP作品の展覧会は2度ほど開催されていましたが、これほど大規模なものは初めてだそうです。

 商業デビュー作『聖伝-RG VEDA-』(せいでん リグ・ヴェーダ)から最新作となる『カードキャプターさくら クリアカード編』までの23作品全てに関する展示を用意。会期前後を合わせて、約800点のカラーとモノクロの原画が展示されています。

 各エリアのテーマは、CLAMPの頭文字から取った「COLOR」、「LOVE」、「ADVENTURE」、「MAGIC」、「PHRASE」。さらに歩んできた歴史・さまざまなコラボレーションを展示する「IMAGINATION」、今回の展覧会のための描き下ろしカラーイラストが展示された「DREAM」という7つのエリアを通じ、CLAMPの作品世界を巡ることができます。

美麗なカラーにみんな釘付け

 最初の部屋「COLOR」では、各作品のカラー原画が展示されています。繊細で華やかな画風がぱっと思いつくかもしれませんが、時代ごとにコピックや透明水彩など、新たな画材を次々取り入れています。

 媒体ごとに画風を替え、常に新たな表現方法で作品世界が描きだされていたことも感じられます。例えば、同じキャラクターが登場するなかよし連載の『カードキャプターさくら』と週刊少年マガジン掲載『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』では全くタッチが異なります!

 印刷と見紛うような美麗なカラーたち。こちらの部屋は写真撮影NGなこともあり、皆さんできる限り近寄って見ていて人が途切れることはありませんでした。リアルタイムで見ていたイラストもきっとあるはず!

さまざまな愛のカタチに触れる「LOVE」のエリア


「LOVE」のエリアでは愛のカタチをテーマにしたさまざまな原画が展示。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 親愛、家族愛、友愛……ありとあらゆる愛の形が描かれているCLAMP作品。例えば『カードキャプターさくら』に登場する愛の形の多様さに衝撃を受けたという人も多いでしょう。


こんな一角も! 「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 「好き」という告白シーンが集められた一角では、同じ見開きで、同じ単語を使っていても全く違うシーンの数々に驚きます。

平成~令和を駆け抜ける「ADVENTURE」エリア


展示美術も素晴らしいCLAMP展。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 先に進むと、「ADVENTUREエリア」に。本の中に飛び込むような入口が素敵です。

 さまざまな伏線が影響し合うストーリーテリングもCLAMP作品の魅力の一つ。代表作『東京BABYLON」や『X-エックス-』、『カードキャプターさくら』などの本編原稿を、物語を読み進めるように展示されています。


ついつい足を止めて「読んで」しまう展示。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 その数はなんと350点以上!コミックスを持っている作品でも、ついつい「読んで」「楽しんで」しまいます。

ストーリー形式で生原稿が!


1枚1枚の原画に感動!「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 アナログ原稿ならではのホワイト修正やトーンワークといった、生原稿ならではの迫力、美しさが感じられます。漫画という日本が誇る表現がいかに繊細で美しいものかが伝わってきます。髪の毛の表現が細かすぎる……!


『カードキャプターさくら』の表紙も!「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 なお、この部屋の上部にはコミックスの表紙やクロウカード、モコナなど、さまざまな装飾が施されていますので、お見逃しなく!

激動の時代を感じるコーナーも


当時の世界情勢を感じさせる展示も。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

『東京BABYLON』のコーナーでは、ノストラダムスの大予言やダイヤルQ2が登場する回、外国人に対する偏見に苦しむ女性を描いた話があります。

 CLAMPのデビューはバブルが弾け、消費税が導入された平成元年。阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が起こり、携帯電話が登場と、平成から令和は、目まぐるしく日々が変化してきました。激動の時代を反映し、常に時代の波を感じながら、常に新たな表現を模索してきたことがわかります。

巨大なインスタレーションを楽しめる「MAGIC」エリア


大迫力の「MAGIC」エリアの展示。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 天使にロボット、マスコット……CLAMP作品はファンタジーをメインテーマに据えたものがたくさんあります。中でも印象的なのが「魔法」。さくらや光、昴流(彼は陰陽師ですが)の真似をした覚えはありませんか?


大迫力の「MAGIC」エリアの展示。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 部屋には3つの巨大なスクリーンがあり各作品に登場したキャラクターが次々と浮かび上がります。漫画がそのままアニメーションになったような、没入感のあるインスタレーションが楽しめますよ。

印象的なセリフが押し寄せる「PHRASE」エリア


コトバを見ていると自然と情景が思い起こされる。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 ひと続きになっている「PHRASE」のエリアでは、『xxxHOLiC』をフィーチャー。フレーズ、まさにコトバが作品の軸になっている本作品の漫画原稿が展示されています。

 さらに奥に進むと、高い天井にCLAMP作品を彩ってきた数々のセリフが描かれています。


(キャプ)1枚だけひけるフレーズのシール。 私が引いたのはレイアースの海ちゃんの言葉でした。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 ここでは、おみくじのように、箱から1枚、シールを引くことができます。銀色のシールには、各キャラクターのセリフが。


それぞれが引いたフレーズが展示会場を彩る。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 シールは持ち帰ることもできますが、展示会場の壁に貼るのがおススメ! キラキラと輝くフレーズのシールで埋め尽くされた会場は鏡のよう。来場者で展示を一緒に創り出すCLAMP展らしい催しでした。

年表が圧巻「IMAGINATION」エリアと厳かな雰囲気の「DREAM」エリア


CLAMPファンなら垂涎! ボリューム満点の展示。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

「IMAGINATION」エリアでは、35年間の年表が貼られ、著者CLAMPのインタビューも読むことができます。その長さは壁ひとつにとどまらず、写真に収めるにも苦労するほど。

 表紙を飾った各雑誌の現物、海外翻訳されたコミックスも見ることができます。

 また、『HIGH&LOW g-sword』や『GIFT』など、さまざまなコラボ作品も展示。ハローキティ50周年のコスチュームや、着物など、デザインをプロデュ―スしたコラボ作品があるのもCLAMPらしい幅広さを感じられます。


荘厳な印象の「DREAM」エリア。「CLAMP展」国立新美術館 2024年 展示風景。
©CLAMP・ShigatsuTsuitachi CO.,LTD. ©C,ST/CEP

 展示の締めくくりは「DREAM」エリア。描き下ろしイラストのみが展示されています。白一色に包まれた空間は、神々しさすら感じます。

来場者全員がCLAMP世代! そしてこれからも

 ライターが訪れた日は、朝いちばんで到着したものの、既に会場前は人でぎっしり。SNSではブラジル(!)から来たというファンも見かけましたが、並んでいても中国語や韓国語、「地元に帰る前に、東京のどこ行きたい?」といった会話が聞こえてきました。年齢層も、本当にバラバラ。足を止める作品もそれぞれ違います。

 ヒット作を作る事は難しく、しかもエンターテイメントは時代の移り変わりとともに変貌します。さらに、描き続ける事はもっと難しい。CLAMPが開いてきた道のりのひとつに、「キャリアを止めることなく、ヒットを築き続けること」も挙げられると、圧倒されながら感じました。

 35年間、常に私たちは「CLAMP世代」。これからも、その世代は広がり続けていくことでしょう。

CLAMP展

会場 国立新美術館 企画展示室2E
所在地 東京都港区六本木 7-22-2
会期 2024年7月3日(水) ~ 9月23日(月・休)
※後期展示は8月14日(水)~
休館日 火曜
営業時間 10:00~18:00
※金・土は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
チケット料金 一般 2,100円、大高校生 1,000円
※中学生以下は入場無料
※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料
公式 WEB サイト https://www.clamp-ex.jp/

文=宇野なおみ
撮影=三宅史郎

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