思わず青田買い!【マンガ好きが大注目する新人作家22人】単行本化されていない名作も続々!
CREA WEB / 2024年9月28日 11時0分
いま一番フレッシュで心を揺さぶるおもしろいマンガは? 新作を日々ウォッチしている「CREA夜ふかしマンガ大賞」選考委員の皆さんが自信を持っておすすめする新人漫画家と新作マンガを集めました。
◆『銀のくに』はやしわか/ヒーローズ
舞台はしんしんと雪が降り積もる新潟の田舎町。高校1年生の五十嵐風花は両親と祖父母と5人暮らしだったが、ある日、学校から帰ると家族が増えることに……。
「雪国の小さな町で暮らす高1女子の家に、存在さえ知らなかったいとこの兄妹がやって来て……。センチメンタルなムードもいつか感じたことのあるようなほどよさでホッとする、読ませるドラマ。同じ作者さんの短編集『変声』も良いです」
推薦者
編集者・ライター・作家
粟生こずえ(あおう・こずえ)さん
マンガレビュー、マンガ家インタビュー多数。本を読むのが習慣の自称“読鬼”。不定期でブックトークイベントや蔵書を放出する「おもしろ古本市」を開催。
◆『番長! 神絵師コイツです!』キヨヤス理解/プランタン出版
腕っ節のよさと男気で慕われる番長・伴長と、そんな彼を誰より愛する相棒の一色司。司は伴をモデルに密かに同人誌を作り、募る想いを慰めるが、本人の手に渡ってしまい…。波瀾万丈ギャグコメBL。
「コミカルなBLでギャグセンスと勢いが大好きです。親友の番長が好きすぎて同人で少女漫画描いちゃう主人公が愛しすぎます」
推薦者
イラストエッセイスト
犬山紙子(いぬやま・かみこ)さん
多くの雑誌で執筆のほか、メディアでも活躍中。ゲームやマンガなど、2次元コンテンツ好き。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ文庫)『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)など。
◆『君がまた描きだす線』加藤羽入/祥伝社
とあるマンガ編集プロダクションを舞台に「自分が自分であるために」闘う女性たちの夢とリアルを描いたオムニバスストーリー。
「理不尽に折られ、損なわれ、傷つけられてきた人たちがマンガを通して繋がり、連帯し、生き延びようともがく姿が力強くてたまらなかった。セリフ一つひとつが響いて思い出しただけで泣いてしまいそう。でも、生きることも世界も人間も諦めたくないから、私も頑張りたいって思えました」(宇垣さん)
「マンガ編集プロダクションの舞台に、『マンガ』という表現手段を通じて、生きる道を見つけようともがく人々の清き挑戦の物語。3話目の、毎月届くファンレターでつながるファンとマンガ家の物語が心に染みます。伝える情熱と受け取る魂の交流。心に秘めた想いを表現することで未来は変えられるかもしれない。私も、大好きな作家さんに『ファンレター書こう……っ!』って思いました。マンガから特別な栄養を摂取している方には、ぜひおすすめしたい1作です」(牧野さん)
推薦者
フリーアナウンサー・俳優
宇垣美里(うがき・みさと)さん
2014年にTBSに入社。19年に退社し、現在はドラマや舞台出演、執筆業など多方面で活躍。「週刊文春」で「宇垣総裁のマンガ党宣言!」を連載中。
推薦者
アニメイト書籍担当
牧野麻紀子(まきの・まきこ)さん
アニメイトの書籍販促(主にBL)を担当。「全国にお店があるので、ぜひ、お近くのアニメイトへ!」
https://www.animate.co.jp/
◆『ハヴィラ戦記』みのすけ/集英社
奄美群島にて発見された小さな人型の生き物、ハヴィラ。絶滅を防ぐために人間によって何世代にもわたり、交配するつがいを決められている。人間から自由を勝ち取るために立ち上がる、ハヴィラの物語。
「ヤンジャンで連載中ですが、素朴な絵柄と骨太でハードな世界観のギャップにハマっています」
推薦者
ブログ「マンガ食堂」管理人
梅本ゆうこ(うめもと・ゆうこ)さん
マンガに登場する料理を再現してブログ「マンガ食堂」で紹介。普段は会社員兼主婦。主な著書に『マンガ食堂』(リトル・モア)。
◆『ブブとミシェル ~雨上がりの天使~』コドモペーパー/トゥーヴァージンズ
堕天使が落ちてくる裏山で食材を探して散策していた少年・ミシェルは、死骸の中から卵を見つける。生まれてきた堕天使・ブブの寿命は1週間。最期まで見届けようとする孤独な少年と奇跡の物語。
「両親を病で亡くし、心に深い傷を負った少年・ミシェルと、無邪気な堕天使・ブブによる愛と絆の物語。コドモペーパー先生の絵柄と、この作品全体を流れる空気感が大好きです。かわいく奇妙で切なくて、読んでいると胸がギュッとなります。忘れかけていた大切な何かを思い出させてくれるよう。大人にこそ読んでほしいおとぎ話のような作品です」
推薦者
hontoコミック担当
荻野晶(おぎの・あき)さん
話題作からBLまでマンガ全般をこよなく愛し、月に100冊以上読む雑食派。マンガのキャラクターを讃えるアワード「マガデミー賞」の審査員も務める。
◆『君にかわいいと叫びたい』ハッピーゼリーポンチ
桐山さんの職場にやってきた新入社員は、彼女が大切にしていた最愛の着せ替え人形そっくり。かわいいと言いたい女とかわいいと言われたい女をコメディタッチに描く、現在Xにのみ掲載のマンガ。
「会社の先輩女性と後輩女性が互いに『この人といると楽しいな、もっと仲良くなりたいな』と切実に思う様子を、丁寧に、ハッピーに、描いている。出合えてよかったね、ずっと仲良くしていてね、と泣けてくる」
推薦者
ライター
門倉紫麻(かどくら・しま)さん
主にマンガにまつわる記事を企画、執筆。マンガ家へのインタビュー多数。著書に、ジャンプ作家の仕事術を取材した『マンガ脳の鍛えかた』(集英社)など。
◆『恋せよまやかし天使ども』卯月ココ/講談社
学校で美少女と評判の桂おとぎと完璧男子の一刻(にのまえとき)。ふたりには裏の顔もあり……。完璧を装う男女のだまし合いラブストーリー。
「スタイリッシュな絵柄で今どきの恋愛を描いています」
推薦者
大型書店勤務
コミック担当S(こみっくたんとうえす)さん
コミック担当は気付けば30年。中堅だと思っていたらすっかりベテランの域に。マンガはまだまだ紙で買ってしまうので、部屋中マンガだらけ。
◆『Build a chair』加藤羽入/祥伝社
セクハラで好きなチョコレートを食べられなくなった販売員、描きたい作品を描かせてもらえないマンガ家、鬱で休職中のOL……。現代女性たちの“生きづらさ”にそっと寄り添う短編集。
「私たちは無意識にいろんなことを諦めていたんだな、と気づかせてくれる。言語化してくれることにより無意識ではなくなる。仕方ないで片付けてはいけないのだ、今の時代は闘っていいんだと鼓舞してくれる作品」
推薦者
お笑い芸人
ニッチェ 近藤くみこ(こんどう・くみこ)さん
2005年、江上敬子とともにお笑いコンビ・ニッチェを結成。「王様のブランチ」(TBS)「スイッチ!」(東海テレビ)レギュラー出演中。四日市市観光大使。
◆『遠い日の陽』横谷加奈子/講談社
写真売買から始まる、令和的奇譚……。「モーニング月例賞2023年9月期」入選受賞作(※単行本未発売。コミックDAYSで配信中)
「横谷さんの作品に漂う淋しさと孤独は、甘さを伴っている。心細い人間が生きている世界は道や建物、景色さえ淋しく、また愛しいものであると伝わってくる。そんな中独特な設定で描かれる他者とのつながりには、めでたしではない本当の救いがある気がする。そして結局は、いつまでも横谷作品の淋しさの中にいたくなってしまうのだ」(鶴谷さん)
「フリマアプリで自分の幼少期の写真を売る『チヒロくん』と、なんとなく惹かれるものがあり、それを買った男子高校生の話。テーマとその昇華のさせ方に、新人の方とは思えないセンスを感じました」(佐久間さん)
推薦者
マンガ家
鶴谷香央理(つるたに・かおり)さん
『おおきな台所』でデビューし、第52回ちばてつや賞準大賞を受賞。『メタモルフォーゼの縁側』(KADOKAWA)でも多くの賞を受賞。
推薦者
テレビプロデューサー
佐久間宣行(さくま・のぶゆき)さん
話題の番組を数多く手がけるほか、演出家、ラジオパーソナリティとしても活躍。近著に『ごきげんになる技術 キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方』(集英社)。
◆『美しいもの』鳥井泳/COMIC MeDu
閉館を間近にした避暑地の美術館。ある日、遠方からやってきた少年が1枚の絵画をじっと見つめていて……。新鋭が贈る、記憶と邂逅の読み切り(単行本未発売)
「単純に1本の作品として素晴らしかったし、驚いた。美しいもの、それを感じること。そのかけがえなさ。誰にも奪えない感受性。今でもたまに読み返すし、早く次作が読みたい作家さんです」
推薦者
テレビプロデューサー
佐久間宣行(さくま・のぶゆき)さん
話題の番組を数多く手がけるほか、演出家、ラジオパーソナリティとしても活躍。近著に『ごきげんになる技術 キャリアも人間関係も好転する、ブレないメンタルの整え方』(集英社)。
◆『走り出す花びら』甘井最鹿/祥伝社
単身やってきた海の向こう、日本。何もかもが手探りのこの場所で、「新しい私」は見つかるのか……。(単行本未発売)
「フィール・ヤングに掲載されたデビュー作『走り出す花びら』が絵、物語ともにとんでもないクオリティでした。早く新作が読みたいです」
推薦者
ミュージシャン
澤部渡(さわべ・わたる)さん
音楽とマンガを愛するマルチプレイヤー。数々の著名人への楽曲提供を行い、アニメや映画などの劇伴に携わる。ソロプロジェクト「スカート」名義でも活躍。コラボレーションEP『Extended Vol.1』が好評配信中。
◆『オッドスピン』菅野カラン/講談社
双子の姉妹はなぜ「なんとなく」地面師になったのか。土地の所有者に成りすまし、金を騙し取る詐欺師、地面師に目をつけた姉妹が繰り広げるクライムサスペンス。
「主人公は地面師(不動産の詐欺師)の姉妹。近場へ日帰り旅行にいくぐらいのノリで巨額の詐欺を淡々と進めていくふたりの様子が、作者独特のテンポで描かれていきます。不穏と平穏が同居しているような、なんともミステリアスな空気に満ちていて、姉妹に相対するキャラも得体のしれない曲者揃い。今後どう展開していくのか、すごく注目しています」
推薦者
ebookjapan書店員
信太祐介(しだ・ゆうすけ)さん
2007年株式会社イーブックイニシアティブジャパン入社。「ebookjapanマンガ大賞」や、人気作家のルーツと今に迫るインタビューシリーズ「漫画家のまんなか。」などを企画・担当。
◆『阿武ノーマル』原作:川上大和、作画:タイジュン/講談社
OL・阿武英子は29歳、独身、彼氏なし。ものごとの価値基準は「普通」か否か。「普通」に固執する彼女を取り巻く新感覚サイコサスペンス。
「群雄割拠のマンガ界においては日々素晴らしい新人作家が台頭していますが、本作のおふたりにおいては目の肥えた読者の予想を超えてくる作品強度と遊び心が際立っていると感じます。
『普通』になりたい“サイコ”な女と他人を蔑む中身のない男が最悪の出会いをするのですがいつしか妙なバディみたいになっていき――。毎話更新が楽しみです。ぜひこのままオリジナルロードをぶっちぎってほしいです」
推薦者
物書き
SYO(しょー)さん
映画雑誌の編集などを経て独立。映画やドラマ、マンガ、アニメといったエンタメ系からライフスタイルまで幅広く執筆。トークイベントや映画情報番組などにも出演。
◆『思春期姉弟』みそくろ/ワニブックス
思春期を迎えた中学校2年生の男女双子、日野陽介とみかげを軸に描く青春コメディ。
「新人とは思えぬ描写力とキャラクターの表情の豊かさです。本作はフェティシズムがテーマになっている作品なのですが、フェチ表現が非常に個性的。登場人物それぞれが思春期を迎え、心と体が大人になっていくなかで覚醒するフェティッシュの世界が瑞々しく、かつ大胆に描かれています。マンガ通にこそ読んでいただきたい作品!!」(すず木さん)
「双子の中学生姉弟の身体と心の成長をめぐるドタバタは、気恥ずかしくもコミカルで楽しい。そして人を好きになること、本能とは? に向き合う様子は、思春期をとっくに過ぎた大人にも、なんだか繋がっているように感じられる」(みさきさん)
推薦者
ブックライブ書店員
書店員すず木(しょてんいん・すずき)さん
年間読むマンガは2,000冊以上。総合電子書籍ストア「ブックライブ」編成担当で、この道10年以上のベテラン書店員。毎月おすすめの新作マンガを紹介する「月刊 書店員すず木」公開中。
https://booklive.jp/
推薦者
マンガ司書
みさき絵美(みさき・えみ)さん
公共図書館、マンガ専門図書館の司書を経て、現在はマンガのアーカイブに取り組んでいる。
◆『馬刺しが食べたい』桜井さよる/集英社
好物である馬刺しの絵で、絵画コンクールの大賞を受賞した女子高生・梅野かえで。その絵が話題となり、なぜか強面な同級生・竹内聡巳に目をつけられてしまう。
「食べ物の絵を描くことで、男子同級生の偏食を直していく、まさかのグルメ×美術マンガ。馬刺しネタでこれだけ押せるのがすごい。幸せな気持ちになる読後感。そして馬刺しが食べたくなる」
推薦者
小説家
新川帆立(しんかわ・ほたて)さん
東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第19回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2021年に『元彼の遺言状』(宝島社)でデビュー。著書『競争の番人』(講談社)など多数。近著に『女の国会』(幻冬社)がある。
◆『線場のひと』小宮りさ麻吏奈/リイド社
「戦後」と呼ばれる時代を日本とアメリカに生きた、異なる背景やアイデンティティを持つ4人の物語。
「久しぶりに表紙買いをした。自分が多感な人間になったように感じるくらい、コマから感情がほとばしる」
推薦者
編集者・元「このマンガがすごい!」編集長
薗部真一(そのべ・しんいち)さん
文藝春秋編集者。担当作に『週刊文春エンタ+』『証言「機動戦士ガンダム」』『この世界の片隅に 対談集』(文藝春秋)『翔んで埼玉』(宝島社)など。
◆『ルリドラゴン』眞藤雅興/集英社
高校生の青木ルリは、ある朝目覚めると突然頭にツノが生えていて……。ドラゴン少女が日々を頑張らなかったり、頑張ったり、やっぱり頑張らなかったりする、ゆるっとした日常系マンガ。
「存在感とキャラ立と面白さと画の巧さと面白さ。1巻発売以降は連載がストップし、再開後は少年ジャンプ+に移籍したけれど2巻を今か今かと楽しみにしている。先生のよきタイミングで続けてほしい」(編集部注:9月4日に2巻発売。)
推薦者
三省堂書店海老名店コミック担当
近西良昌(ちかにし・よしまさ)さん
18歳で書店員になり、三省堂書店海老名店に勤務。学参担当を経て、2001年から20年以上コミックを担当。マンガ大賞に第2回より選考委員として参加。
◆『カグラバチ』外薗健/集英社
刀匠を志す少年チヒロが、刀匠の父を亡くし、妖術を駆使して悪と闘うバトルアクション。寡黙で冷徹なダークヒーローが復讐に生きる物語。
「大胆なコマ割りや圧巻の構図、戦闘中に数分前の和やかな会話シーンを唐突にカットバックするなどのかなり風変わりな演出を使う作家で、マンガというよりハイセンスなバイオレンスアクション映画に近い。マンガ作りの才能が光りまくっていて今後きっとすごいマンガ家になると思います」
推薦者
小説家
深緑野分(ふかみどり・のわき)さん
2010年、『オーブランの少女』で第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年に入選作を表題作とした短編集でデビュー。『戦場のコックたち』(東京創元社)『スタッフロール』(文藝春秋)で直木賞候補、本屋大賞ノミネート。『ベルリンは晴れているか』(筑摩書房)でTwitter文学賞国内編第1位、直木賞候補、本屋大賞ノミネート。
◆『十次と亞一』コドモペーパー/新書館
売れないマンガ家・小林十次は、ひょんなことから売れっ子の幻想小説家・大江亞一と出会う。明治・大正期の架空の下宿屋を舞台に描く、ふたりの男をめぐるミステリ。
「大正ロマンの色濃い時代を舞台にした非BL系ボーイ・ミーツ・ボーイの物語。謎解きとふたりの友情とが掛け合わされたストーリーも魅力的。本作は万年筆を使って描いたというのも驚きであり、そのタッチに惹き込まれます」
◆『花の在りか』大横山飴/KADOKAWA
物書きをしている主人公・三ツ郎が、子ども時代に仲のよかった真帆と再会したことから、物語が動き出す純文学的青春譜。
「青年マンガ(なのでちょっとエロ系)で数年前にデビューしているので青田買いか微妙ですが、「月刊コミックビーム」で出たこれが実質デビュー作とみていいのではと。地方の街に戻ってきた青年と女性が再会するのですが、恋愛未満の彼らの距離感がリアル。しかも彼らの宙ぶらりんな内面(居場所が決まらない、将来が見えないみたいな)と関係性と二重写しになっていて、うまい。映画を観るような作品に仕上がっています。独特の画風も含め、マークしていきたい作家さん」
◆『梅花の想ひ人』おく/KADOKAWA
日本各地の民話をもとにした5篇を収録。美しく迫力のあるフルカラー作品集。
「ストーリーは、日本各地に点在する昔話がベースで、それをアレンジして作られています。ゆえに、どこかで見知った話(オムニバス。たとえば1話目は「鶴の恩返し」みたいな話)なのですが、圧巻の画力と組み合わさると、ものすごく豊かな作品になるんですね。1ページ1ページが絵画のよう」
推薦者(上記3作品すべて)
ライター・ブックカウンセラー
三浦天紗子(みうら・あさこ)さん
『CREA』『an・an』をはじめとした女性誌でのマンガ紹介や、文芸誌などで書評やインタビューを担当。著書に『震災離婚』(イースト・プレス)など。
◆『それでも天使のままで』小骨トモ/双葉社
学校に居場所がない小林くんが映画館で目覚めた「リカ先輩の夢をみる」ほか、「それでも天使のままで」「あの嫌いなバンドはネットのおもちゃ」「先生のクモのイト」の4つの初恋を描いた物語。
「単行本2作目なので青田買いといっていいのか微妙ですが、こちらもめっちゃよかったです。生々しくて醜いけど愛おしい作品を描ける貴重なマンガ家さんです。ちなみにマガジンハウスSHUROで連載されている、かわじろうさんも青田買いしたい作家さんです」
推薦者
ジュンク堂書店池袋本店コミック担当
八木 泉(やぎ・いずみ)さん
丸善ジュンク堂書店でコミックジャンルアドバイザーチーフを務める。コミック担当歴は20年以上というマンガの専門家。
◆『mothers』草原うみ/トゥーヴァージンズ
喪失を抱えるふたりの母の心の葛藤を描いた「mothers」ほか、珠玉の12編を収録。
「心の奥底に澱を抱えたふたりの母親が、ある出会いをきっかけに心を解かしてゆく表題作をはじめ、遠い日に傷ついた人の心を優しく揺らした行為が、数年の時を経て温かな時間を連れてくる瞬間を描いた『ティラミスのパフェ』など、人間関係の複雑さをやわらかな視点で捉えた12篇がどれも良かったので。初連載の『やがて、ひとつの音になれ』も楽しく読んでいます」
推薦者
ライター・編集者
山脇麻生(やまわき・まお)さん
マンガ誌編集を経てフリーに。各紙誌でコミック評及びコミック関連記事などを執筆。京都精華大学新世代マンガコース非常勤講師も務める。現在、11月刊行の黄表紙関連本を執筆中。
◆『夜明けの唄』ユノイチカ/シュークリーム
人間のために命を削りながら正体不明の化け物と闘う運命にある少年エルヴァと、彼を救うべく奮闘するアルトノウルとの絆を描いたファンタジーBLマンガ。
「あー、不思議の国の話かな、と思いきや、次々と明かされる秘密にのめり込みました。エルヴァの美しさやキュンとするシチュエーション、登場人物の苦しみが波のように襲ってきて、脳みそグルグルです。
久々にドハマりしました。GW中に大人買いして、何十回読み直したか……。BLというよりはバディものに近く、BL慣れしていない人にも受け入れられそう。とにかく壮大な設定、そして共感しかない人権問題の扱いがすごくいい。商業デビュー1作目でこのクオリティ! この先が楽しみです」
推薦者
少女マンガ研究家
和久井香菜子(わくい・かなこ)さん
ライター、少女マンガ研究家、TLノベル編集。少女マンガ研究で『マツコの知らない世界』などのメディア出演も。京都芸術大学在学中。
文=大嶋律子(Giraffe)
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