1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

『台湾はだか湯めぐり』著者の台湾出身の漫画家・捲猫さんが『シティーハンター』を大好きだったワケ

CREA WEB / 2024年9月4日 17時0分

 今年6月、台湾の「裸で入れる湯」を詳細にレポートしたコミックエッセイ『台湾はだか湯めぐり 北部篇』(中央公論新社)を刊行した台湾出身の漫画家・捲猫(マキネコ)さん。前篇・中篇に続き、後篇では漫画家を目指したきっかけや日本の温泉について語っていただきました。


捲猫さん。

大好きだったマンガは『シティーハンター』(北条司)

――本を読んでいると捲猫さんの人物像にも興味が湧いてきます。漫画家になった経緯を教えてください。

 子どもの頃から絵を描くのが好きで、台湾で翻訳されていた日本のマンガをよく読んでいました。特にギャグマンガや笑えるマンガが好きで、その影響で人間観察が趣味になって、行動や会話からおもしろいことを見つけ出し、それを絵と言葉で伝えることがしたくて漫画家を志しました。

 ちなみに、大好きだったマンガは『シティーハンター』(北条司)です。当時9歳ぐらいだったので、今思うと子どもには不適切だったかも知れませんが、私の中ではただ単に、冴羽獠が槇村香に100トンハンマーで殴られるというシーンがおもしろくて大好きでした。


『台湾はだか湯めぐり 北部篇』より。

――大学時代はマーケティングを学んでいたそうですね。

 はい。台湾の大学では広告学科で主にマーケティングを学んでいたので、マンガとはまったく無縁の生活でした。卒業して働き始めてからは、小・中学校の教材で使うフラッシュ動画などを作るデザイン系の仕事をしていましたが、“自分で創作したい”という思いが強くなり、イラストレーションを学ぶためイギリスの大学院へ。卒業後は台湾に戻って創作活動を始めて、自分のオリジナルで作品を描くようになりました。

――昔から日本の文化に興味がある捲猫さんから見た、日本の温泉のいいところを教えてください。

 日本は温泉文化が長く、湯屋の建築や浴室のデザインが素敵なところが多い点がとてもすばらしいですね。露天風呂がある施設も多く、湯船から風景がよく見えたり、それぞれ個性があるので、温泉を目的にした旅ができるのが魅力です。

いちばんのおすすめは?

――日本で行ったことがある温泉、印象に残っている温泉を教えてください。

 静岡県の伊東や下田、千葉県の養老渓谷、兵庫県の城之崎、香川県の小豆島など、全国あちこち行っています。なかでも、小豆島の温泉は湯船から海が眺められて、お湯も海水みたいにしょっぱくて、特に印象に残っていますね。温泉ではないですが、京都の銭湯にも行ったことがあります。

――今後行ってみたい日本の温泉はありますか?

 今回の日本滞在中に、長野県の上諏訪温泉にある「片倉館」に行く予定です。というのも、本の中で紹介している「北投温泉博物館」と片倉館は設計した建築家が同じで、とても似た造りの立ち湯の大浴場があるんです。北投温泉博物館は見学のみで入浴はできないのですが、片倉館は入浴できるのでそれが楽しみで楽しみで。今まで、“立ち湯”というものに入ったことがないので、とても興味がありますね。


『台湾はだか湯めぐり 北部篇』より。

――日本の読者が台湾の温泉に行くとしたら、どこがいちばんおすすめですか?

 今回紹介している温泉の中だと、「北投温泉」がおすすめですね。台北から公共交通機関で行けて、最寄り駅のすぐ目の前が温泉街という利便性のよさで、個室温泉や温泉銭湯、24時間営業や高級温泉まで、選択肢が多いのも魅力です。たまに、日本人の旅行者に会うこともあって、台湾のおばさんたちが懸命に話しかけて交流しようとしている光景にもほのぼのします。

 実は今、『台湾はだか湯めぐり』の続編の取材を進めているのですが、今後紹介予定の台湾北東部にある宜蘭の礁渓温泉もおすすめです。台北から電車やバスで40~60分で行けて、町全体が温泉街になっているので観光も楽しめますよ。

東部・中南部篇も制作中

――『台湾はだか湯めぐり』は続編制作中なんですね!

 はい。今は2巻目の東部篇の取材を進めていて、イラストも3分の1ぐらいまで描き進めたところです。ありがたいことに、3巻目の中南部篇まで出すことが決まっていて、全3巻で台湾全土を紹介する計画です。

 日本のみなさんに楽しく本書を読んでいただき、機会があればぜひ台湾のはだか湯を体験していただけたら嬉しいです。


捲猫さん。

捲猫(まきねこ)

台湾台北出身。国立政治大学広告学科卒業。英国キングストン大学イラストレーション・アニメーション科イラストレーション専攻修士。動物を描くのが好き。大学・大学院卒業後、長らく同人誌会場に出没。独立出版物に、絵本スタイルのコミック作品『刺蝟的愛(ハリネズミの愛)』『捲兔的留英人生(捲兔の英国留学人生)』などがある。2022年、台湾・原動力文化より『捲兔的台灣裸湯:北部篇(台湾はだか湯めぐり:北部篇)』を刊行。温泉旅行と節約ライフが好き。人生の幸福とは、家族が健康であること、期限間近商品のショッピング、飲み物を買う時マイボトルを持参して5元割引してもらうこと。

文=田辺千菊(Choki!)
写真=石川啓次

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください