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「ホント上手だな~」バナナマン日村に称えられるほど…「ゴッドタン」の名物Pはなぜ“褒めまくる”のか?

CREA WEB / 2024年9月9日 11時0分

 テレビ東京で「ゴッドタン」「あちこちオードリー」など数々の人気バラエティを手がけ、独立後もプロデューサー、パーソナリティなど幅広く活躍する佐久間宣行さん。

 バナナマン日村さんに「褒めるのが上手」と称えられ、かつてテレ東社内で「再生工場」と呼ばれた佐久間さんが明かす人間関係がスムーズになる方法とは? 新刊『ごきげんになる技術』より抜粋、一部再構成して紹介します。


最もシンプルで究極のコミュニケーションテクニック

 自分の中にある陰な部分やネガティブな面とはきちんと向き合ったほうが人生がラクになる。一方で人に対してはポジティブを発動したほうが、圧倒的にいい循環を生みます。これも経験から分かったことです。


「ゴッドタン」など人気バラエティ番組で多くの芸人と仕事をしてきた佐久間宣行さん。©Wataru Kauta(TRIVAL)

 人に対してはポジティブであること。

 この姿勢を持っておくと人間関係もスムーズになって、結果コミュ力も上がる。いわばごきげんを伝播させる、そんなイメージでしょうか。

 最もシンプルで究極のコミュニケーションテクニックだと思うようになりました。

「褒め」こそ最強のツール

 僕は悩みを相談された時には、解決法や直すべきところを伝える前に、その人のことをまずは全力で褒めるようにしています。

 そうすることでその後の話も心を開いて聞いてもらえるようになるし、だいたいの悩みは単に聞いてほしいだけだったりも。そんな気配を感じた時こそ、とにかく相手のことを褒める。悩みとは関係ないポイントでも、とにかくその人の魅力を伝えると、ほぼ全員が元気モリモリになってくれます。

 普段から、仲間内で呑んでいる時はもちろん、仕事で関わっている人の、いいところや好きな部分を見つけては、適切なタイミングで言葉にして褒めるようにしています。「これってもはや僕の趣味なんじゃないか⁉」と思っているほど。

 振り返ると、高校生の頃からその兆候はありました。人を褒めるって、すごくエネパ(エネルギーパフォーマンス)もコスパもいい。僕にとっては最強の趣味なんです。

バナナマン日村が一番好きな時間

 バナナマンの日村(勇紀)さんは、「芸人マジ歌選手権」の収録や「マジ歌ライブ」の後に僕が頭から芸人を褒めていく姿を見るのが、一番好きらしい。

 自分が褒められるターンが終わると、「佐久間さん、褒めるのホント上手だな~」とニコニコして、「じゃ、角ちゃん(※東京03・角田晃広さん)は?」「次は、秋山(※ロバート・秋山竜次さん)で」と、食事をしながら2時間くらいずっと“ホメトーク”攻め。それだけで喜んでもらえると、僕までなんだか嬉しくなってしまうのです。

初対面で「褒めラベル」を貼る

 普段のコミュニケーションで相手を褒める絶好のタイミングはいつやってくるか分からないから、僕は出会った人にあらかじめ「褒めラベル」を貼って備えています。

 どういうことかというと、人に会った時に、口には出さずとも、いいなと思うところを見つけておく、ということ。

 初めての人なら、第一印象で感じた「元気がいい」とか「やさしい」みたいな浅いレベルで十分。内容もひと言で完結にまとめる程度で問題なし。

 これを自分が気がついたタイミングで更新していく。(稀に更新されないこともありますが)付き合いを重ねていくと、ちょっとずつこの褒めラベルが増えるし、深くなっていくんですよね。これは褒めのトレーニングにもなります。


佐久間宣行さん。©Wataru Kauta(TRIVAL)

超人見知り&自己評価が低かったオードリー若林

 仕事でお世話になっている身近な人で、褒めるトレーニングをして成長した人がオードリーの若林(正恭)くん。彼はもともと超がつくほどの人見知りというのは有名な話ですよね。おまけに自分への評価が異常に低くて、悪い想像ばかりが膨らんで人と上手く話せないタイプでした。

 その弱点を克服しようと決意して取り組んだことの一つが、他人のいいところを見つける作業。徐々に会話にも取り入れるようにしたら、スムーズに人と話せるようになれたそうです。

 ネガティブな思考グセに陥らずに会話できるメンタルと、コミュニケーション力を培えたのか、印象もずいぶん変わりましたよね。克服するのには実は結構時間がかかったんじゃないかと思うけれど、その成長は彼がMCを務める「あちこちオードリー」などでご存じの通りです。

褒めると人の本質が見えてくる

 一方で、こんな気づきもありました。それが、褒めるポイントを見つけようと相手を観察していると、たくさんのいいところと同時に、その人の弱点も見えてくるということ。

「どうしてそんなに承認欲求が強いのか?」「ファイティングポーズを取り続けて、一体何を守りたいのか?」―。その人の、いじっちゃいけない部分や尊厳のようなもの、その理由までもが、だんだん分かるようになるのです。

 だからこそ、会話の中で急所や地雷を外せるし、あるいは話し合ったり、注意しなければならない時も、傷つけない言葉選びと伝え方ができるようになります。

 褒めトレーニングをした結果、コミュニケーション力も上がる、ひいては仕事でも自分のやりたいことが通りやすくなる。結局メリットしかないと思っています。

縁を使い捨てない

 褒めると同時に、僕がこれまで大切にしてきたことは、安直に人にマイナス評価を下さないことです。

 組織で働いていると、人事異動で自分の部署に新しいメンバーが入ってくることはよくあります。


部下の前部署での評判を鵜呑みにしないように気をつけてきた、という佐久間さん。©Wataru Kauta(TRIVAL)

 僕が上司として気をつけてきたことは、その人の前部署での評判がどんなに悪くても、あるいは良くても、その評判を鵜呑みにしないということ。なるべく先入観のない視点でその人を捉え、できるだけプレッシャーをかけないように、得意分野を伸ばす、ということを心がけてきました。

 逆にダメな部分に気がついた時も「そういうところ、直したほうがいいぞ」と、フラットに伝える。

 そうすると、前部署でパワハラにあってメンタルが少し弱っていた若手も、やりがいが見出せなくなっていた中堅も、元気になって、みるみる仕事がデキる人間になってくれることが多い。その後、出世した姿を見ると嬉しくなります。

 実は一時期、社内で「佐久間の部署は再生工場」なんて言われたこともあったほど。人のことを簡単に見捨てない、前評判というフィルターをかけて人のことを評価しない。これはせっかくできた縁を大切にする、ということでもあると思うのです。

佐久間宣行(さくま・のぶゆき)

1975年福島県生まれ。テレビプロデューサー、ディレクター、演出家、ラジオパーソナリティ、作家。1999年テレビ東京入社。「ゴッドタン」「あちこちオードリー」「ピラメキーノ」などを手がけ、2019年から「オールナイトニッポン 0(ZERO)」に最年長パーソナリティとして出演。2021年テレビ東京退社。「オールナイトフジコ」(フジテレビ)、「伊集院光&佐久間宣行の勝手に『テレ東批評』」(テレビ東京)のMCとしても活躍している。

文=佐久間宣行

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