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「スナックでも開こうかな(笑)」人見知りだった千葉雄大が話好き&聞き上手になった理由

CREA WEB / 2024年9月7日 11時0分

 今年で俳優デビュー15周年。落ち着いた演技を見せる一方で、プライベート写真ではギャル味炸裂の千葉雄大さん。改めて、ギャルマインドについて、創作や人とのコミュニケーションで大切にしていることなど語ってもらった。


おじさんに「キモい」と言う人はまだギャルの修行が足りない!


「30歳までひとりだったら結婚しよう」と友人と交わした約束についてはインタビュー前篇で。

――千葉さんは近年、ご自身を表するときにギャル的なものを引き合いに出すことが多いですが、改めて千葉さんの考える「ギャル」って何ですか?

 僕もわからないです(笑)。ただ、「ギャル」って、漠然としたイメージ、概念があるじゃないですか。違うと思ったら、はっきり異を唱えて自分を貫くとか。もしかしたら違う喩えでもよかったのかもしれませんが、僕が一番腑に落ちたのが「ギャル」という言葉でした。自分の言いたいことをマイルドに伝える手段として都合よく使っています。

――「ギャル」の対義語が「おじさん」や「オヤジ」だとしたら、威圧的な頑固親父とは真逆の、自由で瞬間瞬間を楽しむようなマインドでいたいとか、可愛いものがお好きだから「ギャル」を使われるのかなと想像していました。

 両方ありますね。

 ギャルの対がおじさんだったとして、おじさんがギャルマインドを持つことに対して、「イカすじゃん、おじさん!」と言える人がギャルだと思います。逆に「キモいんだけどー」と言う人は、まだまだ修行が足りないなと僕は思います(笑)。


千葉雄大さん。

――角が立ちそうな物言いに「ギャルマインド」を被せて、公にはできるだけポジティブな発信をしたいと思っておられる?

 僕がネガティブなことをあまり発信したくない理由は別にあります。昔はブログなどでもネガティブなことを書いていたんですよ。でもそれは「そんなことないよ」と言われたいという思いがあったと思います。でも、いまは公に対しては、アドバイスや共感を特に求めていないんです。そういうものが欲しかったら友達に求めればいいし、わざわざ表に出すことではないかなと。

――脚本を書くなど、創作作業は内省的になりやすいと思うのですが、そこではポジティブであろうという姿勢とどうバランスを取っているのですか?

 書いているときに内面の暗い部分があふれることもあります。でも、そこは客観的に見てやりすぎと思えば、コミカルさを加えてエンタメにしたり、いかにそれを隠すかというほうに向かいますね。本当にネガティブな面を表現したくなったら、隠さずに出すと思いますけど。

 ただ僕は、創作物に関して、受け取り方を限定したくないんですよね。人によって、いろんな感想や解釈があっていいと思うから。

――なるほど。

 だから、取材などで「どういう気持ちでこの作品を作りましたか?」と聞かれても「ごめんなさい。そういうのはちょっと言わないようにしていて」と答えます。「そういうことは言わない方がいいと思って」とは言いません。話せないことに対しては申し訳ない気持ちがあるので。

「僕個人の考えなんですけど…」使われがちな“枕詞”について思うこと


千葉雄大さん。

――ものすごい気遣いですね。

 あくまで理想は、です。できないときもあります。僕は「多様性」という言葉があまり好きではなくて。いろんな考えがあっていいと思うのですが、それを尊重するあまり、違うと思っても、何も言えなくなってしまうのは変じゃないかなと思うんです。少しくらい違う意見を交わしてもいいんじゃないかなと。全部が全部、相手がどう思うかを気にして、「これを言ってはいけない」と考えていたら大変ですよね。

 相手の意見に賛同できなかったら、「ふーん(あなたはそう思うんだね)」でいいと思うんですよ。

――そこで、無理に自分の意見を押し付ける必要もないし、相手を否定することもない。「ふーん」、あなたはあなた、私は私、ということですね。

 最近、「いろんな人がいていいと思うんですけど」とか「あくまで僕個人の考えなんですが」と、枕詞が多くなった気がして。僕も使ってしまうことがあるけれど。

――人それぞれ意見が違って当然という大前提を共有できていたら、そんなエクスキューズは必要はないですね。

 本当に大事なのは相手を思いやることだから。リスペクトがあれば、気にせず(自分の思うことを)言ってもいいんじゃないか、とギャルマインドを降臨させて、うまく折り合いをつけようとしています(笑)。


千葉雄大さん。

――でも、難しいところもありますよね。相手を慮って伝えたことが、相手にしてみれば図星すぎて受け止めてもらえなかったり、「わかるけど、いまそれを言われたくない」というような状況だったり。自分の発言が、自分の期待通りに相手に受け止めてもらえるとは限らない。

 そんなこと無理ですよ! だから、「違っていたら、ごめんね」でいいと思います。「ごめんなさい」と「ありがとう」ができれば大丈夫なはずです。でも、それが意外とできないですよね。

 自分もできていないことがあるので、理想形です。大事なことは、ほとんど幼稚園くらいで学んでいるんだよな、とつくづく思います。

スナックでも開こうかな(笑)


千葉雄大さん。

――そうかもしれません!

 やっぱり、言葉でちゃんと伝えないと相手にはわからない。昔はそれができなくて、「察してよ!」と思っていました。いまもそういうところはありますが、ある程度自分で伝えようとしないと理解されないのだなというのは年々思うようになりました。

 と言いつつ、いまはこんなに喋っていますが、たぶん稽古場に行ったら口数少なくなると思います(笑)。

――8年くらい前に千葉さんに取材させていただいたことがありますが、当時は「人見知りなんです」とおっしゃって、こんなふうにしっかり目を合わせて話す方ではなかった記憶があります。だいぶ変わられましたね?

 自分でも驚きます。たしかに「人見知り」とは言わなくなったかもしれないです。

――人見知りではなくなった?

 そんなこともないのですが、「だから何?」と思ってしまったんです。人見知りって言ったら、話さなくてもいいと思ってる? ラクしてない? とイマジナリー雄大が言ってます(笑)。

 あと、以前ほど周囲を気にしなくなりました。もちろん人に嫌われたくはないですが、心臓に毛が生えたというのが一番大きい気がします。


千葉雄大さん。

――「千葉雄大のラジオプレイ」をYouTubeで拝見していると、千葉さんはおしゃべりが好きな人に見えます。

 基本的には好きです。あれはファンクラブの配信がもとになっているので、楽しんでやれることを好きに話している感じです。無理して何かをするより、意味わかんないけど楽しそうだなという方が、ハタから見て幸せなんじゃないかと思うので。70回を超えましたが、続けるうちに話す鍛錬にもなった気がします。本当は局でラジオをやりたいんですけどね。

――ぜひ、やっていただきたいです! 千葉さんは聞き上手でもあるので、お酒を飲みながら話しているような気分になってしまいました。

 本当ですか? スナックでも開こうかな(笑)。

――(笑)。俳優デビューして今年で15周年。転機はありましたか?

 ないです。なにごとも積み重ねと思って生きています。

――今後、やってみたいことは?

 そうですね……スナックと花魁道中にしておきます(笑)。

千葉雄大(ちば・ゆうだい)

1989年生まれ、宮城県出身。2010年『天装戦隊ゴセイジャー』で俳優デビュー。近年の主な出演作に映画『子供はわかってあげない』(21年)、『もっと超越した所へ。』(22年)、ドラマ『いいね! 光源氏くん シーズン1、2』(20、21年 NHK)、『星降る夜に』(23年 テレビ朝日)、『アンメット ある脳外科医の日記』(24年 関西テレビ)、舞台COCOON PRODUCTION2022+CUBE 25th PRESENTS,2022『世界は笑う』(22年)、KAAT神奈川芸術劇場『ジャズ大名』(23年)など。WOWOW『アクターズ・ショート・フィルム2』にて『あんた』、『アクターズ・ショート・フィルム4』にて『ハルモニア』を脚本・監督した。映画『スマホを落としただけなのに〜最終章〜ファイナル ハッキング ゲーム』が11月1日に公開。

文=黒瀬朋子
撮影=榎本麻美
スタイリスト=寒河江健(Emina)
ヘアメイク=堤紗也香

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