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イラストエッセイスト・犬山紙子さんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」7冊年の差50歳のシスターフッドが沁みる

CREA WEB / 2024年9月12日 11時0分

CREA夜ふかしマンガ大賞2024
選考委員31名の愛読書と「マンガを読むときのマイルール」

 この秋、発表された「CREA夜ふかしマンガ大賞2024」。選考委員を務めてくれたのは、小説家、お笑い芸人、ミュージシャン、マンガ家、テレビプロデューサー、ベテラン書店員など、各界を代表するマンガ好きの31名。

 CREA2024年秋号では紹介しきれなかった、選考委員の皆さんのほとばしるマンガ愛を大公開!

「夜ふかしマンガ大賞に推薦する作品」「人生で思わず夜ふかしして読んだ作品」「マンガを読むときのマイルール」など、マンガ好き必読のアンケートです。


犬山紙子さんが「夜ふかしマンガ大賞に推薦するマンガ」

◆『そしてヒロインはいなくなった』ばったん/双葉社


『そしてヒロインはいなくなった』ばったん/双葉社

 おしゃれ好きでエネルギッシュな老女・トラさんと、ボーイッシュだけど中身は夢見る乙女な妙子。年の差50歳のシスターフッド物語。

「恋愛にまつわるアディクションを丁寧に優しく、紐解いてくれる作品。キャラクターがとにかく良くて、ばったん先生の描く女性は最高。主張の強い、強がっちゃう、おしゃれが大好きなおばあちゃんのトラとたえの友情がとても沁みる」(犬山紙子さん・以下同)

◆『じゃあ、あんたが作ってみろよ』谷口菜津子/ぶんか社

「一見スペックは高いけれど、昭和なクソ男が結婚まで考えていた彼女に振られてから、会社の同僚たちに叱咤激励されながら、変わっていく物語。『美味しい筑前煮を作れる女性が理想』と言えばモテていたのに相手にされなくなっていて、『そういうなら筑前煮を自分で作ってみろよ』から始まり、変わっていく姿がすごく希望。毎度のことながら谷口作品なのでごはんがめちゃくちゃおいしそうです」

◆『煙たい話』林史也/光文社

「有田と武田、男性二人が同居を始める。二人の関係性は、恋愛ではなく、しかし友情と括るのも何だか違う、そこに名前がつかない、有田と武田の関係性としか言いようのない関係性。恋愛至上主義の世の中で、恋愛もの、友情ものに収まらない、個人と個人にしかない関係性に非常に癒されます」

人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?

◆『SAKAMOTO DAYS』鈴木祐斗/集英社


『SAKAMOTO DAYS』鈴木祐斗/集英社

 町の商店を営むふくよかな坂本太郎の正体は、悪党が恐れ、憧れた元・伝説の殺し屋!! バトルとコメディが交錯するネオアクション活劇。

「アニメ化が先日決定した少年漫画を3ヶ月前に一気読みしてハマりました。バトルシーンが背景、モブ、全てを効果的に使い、非常におもしろく、佐藤田悦子という中年女性のキャラクターが中年女性の見た目のまま強くてカッコ良い存在として描かれていることも大好きです」

◆『宝石の国』市川春子/講談社

「ずっと追いかけていた作品が完結しました。仏教がベースに敷かれた宝石たちのお話の結末があまりにすばらしくて、読み終わった後1週間ひきずってしまい、なかなか現実に戻れませんでした。この感覚なんだろうと思ったら、『銀河鉄道の夜』を読んだ後の感覚(銀河鉄道はベースにキリスト教があるわけですが)」

犬山紙子さんの「マンガを読むときのマイルール」

「すぐ読みたいのでまず電子で買います。前日24時になるまで頑張って起きて24時になった瞬間読みます」

今、最も注目している新人作家とその作品は?

◆『番長! 神絵師コイツです!』キヨヤス理解/プランタン出版


『番長! 神絵師コイツです!』キヨヤス理解/プランタン出版

 腕っ節のよさと男気で慕われる番長・伴長と、そんな彼を誰より愛する相棒の一色司。司は伴をモデルに密かに同人誌を作り、募る想いを慰めるが、本人の手に渡ってしまい……。波瀾万丈ギャグコメBL。

「コミカルなBLでギャグセンスと勢いが大好きです。親友の番長が好きすぎて同人で少女漫画描いちゃう主人公が愛しすぎます」

2024年秋に読みたい「動物マンガ」は?

◆『大丈夫倶楽部』井上まい/トゥーヴァージンズ


『大丈夫倶楽部』井上まい/トゥーヴァージンズ

 日々“大丈夫になる活動”に励む花田もねは、生きることに不器用な会社員。ある晩、芦川という謎の生物と出合い、「大丈夫倶楽部」を結成することに。少し不思議なハートフルストーリー。

「動物というか謎の生物ですが、大丈夫じゃない時に大丈夫になるためのたくさんが詰まっていて、読んでいるといつの間にか大丈夫になる自分がいます」


イラストエッセイスト
犬山紙子(いぬやま・かみこ)さん

多くの雑誌で執筆のほか、メディアでも活躍中。ゲームやマンガなど、2次元コンテンツ好き。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ文庫)『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)など。

■発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024


写真=平松市聖

眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。

文=大嶋律子(Giraffe)

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