1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

ebookjapan書店員・信太祐介さんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」6冊「宿命に向き合い、乗り越えていく」

CREA WEB / 2024年9月19日 11時0分

CREA夜ふかしマンガ大賞2024
選考委員31名の愛読書と「マンガを読むときのマイルール」

 この秋、発表された「CREA夜ふかしマンガ大賞2024」。選考委員を務めてくれたのは、小説家、お笑い芸人、ミュージシャン、マンガ家、テレビプロデューサー、ベテラン書店員など、各界を代表するマンガ好きの31名。

 CREA2024年秋号では紹介しきれなかった、選考委員の皆さんのほとばしるマンガ愛を大公開!

「夜ふかしマンガ大賞に推薦する作品」「人生で思わず夜ふかしして読んだ作品」「マンガを読むときのマイルール」など、マンガ好き必読のアンケートです。


信太祐介さんが「夜ふかしマンガ大賞に推薦するマンガ」

◆『狼の娘』小玉ユキ/小学館


『狼の娘』小玉ユキ/小学館

 高校3年生の吉野月菜は、ある違和感を感じながら暮らしていた。ある日、小黒井颯という男性と知り合い、自分の正体を知る。狼に変身できる狼人の男女が繰り広げる青春ファンタジー。

「いつも『読んでよかった! いい時間だった!!』と心の底からシビれさせてくれる青春ストーリーの名手・小玉ユキ先生。課された宿命に向き合い、乗り越えていく──それが小玉先生の作品に共通するテーマかもしれません。『原点回帰』だという現在連載中の青春ファンタジー『狼の娘』も、回を重ねるごとに物語の奥行きが増し、主人公の月菜はどんどん凛々しく逞しくなっていき、もう目が離せなくなっています」(信太祐介さん・以下同)

◆『誰も知らんがな』サライネス/講談社

「ホテルでシェフをしていた主人公の佐里(サリィ)が、仕事を辞めて実家の旅館を継ぎ、再建に乗り出すところから物語は始まります。そこはかとなく漂う現実のシビアさと、それを飄々とした笑いに変換していくキャラクターたちには大人の色気があって、サラ先生が描く世界は、まさに軽妙洒脱。『第二のキャリア』という私たちの年代にとっても興味深い設定から、どんなエピソードが紡がれていくのか楽しみです。毎度のことながら、ちょっぴり毒気のあるナレーション(ツッコミ)がたまりません」

◆『8月31日のロングサマー』伊藤一角/講談社

「青い海、青い空、白いシャツ──連載がスタートしたとき、『ああ、これから素敵な物語が始まるんだな』と感じずにはいられない鮮やかな見開きページが目に飛び込んできたのが印象的でした。高校生の男女ふたりが、夏休み最終日をタイムループ。毎回、爆笑でじれじれの掛け合いが続いていますが、徐々に距離は近づいてきました。『永遠に終わらない夏休み』の行く末はどうなるのか!?」

人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?

◆『カメレオンジェイル』井上雄彦 Story Planner:渡辺和彦/集英社


『カメレオンジェイル』井上雄彦 Story Planner:渡辺和彦/集英社

「連載がスタートした当初、『めちゃめちゃかっこいいマンガを描く人が出てきた!』と衝撃を受けました。大都市ニューヨークを舞台に描かれた本作は、小学5年生の少年の目には都会的ですごくスタイリッシュに映り、ところどころに入ってくる小さなギャグシーンが演出するギャップがたまらなくて、何度も繰り返し読みました。いま読み返しても思いは変わりません」

信太祐介さんの「マンガを読むときのマイルール」

「年末年始などの連休期間に、溜めていた好きなマンガを寝落ちするまで読み続け、目が覚めた瞬間から続きを読む……という、どっぷりマンガ漬けの時間を過ごします」

今、最も注目している新人作家とその作品は?

◆『オッドスピン』菅野カラン/講談社


『オッドスピン』菅野カラン/講談社

 双子の姉妹はなぜ「なんとなく」地面師になったのか。土地の所有者に成りすまし、金を騙し取る詐欺師、地面師に目をつけた姉妹が繰り広げるクライムサスペンス。

「主人公は地面師(不動産の詐欺師)の姉妹。近場へ日帰り旅行にいくぐらいのノリで巨額の詐欺を淡々と進めていくふたりの様子が、作者独特のテンポで描かれていきます。不穏と平穏が同居しているような、なんともミステリアスな空気に満ちていて、姉妹に相対するキャラも得体のしれない曲者揃い。今後どう展開していくのか、すごく注目しています」

2024年秋に読みたい「動物マンガ」は?

◆『かしこい猫もも太』中田あも/少年画報社


『かしこい猫もも太』中田あも/少年画報社

 ギャルのアミはピンク色の猫・もも太と暮らしている。もも太は話すことができ、スマホも使いこなすほど賢い。そんなアミともも太の日常ほのぼのストーリー。

「言葉が話せてスマホも使いこなすという、ぶっ飛んだ設定の猫・もも太と、もも太の過激な行動にも慈愛に満ちたツッコミを入れる飼い主のアミ。もも太がウザかわいくてたまりません! ほっこり楽しく読んでいくと、やがて驚きの秘密が明かされます。笑いと涙が詰まった隠れた名作。泣きました!」


ebookjapan書店員
信太祐介(しだ・ゆうすけ)さん

2007年株式会社イーブックイニシアティブジャパン入社。「ebookjapanマンガ大賞」や、人気作家のルーツと今に迫るインタビューシリーズ「漫画家のまんなか。」などを企画・担当。

■発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024


写真=平松市聖

眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。

文=大嶋律子(Giraffe)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください