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ブックライブ・書店員すず木さんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」8冊「夢への情熱を再燃させてくれる作品」

CREA WEB / 2024年9月21日 11時0分

CREA夜ふかしマンガ大賞2024
選考委員31名の愛読書と「マンガを読むときのマイルール」

 この秋、発表された「CREA夜ふかしマンガ大賞2024」。選考委員を務めてくれたのは、小説家、お笑い芸人、ミュージシャン、マンガ家、テレビプロデューサー、ベテラン書店員など、各界を代表するマンガ好きの31名。

 CREA2024年秋号では紹介しきれなかった、選考委員の皆さんのほとばしるマンガ愛を大公開!

「夜ふかしマンガ大賞に推薦する作品」「人生で思わず夜ふかしして読んだ作品」「マンガを読むときのマイルール」など、マンガ好き必読のアンケートです。


書店員すず木さんが「夜ふかしマンガ大賞に推薦するマンガ」

◆『あくたの死に際』竹屋まり子/小学館


『あくたの死に際』竹屋まり子/小学館

 彼女もいて仕事も順調な社会人・黒田マコトは心を病んでいた。そんなとき、後輩で売れっ子小説家となった黄泉野と再会し、昔からの夢、小説家として「芥川龍之介賞」を狙うことに……。

「夢を追いかけ、夢に囚われ、夢に足掻く人たちを描いた作品。この作品を読むと、自分がかつて持っていた、もしくは心の奥底にそっとしまっていた夢を思い出し、心がザワつきます。必死に足掻く主人公 黒田の情熱が羨ましくもあり、羨ましいと思ってしまった自分がすでに夢をつかむための道から降りてしまっていることを自覚し、言葉にできない感情に苛まれます。夢への情熱を再燃させてくれる作品です!」(書店員すず木さん・以下同)

◆『じゃあ、あんたが作ってみろよ』谷口菜津子/ぶんか社

「よくあるモラハラ男性の生態を描いた作品と思って読み進めたら、予想を大きく裏切られました。人間、そう変わらない……と思いがちですが、この作品を読んで、人って気づけば変われるのかも!? と思えてきました。自分を変えるチャンスかもしれない、いろいろな気づきを得られる作品」

◆『ボールアンドチェイン』南Q太/マガジンハウス

「無意識の内に自分がさまざまな縛りに囚われていたことに気づかされ、正体不明な息苦しさから脱却するヒントを得られる作品。この物語に登場する人物は生々しい。物語全体に漂う湿度が高い。さすが南Q太先生。

 どんなセクシャリティだろうが、どんな立場だろうが、どんな容姿だろうが、自分らしさというのは“そもそも人それぞれ”なのだという認識が一番大切なのではないでしょうか。これを読んでどう感じたかを大切にしてほしいです」

人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?

◆『ランド』山下和美/講談社


『ランド』山下和美/講談社

 江戸時代末期から大正時代ごろの日本を思わせる世界観。山間にある農村に暮らす少女・杏が、禁忌とされる「山の向こう」や、人間を常に見張っているという、四方を囲む神に隠された真実を探ろうとするSFファンタジー。

「読み始めの印象と中盤~終盤とがまったく異なる作品。『なんだこれは!?』の連続で、途中で読むのをやめることができず、一気読みしました。読了後のえらいものを読んでしまった……という感覚は未だに覚えています」

◆『吉祥寺少年歌劇』町田粥/祥伝社


『吉祥寺少年歌劇』町田粥/祥伝社

「吉祥寺少年歌劇」の出演者を養成する「吉祥寺音楽学校」が舞台。理想と現実の間に悩みながらも、舞台を夢見て成長していく少年たちの姿を描いた青春物語。

「男子のみで構成される伝統の歌劇団という、いわゆる男性版『宝塚』な物語。どのキャラクターもそれぞれの物語が丁寧に描かれており、さまざまな想いを抱きながら舞台に上がることを目指し、壁にぶつかり、苦しむ姿はとてもリアルで心が震えました。少年たちの成長が尊すぎる作品です。

 読み終わった後も彼らの今後や色々なストーリーに勝手に思いをはせていたらあっという間に時間が……。さらに1巻が出たタイミングで続刊が出ると思っておらず……2巻目が出た時は狂喜乱舞しました!!」

書店員すず木さんの「マンガを読むときのマイルール」

「マンガを読むのが日常行為になっており、とくにルールやルーティンがありません……。かまえず気が向いたときにふと読む。それが良いのかも……!」

今、最も注目している新人作家とその作品は?

◆『思春期姉弟』みそくろ/ワニブックス


『思春期姉弟』みそくろ/ワニブックス

 思春期を迎えた中学校2年生の男女双子、日野陽介とみかげを軸に描く青春コメディ。

「新人とは思えぬ描写力とキャラクターの表情の豊かさです。本作はフェティシズムがテーマになっている作品なのですが、フェチ表現が非常に個性的。登場人物それぞれが思春期を迎え、心と体が大人になっていくなかで覚醒するフェティッシュの世界が瑞々しく、かつ大胆に描かれています。マンガ通にこそ読んでいただきたい作品!!」

2024年食欲の秋に読みたい「グルメマンガ」は?

◆『山と食欲と私』信濃川日出雄/新潮社


『山と食欲と私』信濃川日出雄/新潮社

 週末になるとひとりで山に登り、自炊を満喫する「単独登山女子」のOL、日々野鮎美。そんな彼女の気ままな山ライフを描く登山グルメストーリー。

「 “山ガール”が主人公の作品。鮎美ちゃんが作る山ごはんは簡単ながらも工夫がいっぱいでおいしそう! 読むと登山したくなり、山ごはんを食べたくなります!」

2024年秋に読みたい「動物マンガ」は?

◆『デキる猫は今日も憂鬱』山田ヒツジ/講談社


『デキる猫は今日も憂鬱』山田ヒツジ/講談社

 デキるOLの福澤幸来は、猫の諭吉と暮らしている。本当はずぼらなOLとただの猫ではない諭吉のほのぼのとした生活を4コママンガで描く日常系コメディ。

「こんな猫がいたら人生が潤いますね。うちにも諭吉が来てほしい……! どうしたら諭吉みたいな猫と出合えますか……」


ブックライブ書店員
書店員すず木(しょてんいん・すずき)さん

年間読むマンガは2,000冊以上。総合電子書籍ストア「ブックライブ」編成担当で、この道10年以上のベテラン書店員。毎月おすすめの新作マンガを紹介する「月刊 書店員すず木」公開中。

■発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024


写真=平松市聖

眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。

文=大嶋律子(Giraffe)

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