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栃木「那須高原の宿 山水閣」を中心にめぐる、“温泉と暮らす”ひとり旅。地元に愛されるカフェ、道の駅、雑貨店

CREA WEB / 2024年9月21日 11時0分

 CREAがはじめてひとり温泉を特集して7年。当時は「女性がひとりで温泉なんて!」と驚きを持って受け止められたこのテーマも、いつしか珍しくない光景となりました。

 好評発売中の「CREA」2024年秋号では、コロナ禍を経て、進化する“温泉地”を舞台に、めぐる旅を大特集しています。


どこにでもありそうで、どこにもないから心地よい


宿主が集めた名作椅子に座ってのんびりと過ごせる、「那須高原の宿 山水閣」の宿泊客専用サロン。夏は涼しく、冬は暖炉に火が灯る。

 皇室ゆかりの地であり、古くから高原リゾート地として親しまれている那須温泉郷。まず、新幹線が停車する「那須塩原駅」に着いたら、在来線で一駅の「黒磯駅」に足を進めたい。

「裏那須」とも呼ばれるこの黒磯エリアは、カフェブームの先駆けともなった名店「1988 CAFE SHOZO」が約35年前にオープンしたことで、活気を取り戻したというストーリーを持ち、信頼できる個人店がずらっと並んでいるのだ。


「ROOMS」商品からは、オーナーの川瀬真吾さんのセンスが感じられる。

「黒磯駅から板室温泉までを繋ぐ板室街道を、アートで盛り上げるプロジェクト『ART369』が始まってから、ここ数年でさらに賑やかになりました」と教えてくれたのは、アンティークショップ「ROOMS」の遠藤さん。

 遠藤さんの言葉通り、街を散策していると、つくる人、売る人、そして買う人、みなが手を取ってこの街を盛り上げていこうとしているのが感じられるはず。ゆるやかな連帯が、心地よい賑やかさを生み出しているのだろう。駅前の広場では、食、音楽、アートをキーワードにしたコミュニティイベントが開催されることもあるそうだ。


「御菓子司処 明治屋」明治元年創業。地元農家から買い付けた小豆を炊いた自家製あんは口どけの良さが魅力。また添加物は極力使わないのが自慢。立ち寄った際は蒸し立てを頰張りたい。「温泉まんじゅう」95円。

「KANEL BREAD」カンパーニュは店頭に並べたそばから売れていく。

「fil ice cream & coffee」【千本松牧場】の牛乳を使ったミルクと、プラムヨーグルト。ダブルは550円。アレルギーを持つ方のために、メニューの半分はプラントベース。

 古くから愛される和菓子店、駅前のベーカリーショップ、昨年オープンしたアイスクリーム店……。どこを訪れても、店内は地元への誇りで溢れていて、買う、食べる、使う、といった日常的な行為が自然ときらめいていく。

 喜びは非日常的な瞬間ではなく、暮らしの延長線上にあるのだと、改めて気付かせてくれるだろう。


「黒磯ブロイラー」叔父が営んでいた惣菜店を、東京でデザイナーをしていた津久井勝一さんが引き継ぎ再オープンさせた。メニューは唐揚げとメンチ、手羽先のローストなど。

「自分がおいしいと思うものだけを、安心して提供できる」と語るのは、東京からUターンし、叔父が遺した惣菜店「黒磯ブロイラー」を復活させた津久井勝一さん。

「東京に近いけれど、自然体でいられるのが那須塩原の良さ。目新しい味を、と無理をせずに、叔父の味を実直に引き継いでいます」

 地域の人に50年以上愛され続けている唐揚げを一口かじれば、ひとり旅で緊張している心が温かい感覚で満たされていき、周りの風景にもぐっと親しみを覚えてくる。


噛めば噛むほどバターの甘い香りが口に広がる「KANEL BREAD」の「塩バターロール」210円。表面のパリパリとした食感がたまらない。

 ここで惣菜を、行列が絶えない「KANEL BREAD」でパンとナチュラルワインを、そしてハブ的存在の「Chus」で地元のチーズを買い込んで宿で好きなだけのんびりするのが理想のコース。

 よりローカルな雰囲気を感じたいのなら、「道の駅 明治の森・黒磯」へ出向いてみよう。生産者たちが自ら持参する新鮮な野菜は大人気で、オープン直後から活気に満ちている。


「那須高原の宿 山水閣」昭和初期に建てられた、上質な木造建築の宿。大浴場のほかに貸切風呂が2種ある。

 街の表情に触れたら、時間が許す限り温泉でリラックス。約1400年前に開湯されたと言われる栃木県最古の「鹿の湯」で日帰り温泉を楽しむも良し、御用邸近くにある「那須高原の宿 山水閣」で心地よさに浸るのも良し。

 買い物して、食事して、お腹いっぱいになったら寝転がる。普段と変わらぬ過ごし方をおおらかに受け入れてくれるから、きっとまた来たくなる。

◆那須高原の宿 山水閣


「那須高原の宿 山水閣」

 温泉付きの客室「朱雀」。那須御用邸のそばにある林を眺めながら湯船に浸かる時間は格別。

那須高原の宿 山水閣

所在地 栃木県那須郡那須町湯本206
電話番号 0287-76-3180
ひとり料金 1泊2食付き24,200円~
ひとり対応 繁忙期除く通年可
客室数 13室
食事 夕食事処(個室あり)/朝食事処(個室あり)
アクセス JR那須塩原駅よりバスで山水閣入口下車後、徒歩約5分

◆御菓子司処 明治屋


「御菓子司処 明治屋」

 元旅館だった建物を改装。黒磯駅の目の前。

御菓子司処 明治屋

所在地 栃木県那須塩原市本町4-3
電話番号 0287-62-0444
営業時間 8:00~19:00
定休日 無休

◆KANEL BREAD


「KANEL BREAD」

 店の奥には大きなオーブンが。


「Iris bread & coffee」

 隣にある系列店のカフェ「Iris bread & coffee」では、「KANEL BREAD」で購入したパンを持ち込める。人気のレモンタルト500円、カフェラテ550円。

KANEL BREAD

所在地 栃木県那須塩原市本町5-2
電話番号 0287-74-6825
営業時間 9:00~17:00
定休日 火曜

◆fil ice cream & coffee


「fil ice cream & coffee」

 カフェでメニュー開発をしていた伴千尋さんが手がけるアイスクリーム店。

fil ice cream & coffee

所在地 栃木県那須塩原市錦町4-17
電話番号 0287-74-3605
営業時間 11:00~17:00
定休日 日・月曜(臨時休業あり)

◆Chus


「Chus」

「那須地域のうんまいもの」が一堂に会する「大きな食卓」がコンセプト。ひとりから気軽に泊まれるゲストハウス「YADO」や生産者から直接届けられる直売所「MARCHE」、ローカルの食材を楽しめる「TABLE」がある。

Chus

所在地 栃木県那須塩原市高砂町6-3
電話番号 0287-74-5156
ひとり料金 4,000円~(ドミトリー)

◆ROOMS


「ROOMS」

 ヨーロッパのヴィンテージ雑貨から、日本古道具、現代の人気作家のアイテムまで並ぶ、人気店。場所は黒磯のメインストリートにあり、遠方から訪れる人が絶えない。

ROOMS

所在地 栃木県那須塩原市高砂町1-9
電話番号 0287-64-5650
営業時間 12:00~18:00
定休日 不定休

◆道の駅 明治の森・黒磯


「道の駅 明治の森・黒磯」

 2024年春にリニューアルオープン。地元で大切に育てられた野菜、果物、乳製品などが揃う。光が差し込む明るい店内も評判。敷地内にはハンナガーデンや、国指定重要文化財の旧青木家那須別邸もある。

道の駅 明治の森・黒磯

所在地 栃木県那須塩原市青木27
電話番号 0287-63-0399
営業時間 8:30~17:00(12月~2月は~16:30)
定休日 第3火曜(12月~2月は毎週火曜)

◆黒磯ブロイラー


「黒磯ブロイラー」

 破れたひさしをそのまま使用して「味」のある雰囲気に。イートインスペースも。

黒磯ブロイラー

所在地 栃木県那須塩原市本郷町1-11
電話番号 070-8987-5917
営業時間 11:00~18:30
定休日 月曜


 「めぐる旅」と「こもる旅」をテーマに47都道府県のひとりにいい温泉宿68軒、旅の目的地になるサウナと蒸し湯10軒など、最旬の温泉スポットを特集した「楽しいひとり温泉。」は、「CREA」2024年秋号でお読みいただけます。

文=高田真莉絵
写真=中村カ也

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