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女優・奈緒「どうしても今は仕事がしたい」30歳を目前に向き合う人生の決断…「結婚と婚活」を語る

CREA WEB / 2024年9月26日 17時0分

 発行部数は100万部を突破、2023年最も売れた小説『傲慢と善良』の同名映画化で、藤ヶ谷太輔さんとW主演を飾った奈緒さん。

 インタビュー後篇では、凛として、たおやかな奈緒さんの内面にフォーカス。自分のことを内観し、心身ともに健やかに生きる奈緒さんが今何を欲していて、何を手放したのか。心の声を届けてもらった。


「自分の中で何をやりたいの?」と考えてみた


奈緒さん。

――『傲慢と善良』で奈緒さんが演じた真実は、30歳で結婚することを目標に据えていた女性でした。奈緒さんは現在29歳ですが、ご自身も「何歳でこうなりたい」など具体的な理想像を掲げているほうですか?

 真実のように…ではないんですけど、それこそ結婚とかも考える年代になってきたなと思ったときがありました。いろいろと迷ったり、悩んだりしている20代ですけど、プライベート、仕事とか関係なく、「自分の中で何をやりたいの?」と考えてみたんです。

 その結果、どうしても今は仕事なんだなということを自覚したのが、ここ1年くらいでした。仕事の中でやりたいことが湧いてきたので、それを実現させたいという気持ちが自分の中では今すごくモチベーションになっています。

――いろいろと自問自答のお時間があったんですね。

 すごーく、ありました。特に『傲慢と善良』を撮影しているときは、作品テーマが「婚活」ということもあり、結婚や将来についてもあれこれ考えました。監督や藤ヶ谷さんとディスカッションしていく中で、「あれ? 自分は今どう思ってるのかな」と、自分と向き合う時間になっていったんです。考えた末に、私は「結婚をしよう」「結婚をしない」と今は決めなくていいや、という結論に達して。決断を手放すという選択を作品の前後でできたので、改めて、今一度フラットな感覚になれたのはよかったです。

――ほかに手放したことは、何かありましたか?

 結婚すると起こりうる未来像も一度手放しました。それは自分で決めたことだから、今後も後悔はせずにいられるかなと思います。現時点での自分の生き方を否定したり後ろめたく感じずにいられるかなと思うんです。

 そして、その時々できっかけがあれば、また自分の中でまた新たな決断ができるかもしれないですし。今はそれでいいのかな、迷っていたり悩んでいる時間も必要かなと思っています。

ドラマ『あなたがしてくれなくても』を振り返って


奈緒さん。

――俳優業では、作品と役についてご自身と照らし合わせて深めていくことも多々あるのかと思います。本作の結婚や婚活もですし、昨年の奈緒さんの主演ドラマ『あなたがしてくれなくても』では、セックスレスな夫婦の心のすれ違いを描いていました。作品と密に接することでご自身の考えや思いが変わったり、揺さぶられたりした経験はありますか?

 本当に、すっごく考えました! 『あなたがしてくれなくても』のときのことを思うと、私は夫婦生活をドラマというジャンルで描くのに参加することが初めてだったのもあり、本当に初めての経験ばかりでした。

 結婚はもちろん、パートナーと一緒に生きていくことも大きな人間関係の一つだと思うので、まだ築いたことのない人間関係をやっている中で「ここまで甘えていいの?」とか、「甘えてるからこそぶつけられる気持ちがあるのか」と思ったりもしましたし…。

 作品内で、離婚届を書いてもらうシーンがあったんですね。カットがかかっても本当にしんどくて涙が止まらなくなって、「絶対離婚したくない~~~」と思ったんですよ(笑)。

――そこまで! ものすごく感情移入されていたんですね!

「もう、なんでこんな思いしなきゃいけないんだろう…」と思いましたし「私、絶対もう離婚したくないです!!」と、未婚なのに思って(苦笑)。このお仕事をしていなければ、そんな風に思うことってないですよね。役を通して疑似体験をする瞬間はどうしてもあるので、そのときにすごく考えさせられるものがありました。

一生懸命やっていても、昔の自分と比べてしまう


奈緒さん。

――前篇のインタビューでは、架の「満たされてるからこそ生まれてきた悩み」に言及されたところがありました。奈緒さんも駆け出しの頃と今を比較して、似たような悩みが生まれたりもしましたか?

 あります。一時期、自分のことを「何でこんなに弱くなっちゃったんだろう」と思って悩んでいたときがありました。以前の自分だと何でも前のめりにいろいろなことを決めて猪突猛進になれていたのに、今は違うので「何でこんなに悩むようになっているんだろう」って。だから当時の18~19歳くらいの自分に、今の悩みを相談したいと思った時期があったんです。…という話を仲良しの映画の衣装さんに話したんですね。

 そうしたら「奈緒ちゃんがあのときに感じていた悩みと今の悩みは違うから、今の奈緒ちゃんがあのときの奈緒ちゃんに相談しても、答えが出ないんだよ」と言われて、ハッとしました。「この悩みは今の私が答えを探すしかないんだ」と、そのときに感じたんです。自分が憧れていた、思ってたところにたどり着いたときに、それですべてが丸く終わるわけじゃないんですよね。その後も続いていくから、今度は新しい悩みがそこで生まれて、またそれをどうやって乗り越えていくか…みたいなことの繰り返しなんだな、ずっと続くんだな、というのはすごく感じましたね。

――そのときはお仕事の悩みでしたか? 人生にまつわることでしたか?

 お仕事の悩みが、そのときはありました。俳優になりたての頃は、どうやったら自分が選んでもらえるだろうということを考えたり、そういう自分になりたいという目標がはっきりしていたので、そこに向かって真っ直ぐに、とにかくがむしゃらに走っていたんです。

 それから数年たって、いろいろなお仕事をいただけるようになり始めたときに、自分のキャパシティーが追いつかなかったので、こんなにやりたいことだったのに「100%でやれたんだろうか」と自分への罪悪感みたいなものが生まれてしまって…。準備する時間もだんだん減ってきたり、「これでいいのかな」という焦燥感がありました。一生懸命やっているんだけど、やっぱり昔と比べてしまうんです。「あのときだったら、もっと時間があったら、ここまでできたのに」と求めてしまって。でもそれは違うんだと、今は思えるようになりましたね。

――その都度悩んで、考えて、強くなって、視界もどんどん開けて広がっている。今のお話からそんな印象も受けました。

 本当に広がっているなと思います。だから、毎回壁が出てきたときに、その壁を越えるか、越えずに現状を維持するか、という選択肢が生まれていると思うんです。毎回「どうしよう」と悩むんですよね。現状を維持する幸せもあるだろうなと思うし、でも今自分が感じている壁を越えた先に、自分がまだ知らない幸せがあることは、何回も経験しているからわかっているので。新しい幸せを取りに行くか、今の幸せをしばらくは感じていたいかみたいなのは、毎回壁を感じるときに自問自答しています。

――なるほど。今回の取材を通して、奈緒さんが日々内観されてるから、こんなにすっと言葉が出てくるのか!と感じました。

 わー(笑)。わたし、一人で考えるのがすごく好きなんです。ちょっとした時間にも「今のってこうだったな」とか考え始めてしまうので。実は、それを今はやめたいんですよ(笑)。ある方に「ずっと思考してる人の体になっているね」と指摘されたので、今はなるべく考えない時間も作ろうと新たな努力をしています!

奈緒(なお)

1995年2月10日生まれ、福岡県出身。2013年俳優デビューし、NHK連続テレビ小説『半分、青い』の親友役で注目を浴びる。2019年に『終わりのない』で初舞台、同年『ハルカの陶』で映画初主演を飾る。主な出演作に、ドラマ『ファーストペンギン!』、『あなたがしてくれなくても』『春になったら』、映画『マイ・ブロークン・マリコ』、『先生の白い嘘』など。公開待機作に主演ドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系10月期火曜22:00~)など。

文=赤山恭子
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=masaki
スタイリスト=岡本純子

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