体と、“心を動かす”アウトドアに。登山ブームの火付け役、四角友里さん愛用の、心が躍る外遊びアイテムは?
CREA WEB / 2024年9月30日 11時0分
あなたの「外遊びの必携リスト」は? 四角友里さんに聞きました
ちょっと遠出してキャンプやハイキング、身近な自然でバーベキューやピクニック……そんなアウトドアの時間をいっそう楽しくしてくれるのが、機能的で素敵なアイテムたち。でも数多く発売されているアウトドアグッズの中からどれを選べばいいのか迷ってしまう。そこで外遊びの達人である、アウトドアブランドの代表におすすめを聞いてみよう。
連載第24回は、2023年10月に「MOUNTAIN DAISY PRODUCTS(マウンテン・デイジー・プロダクツ)」を立ち上げたアウトドアスタイル・クリエイターの四角友里さんが登場。「山スカート」を日本に広め、女性の登山ブームの火付け役になった四角さんが選んだアイテムとは?
とにかくおすすめ! 普段使いもできる私の愛用キャンプ小物
◆登山の思い出とともに買った、竹細工の弁当かご
コーヒードリッパー/井上竹細工店
ござ九・森九商店
https://morioka539.com/wp2/
「登山へ行くときは、弁当かごにおにぎりや豆大福とかを入れていきます。それで帰りは空になるので、どんぐりや葉っぱといった山の“おみやげ”を入れるのに使っています。以前から気になっていた岩手・二戸の伝統竹細工で、山登りで八幡平を訪れたときに、盛岡の『ござ九・森九商店』で購入しました。自分が一歩ずつ歩いた土地で手に入れたものなので、思い入れや親しみがひとしおです」
◆竹細工のドリッパーで、ほっとひと息
コーヒードリッパー/井上竹細工店
井上竹細工店
https://www.inouetakezaiku.com/
「同じく竹細工のコーヒードリッパー。こちらは長野・戸隠へ行ったときに見つけたもので、家でもキャンプでもよく使っています。(上記の)二戸もそうですが、戸隠も雪深いところ。雪の重みに耐えて丈夫になる『根曲がり竹』を使った手仕事が行われています。山を歩くとその土地の自然や風土を感じられますが、私にとってその思い出を熟成してくれるような道具なんです。山道具は、チタンなどの金属が多いので天然素材があると心がやすらぎますね」
◆オーストラリア発祥のブランドブーツを、ご褒美に
サイドゴアブーツ/Blundstone
Blundstone
https://blundstone.jp/?srsltid=AfmBOoo1_uMm7uKCyNcH5RKQFpgCVdbqbRI4iW5uMHwLLr8QX1i_f3re
「オーストラリア・タスマニア島発祥ブランドのサイドゴアブーツです。島にある65kmのオーバーランド・トラックを6日間かけて歩いたときに、自分へのご褒美として買いました。すっきりしたデザインなので、街で履くのにコーディネートしやすいですし、ミドルカットだけど足首のところがゴム布になっているのでとても脱ぎ履きしやすいんです。ソールがしっかりしているのでキャンプにも使います。買って5年くらい経ちますが、履くほどに自分の足になじんできています」
こっそり教える、ウチの会社の人気&使える商品!
◆四角さんの「あったらいいな」を詰めこんだ、バックパック
YAMATABI30/MOUNTAIN DAISY PRODUCTS
MOUNTAIN DAISY PRODUCTS
https://www.instagram.com/mountain_daisy_products/
「『ヤマタビ30』は、MOUNTAIN DAISY PRODUCTSらしさやこだわりがつまった、フラッグシップモデルです。ロールトップで容量を18L~35Lに調整できて、日帰り登山でも、泊まりの縦走でも活躍します。私は山登りで地方へ行くと、日本酒や銘菓、野菜など大きめなお土産をよく買いますが、山の帰りに荷物が増えても入れられるんです。他にも、フロントファスナーで簡単に中身を出し入れできたり、背面パッドを取り外して座布団代わりにできたり、バッジやワッペンをつけられるようにしたり……自分の山での経験や失敗から『あったらいいな』を詰め込みました」
◆日本人の女性に似合うチェック柄を追求したデザインが素敵
Classic Wool Shirt/MOUNTAIN DAISY PRODUCTS
「2024年秋冬のウールシャツです。チェック柄がかわいいなと思って買ったものの冷静に着てみるとちょっと野暮ったく見えちゃう経験があって(笑)。そこで、日本人女性に似合うチェック柄を追求したデザインになっています。素材はウールと化繊の混合。丸襟やリンクドットのボタンで着脱のしやすくなっています。ブランドのコンセプトは“自然と仲良くなるためのプロダクト”。機能面はもちろん、『これを身につけてあの山に行くんだ!』と思いを高められるようなアイテムを作っていきたいです」
アウトドア、このアイテムだけは絶対欠かさない!
◆アウトドアこそ、素敵なピアスで気分も華やかに
ジュエリー/YURI MIYATA
YURI MIYATA
https://yurimiyata.net/
「ジュエリデザイナーの宮田有理さんが手がけているピアスやブローチです。宮田さんは山で見つけた植物からインスピレーションを得て作品を制作していて、『マウンテン・デイジー・プロダクツ』でもお花のピアスをオリジナルで作っていただきました。彼女の山での感動が形になったものを身につけると、私も自然との心の距離が近くなるように思います。旅先では服が限られますし、山ではお化粧も落ちてしまうので、自然の一部のような、素敵なピアスに華を添えてもらっています」
◆洗って干すとすぐに乾く。そして、山小屋やホテルに景色が生まれる
ハンカチ/MOUNTAIN COLLECTOR 鈴木優香
MOUNTAIN COLLECTOR
https://www.mountaincollector.com/
「山岳収集家として活動している鈴木優香さんの作品。彼女が訪れた山や自然の風景をハンカチに仕立てられています。薄くて軽くて持ち歩きやすいですし、山では首に巻いたりもしています。山小屋やホテルで洗って干すとすぐに乾きますし、そこに景色が生まれるんです。美しさと便利さがあり、とてもお気に入りです」
◆とにかく軽くてコンパクトな優れもの!
スペリオダウン ラウンドネックジャケット/モンベル
モンベル
https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1101667
「とにかく軽量(145g)なのがポイントです。軽くてコンパクトなので、山やキャンプへ行くときに『寒いかな、大丈夫かな』と心配するより、とりあえず持っていこうと思える気軽さです。丸襟なので合わせやすいですし、フードが渋滞しない。コストパフォーマンス(税込13,860円)もすごい。一年中、これを持っていれば安心というアイテムです」
外で食べるご飯、この調味料を使うと絶品です
◆長野の名物「八幡屋磯五郎」は、山のおともにもぴったり
おためし七味/八幡屋磯五郎
「長野の老舗『八幡屋磯五郎』の『おためし七味』は缶ではなく、8種類のスパイスが小さい袋に小分けされていて使いやすいです。私が好きな味は『七味ガラム・マサラ』。アウトドアで作ったカレーに入れると味にシマりや深みが出るんです。ラーメン用の『拉麺七味』も入っていますよ。長野駅や松本駅に売っているので、山の帰りには友だちへのおみやげに買うこともあります」
私が今までに見たアウトドアの「忘れられない景色」
「まずはアメリカのロングトレイル『ジョン・ミューア・トレイル』を訪れたときの景色です。全長340キロメートルもあるトレイルですが、私はそこまでの体力はないので(笑)、セクションハイクという一部を歩くスタイルで。4日間、湖が点在するエリアをテント泊で歩きました。夜は、星が空いっぱいにざわめいていて、初めて“星が重い”という感覚を覚えました。湖の向こうに見えたバナー・ピーク(標高3943メートル)は、雪渓の部分が微笑んだ目のようで顔に見えてきて、大自然にハグされている感じでした」
「もうひとつは、ニュージーランドのテカポ湖へ行ったときの風景です。『マウンテン・デイジー・プロダクツ』の名前の由来になっているお花のマウンテン・デイジーは、ニュージーランドの高山植物なんです。フォトグラファーと一緒にブランドのビジュアル撮影で現地を歩き、素敵な風景に出会えました。いやあ楽しかったなあ。行ってみたいなと思うところは、憧れが憧れじゃなくなる前に、足を運ぶようにしています!」
――そんな四角さんがアウトドア初心者に伝えたい、「アウトドア半径を広げるコツ」とは?
「アウトドアは体を動かすことだと思われがちですが、実際は心を動かすことだと思っています。心が動く瞬間を大切にすれば、毎日の駅への道のりでも近所の公園でも十分にアウトドア。私自身は山登りを始めて20年くらいになりますが、子どもの頃から体力も運動神経もなくて(笑)。
きっかけは、長野・上高地をピクニックで訪れたこと。山の景色や川の水の冷たさにとても感動して、この奥へ行ってみたいって。『きれい』とか『気持ちいい』とか子どもの頃のようなボキャブラリーしか出ませんでしたが、心が動き出して“自分”が帰ってくるような感覚がありました。自然に触れて、心が動く、そして五感が動き出すという感覚を大切にしたらすごく楽しいと思います」
MOUNTAIN DAISY PRODUCTS
https://www.instagram.com/mountain_daisy_products/
文=一ノ瀬 伸
撮影=鈴木七絵
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