“海外も注目”俳優・樋口幸平インタビュー「仕事が楽しくてワクワクして幸せ」私生活は“俳優4人で鬼ごっこ”の日も
CREA WEB / 2024年10月17日 11時0分
スーパー戦隊シリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』で主演を務め、『ViVi国宝級イケメンランキング2024年上半期NOW部門』では初ランクインも果たした、いま、人気急上昇中の俳優・樋口幸平さん。
9月20日(金)には自身初となる『樋口幸平ファースト写真集 treasure-宝物』(主婦と生活社刊・以下『treasure』)がリリースされた。本作では、樋口さんの出身地・兵庫県神戸市の思い出の地をめぐったほか、現在の活動拠点である東京でも撮影を敢行、素顔の彼がのぞける贅沢な仕上がりになっている。
CREA WEBでは前後篇で樋口さんにロングインタビューを実施。後篇では『treasure』にも登場している仲良し4人組(綱啓永さん、日向亘さん、前田拳太郎さん)との激熱エピソードにくわえ、ノブレス・オブリージュ然とした、樋口さんの責任感の強い一面、仕事への真摯な向き合い方まで語ってもらった。
プライベートでは、俳優4人で遊ぶことも
――『treasure』では、樋口さんが日ごろ仲良しの俳優さんたちもゲストで登場されていますよね。
はい、仲良しのみんなに出てもらいました! 特に綱(啓永)くんは僕が19歳のときからの付き合いで、今でも週3とかで会う仲なんですよ。
――週3!? お忙しいのに!?
はい、もう少し前はほぼ毎日会っていました(笑)。綱くんとは、お互い仕事が今より全然少ないときから「いつか写真集を出したいね」とか「ファンミーティングを自分でやれるようになりたいね」とか、すごくいろいろ話していたんですね。
去年、今年あたりから実現できてきて、お互いのやりたいことが着々と叶ってきているんです。その存在が「また頑張ろう」と思える気持ちの起爆剤になるというか。苦しいことがあってもこの幸せのために頑張ろうと思える一つのきっかけになったので、綱くんが出てくれて本当にうれしかったです。
――プライベートでも仕事でもバディ感があるようなお二人ですよね。週3も会って、いつも何を話しているんですか?
確かに、本当にそうですよね…何だろう? バカな話ばっかりですよ(笑)。でも、僕にはそれが合っているんだなあって。中学生みたいな砕けたことができる子たちが、僕の仲良しには多いんです。同じ事務所の日向(亘)しかり、同期の『仮面ライダーリバイス』の前田拳太郎しかり、子供心を忘れないメンバーと仲がいいんですよね。
――普段、仲良し4人組はどこで集まるんですか?
全然普通のところばかりです。この間は駄菓子バーに行きましたし、公園でカップ麺を食べて鬼ごっこをした日もあったし(笑)。いつもはみんなすごくしっかりしていて、本当に頑張っているけど、そうやって子ども心を持ち続けているところが、皆さんに愛されている秘訣なのかなって…僕は勝手に思っています(笑)。
――発案者は4人の中でだいたい誰なんですか?
特に発案者とかもいないんですよ。この前の公園で言えば、最初はみんなでもんじゃ焼きを食べていたんですね。その後「どうする、この後帰る?」、「軽くしゃべるとかでいいんじゃない?」、「ああ、いいね」、「どこでしゃべる?」、「蚊いるけど、公園は?」、「いいね!」みたいな流れ(笑)。それで近くの公園に行ったら、前にコンビニがあったんです。「カップ麺買うわ」と一人が言い出したら、「じゃあ、俺も」、「俺も」となって、結局大の男4人が並んでカップ麺を食うという。
――ほっこりなエピソードですね!昔からその関係性ですか?
特撮ドラマをやっていたときからそうでした。誰かの家に集まって、弁当屋さんで夜飯を買って、みんなで食べるとか。みんなで高級店とかにはまったく行かないですしね!それが良い・悪いとかじゃなくて、ただ4人で会うときは行かなくて、牛丼屋に行ったり、串カツを食べに行けるような間柄です。
仕事はチームプレーだからこそ、周囲の人を大切に
――今の4人組のお話を伺っていても、『treasure』のチームのお話でも、樋口さんは周りにいる人を非常に大事にされている方という印象です。仕事をする上でも、人を大事にという気持ちは常に持っているんでしょうか?
そう思います。芸能界は一見、個人プレイに見えるじゃないですか。「○○さん」という俳優がいて、表面的には名前が出るのはその人だけなので。僕も子どもの頃は、芸能界の人は個人で見ていたんですね。けど、自分がこの仕事に就いてから、その人だけで活躍や成功をつかみ取っているのではなくて、背景にその人を支えるチームがいるからだと思うようになりました。
例えば、大ヒットした作品の主演だったという場合でも、作品は監督やキャストのほかにメイク部、衣装部、撮影部、演出部、プロデューサー…本当にたくさんの人がチームになって作り上げて、その一端を俳優が担っているんです。今回の『treasure』はもちろん、作品でも何でも同じで、僕はチームの一部として機能しなきゃいけないと思っているから、個人プレイだとはやっぱり思っていません。
――その考えの源泉はどこにあると分析しますか?
高校の3年間が大きかったなと思っています。サッカー部に所属していたんですけど、僕らの高校はいわゆる強豪校だったんですね。2023年も全国大会に出ましたし、一昨年はインターハイを獲っていて。その部活のスローガンが「ひたむきに、ひたすらに」というものでした。元々実力のあるチームが「ひたむきに、ひたすらに」臨んだらどこも勝てないという意味を込めたスローガンなんですけど、これは今でも自分の指針になっています。弱くてもひたむきにひたすらにやれば届くかもしれないし、強くてひたむきにひたすらにやれば、それに勝るものはないので。
部活では、僕が1年生のとき同級生で50人が入部したんですけど、高3になったときには18人しか残っていなくて、32人辞めたんです。そんなに大変な3年間を生き抜いたにもかかわらず、ユニフォームをもらえなかったメンバーが10人いましたし、それで泣いている仲間たちも見てきました。自分はありがたいことに、1年生から(レギュラーで)やらせてもらっていたけど「俺の代わりに入ったのがこいつかよ!?」と思わせたら、もうアウトじゃないですか。だから必死でした。それはこの世界でも通じることだと思ってやっています。
――写真集のインタビューを拝読すると、ご両親はもともと芸能活動にはあまり前向きではなかったようですね。お父様からは「22歳までに芽が出なければ」というお話もあったそうですが、今ご両親はどのように樋口さんの活動をご覧になっていますか?
まだ芽が出たとは自分では思っていませんが、親父に「芽はまだだけど、この種があるんだよ」と見せることはできたのかなとは思っています。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』で僕が演じた桃井タロウ(ドンモモタロウ)は、スーパー戦隊シリーズにおける主演のレッドなんですね。 そのレッドを演じられたということは、何かしらの可能性を持っている人間だと、認められた証なのかなと思うんです。親父からは直接言葉での激励はないですけど、心の中では応援をしてくれているのがわかるので、ちゃんと咲き切りたいなと思っています。
母親に関しては…すごい見てくれています(笑)。「あんた、次は何やんの?」といつも聞いてきますし、『ViVi国宝級イケメンランキング2024年上半期NOW部門』に選ばれたときは「あんたが選ばれたん!? 調子乗んなよ~!」とか言われましたし(苦笑)。母親からすると何も変わっていなくて、ただ息子が仕事をしているという感覚なんですよね。だからこそ、こちらも何も考えずに地元に帰れます。
――「芽がこんな風に咲いていければ」というイメージは、明確に持っていますか?
これから大変なこともあるだろうし、苦しいこともあるだろうけど……それよりもやっぱり今、仕事がすごく楽しいんです。よく「芸能人はプライベートがなくて大変そう」と言われますけど、僕は1回も大変だと思ったことがないんです。だって、自分がしたいことなので。
作品でオールアップしたときのやりきった感覚とか、それらはこの仕事をしているからこそ味わえるものだと思っています。仕事をしていて本当に楽しくて幸せだと感じる瞬間なんですよね。だから、これから先の自分にワクワクするし、自分はどうなっていくのかなと期待を込めてしまうんです。苦しいことはもちろんありますけど、そこも含めての今だと思っているので、そういうマインドでい続けたいなと思います。
――現在、日本のみならず中国や他国でも樋口さんの人気は高いですよね。海外での活動を今後はもっと視野に入れていくなどもありますか?
はい。本気で視野に入れて戦おうとしています。一番最初に中国の雑誌の表紙というお話をいただいたときは、わけがわからなかったんです。「俺が中国!?」と驚くばかりでしたけど、やっていくにしたがって、リアルに海外を意識するようになってきました。中国、韓国、マカオと訪れて、現地の人たちに会いに行く機会も増えたこともすごく大きいです。
ずっとうれしいと思うだけではダメなので、日本以外の国の方にも届いているのであれば、そこに見合う行動をして、見合う人間にならないと失礼だと思いました。これからはさらに全力で向き合おうと思っています。
樋口幸平(ひぐち・こうへい)
2000年11月30日、兵庫県生まれ。B型。高校卒業後プロのサッカー選手を目指し上京するも怪我で断念。2019年東京でスカウトされ芸能界入り。2022年スーパー戦隊『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』の主人公・桃井タロウ/ドンモモタロウ役に大抜擢。以後、ドラマ『体感予報』『Maybe恋が聴こえる』『約束〜16年目の真実〜』などに出演。
取材・文=赤山恭子
撮影=佐藤 亘
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