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雅子さまはアクティブで革新的、愛子さまは…【女性皇族4人のファッションマトリックス分析】

CREA WEB / 2024年10月4日 6時0分

 カジュアルな普段着だと失礼に当たるような、格式高いパーティや会合では、少し上品で清楚なファッションが求められます。

 しかし、多くの女性たちはそんな時にどんなコーディネートをしていけばいいのか、つい悩んで時間を費やしてしまう経験を持っているはずです。

 そんな機会が巡ってきた時、ぜひ思い出してほしいのが、セミフォーマルなファッションを着こなし、公務に出席される女性皇族方の装いです。

 近年、女性皇族方のファッションにも、さまざまな変化が訪れているように思います。
皇后雅子さまと皇嗣妃紀子さま、そして若い世代の佳子さまと愛子さま。実はそれぞれの方の個性には大きな違いがあるのです。


皇后雅子さま—“エレガントでありながらアクティブ”

 雅子さまの装いを見ていくと、これまでの皇后陛下にはなかった特徴があることが分かります。

 それは、パンツスタイルです。


2023年9月16日、第42回全国豊かな海づくり大会に出席のため釧路空港に到着。©JMPA

 2023年9月、四大行幸啓のひとつ「全国豊かな海づくり大会」に出席するため、陛下とともに北海道を訪れた時、雅子さまはパンツスタイルのスーツで釧路空港に到着されました。


©JMPA

 上品なベージュピンクの上下にバッグも色を合わせられ、エレガントな装いの中に、どこかアグレッシブさを漂わせていました。

 振り返れば、雅子さまがお出ましになる際、パンツスタイルが割と多いにようにお見受けします。

 なぜ雅子さまはパンツスタイルを選んでいらっしゃるのでしょうか?

 それは公務の行く先々で、出会った人々と丁寧に交流したいという思いからなのでしょう。また、膝を屈してできるだけ近い距離でお話をされたり、また立ったり座ったり動きの多い場面にも遭遇します。そんな時、パンツスタイルの方が動きやすく、臨機応変に対応できるメリットがあります。


©JMPA

 つまり、雅子さまのパンツスタイルは、公務においてできるだけ多くの人々と、少しでも長く触れ合おうとする思いが反映されているのではないかと拝察します。

 しかし、雅子さまは機能的なメリットだけを、ファッションに求めているのではありません。

お気持ちが伝わるスカートスタイル


2023年9月16~17日、第42回全国豊かな海づくり大会。©JMPA

 翌日の式典に出席された時には、雅子さまは紺と白のマリンカラーで海をイメージさせるジャケットとスカート、帽子でコーディネートされていました。装いを通して、この大会に関わった人たちに敬意を示そうとされる、雅子さまのお気持ちが伝わってきます。


©JMPA

 式典にはスカートスタイル、空港に降り立った時には多くの人と触れ合えるようにパンツスタイルという、TPOに合わせたエレガントなファッションも雅子さまの魅力です。


©JMPA

 パンツスタイルには国民に寄り添おうと努力される、雅子さまの誠実な思いがにじみ出ているのではないでしょうか。

皇嗣妃紀子さま—“美智子さまをお手本に”


2023年2月3日、第68回青少年読書感想文全国コンクール表彰式。©JMPA

 紀子さまが秋篠宮さまのもとに嫁がれた日の朝、まだ大学生のような初々しさを残す、清楚なピンクのワンピースがお似合いでした。

 その後、眞子さん、佳子さまを出産して母となった頃から、フェミニンでありながら落ち着いた色味のファッションを好まれるようになっていきました。

 いわば皇室はこうあるべきというような、派手過ぎず地味すぎない、伝統的な女性皇族の装いを求められていたのだと思います。

 実は紀子さまには、お手本とされている方がいらっしゃるように思います。それは上皇后・美智子さまなのではないだろうかと。


2023年2月3日、第68回青少年読書感想文全国コンクール表彰式。©JMPA

 美智子さまは公務の意味合いをよく理解され、国際親善の場では、相手国の国旗の色をさりげなく装いの中に取り入れて、敬意を示されていました。

 また季節に応じて春は淡いパステルカラーを取り入れたり、秋は紅葉を思わせる味わい深い色合いをお召しになったり、美智子さまの繊細な工夫を凝らしたコーディネートを、紀子さまは意識していらっしゃるように感じます。


2023年6月15日、東京国立博物館の特別展「古代メキシコーマヤ、アステカ、テオティワカン」©JMPA

2023年6月15日、東京国立博物館の特別展「古代メキシコーマヤ、アステカ、テオティワカン」©JMPA

 紀子さまが公務に出席された時の装いに多く見られる、柔らかい印象を醸し出す丸い襟元、ウエストを絞ったデザイン、控えめながら奥行きのある色合いは、美智子さま同様の静かな気品を漂わせています。

佳子さま—“トレンドを取り入れて自由に”

 ここ数年の佳子さまの装いは、赤いワンピースが多いと話題になったこともありました。

 2023年1月、「聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会」に出席された時も、赤いワンピースに赤いパンプス、イヤリングも同じ赤で、一色で揃えたコーディネートでした。


2023年1月23日、第45回聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会。©JMPA

2023年1月23日、第45回聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会。©JMPA

 佳子さまはトレンドのアイテムも公務での装いに取り入れていらっしゃることから、お召しになった洋服は、若い女性たちの間で同じものを身に着けたいと大きな反響があることで知られています。


2023年6月6日、第70回産経児童出版文化賞贈呈式。©JMPA

 佳子さまのファッションは、一言で言えば“自由”。女性皇族の定番のスタイルに縛られず、「好きなファッションを身にまといたい」という、年頃の女性なら誰もが思う気持ちを素直に大胆に表して、“革新的”と言えるでしょう。


2023年6月6日、第70回産経児童出版文化賞贈呈式。©JMPA

 同世代の女性たちに共感してもらって、皇室への親しみを深めてもらいたいという思いも隠されているのでは……?

愛子さま—“良家のお嬢様スタイル”

 愛子さまは、2024年5月に単独公務として、公文書館の特別展を視察されました。

 白のジャケットと膝下丈のスカート、アクセサリーは女性皇族の定番であるパールのネックレスとイヤリング、そしてブローチを合わせていらっしゃいました。

 今年3月に大学を卒業され、まだ一年も経っていない中で、愛子さまは公務でのファッションを雅子さまに相談しつつ、模索されているのではないでしょうか。

 非の打ちどころがない良家のお嬢様スタイルで、好感度が高く上品なコンサバファッションと言えるでしょう。


2024年5月11日、「夢みる光源氏―公文書館で平安文学ナナメ読み!―」展。©時事

 この時、愛子さまが持っていらっしゃったバッグは、22年前に雅子さまが公務に出席される際にお持ちだったものと同じです。

 母・雅子さまが愛用されていたものを、娘の愛子さまもお使いになったことから、見た目の装いだけでなく、皇室の一員として公務にのぞむ際のお気持ちも、確実に受け継がれていることを感じます。

女性皇族のファッションマトリックス

 さて、雅子さま、紀子さま、佳子さま、そして愛子さま、それぞれのファッションを個性として捉え、これを以下のマトリックスで位置付けすると面白い結果になりました。


女性皇族のファッションマトリックス。

 雅子さまはエレガントでありながら、割と多く目にするパンツスタイルは、それまでの女性皇族にはあまり見られなかった、イノベイティブ(革新性)を実感させてくれます。

 紀子さまは美智子さまに倣って、典型的な皇室スタイルの伝統を守りつつ、エレガントさを両立しようとされているのではないでしょうか。

 佳子さまは上手にトレンドを取り入れながら、一般の若い女性たちが皇室ファッションに親しみを持つことができるよう、それまでの女性皇族にない、大胆で華やかな装いを好まれているのかもしれません。

 愛子さまは、まだファッションに関して情報が少ないものの、今のところ佳子さまとは真逆の保守的な良家のお嬢様スタイル。

 まだ成年皇族となって3年目でいらっしゃるので、最初は従来の皇室スタイルに従い、これからチャレンジや工夫を重ねて、ご自分なりのファッションを見つけていかれるのではないでしょうか。

つげのり子(つげ・のりこ)

放送作家、ノンフィクション作家。2001年の愛子内親王殿下ご誕生以来、テレビ東京・BSテレ東で放送中の「皇室の窓」で構成を担当。西武文理大学非常勤講師。日本放送作家協会、日本メディア学会会員。著書に『天皇家250年の血脈』(KADOKAWA)、『素顔の美智子さま』『素顔の雅子さま』『佳子さまの素顔』(河出書房新社)などがある。

文=つげのり子

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