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星風まどか「芸事の道を進む選択に、迷いはない」宝塚退団後の新たな挑戦への覚悟を語る

CREA WEB / 2024年10月6日 11時0分


星風まどかさん。

 今年5月に宝塚歌劇団を退団した星風まどかさん。愛らしさの中にも芯の強さを感じさせる娘役として早くから注目を集め、入団5年目にして宙組トップ娘役に就任。花組に組替えし、通算6年トップ娘役を務めた実力者。その星風さんが退団後初の舞台、ミュージカル『ニュージーズ』で、男性社会の中で新聞記者として奮闘するキャサリンを演じる。


強さもありつつ品性を失わないキャサリンは憧れの女性像


星風まどかさん。

――退団後1作目でミュージカル『ニュージーズ』に出演されることをどのように思っていらっしゃいますか?

『ニュージーズ』はブロードウェイミュージカルですし、歌う楽曲数も多いので、ハイレベルなものを求められる作品だと思っています。退団して、自分に何がどれくらいできるのかもまだわからない今、持っている最大限の力をすべて注いでチャレンジしないといけない作品です。ここから成長していきたいと思いますので、ぜひここを新たな一歩にできたらと思いました。

――この作品の魅力はどこに感じていますか?

 まずはアラン・メンケンさんの楽曲の素晴らしさではないでしょうか。出演が決まってから、ブロードウェイ版の音源をずっと聴いています。また、新聞少年たちがみんなで協力し合いながら生きる姿や、彼らの力強いパフォーマンスにはすごく心打たれるものがあります。お客様もきっとそこを楽しみにされていると思いますが、私自身、みなさんのパフォーマンスを拝見するのが楽しみです。


星風まどかさん。

――演じるのは、新聞社で女性記者として働くキャサリン。物語の舞台は19世紀末。まだ女性が働くことが一般的ではなかった時代に、父親の反対を押し切り自らの力で生きていくことを選択している女性です。

 キャサリンは、気品がありつつも、自分の意見をまっすぐに言える素直さや強さが魅力かなと思っています。ただ強いだけではなく、まっすぐゆえのお茶目さもあって、すごくキュートで愛らしい。私自身も憧れる女性像です。

 あの時代に、彼女がなぜ記者という仕事を目指すようになったのかというバックボーンの部分もしっかり台本から読み解いて、そこも背負った上でキャサリンとして舞台に出ていけたらと思っています。

――ご自身と似ているところはありますか?

 どうでしょう(笑)……キャサリンほどストレートではないですが、思ったことをわりと言葉に出していくほうではあると思います。ただ、彼女のような、強さがありつつも品性が失われない女性というのは目標にしています。

退団後、芸事の道に進むという選択に迷いはなかった


星風まどかさん。

――宝塚以外の舞台は初めてになりますが、楽しみにされていることは?

 宝塚では、毎回同じ顔馴染みのメンバーの中でお芝居を作り上げていくのが日常でしたが、ここからは、初めましての方々とイチから関係性を築いて、お芝居をしていくことになります。じつは結構人見知りなので、楽しみよりも緊張のほうが大きいかもしれません。でも、共演者には宝塚のOGでいらっしゃる霧矢大夢さんがいらっしゃいますから、霧矢さんを見て勉強できたらと思いますし、体当たりで向かっていきたいです。


星風まどかさん。

――宝塚を退団した後、俳優のお仕事を続けようと思われたのは?

 在団中は、日々与えていただく課題に向かっていくことや、目の前の公演を精一杯務めることに必死で、先々のことは考えていなかったです。でも退団が具体的に見えてきてから、宝塚を卒業したら自分に一体何ができるんだろうと考えはじめて、わりと迷いなく芸事の道に進むという選択肢が浮かびました。

 幼いときから宝塚が好きで憧れて、入るために稽古をして、入団してからもやっぱりお稽古漬けの日々。そのなかで、少しずつ上達していき、それまで見えていなかった景色が目の前に広がってゆく。その刺激や新しく生まれてくる好奇心は、きっと宝塚に限らず芸事すべてに共通しているものだと思うので、そこに対しての迷いみたいなものはなかったです。ただ、まだまだ未熟な部分も多いですし、未知の新しい世界への不安はあります。いろんな方のお知恵をいただきながら、いろんなことに挑戦して進んでいきたいなと思っています。

星風まどか(ほしかぜ・まどか)

1996年11月11日生まれ、東京都出身。’14年に宝塚歌劇団に入団し、宙組に配属される。翌年の『王家に捧ぐ歌』で新人公演初ヒロインに抜擢され、同年の『相続人の肖像』でバウホール公演のヒロインを務めるなど、早くから注目される。’17年に宙組トップ娘役に就任。その後、専科を経て、’21年に花組に組替え。花組トップ娘役として高い人気を誇り、今年5月『アルカンシェル』で退団。来年にはミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』への出演も決まっている。

ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』


作曲:アラン・メンケン 
作詞:ジャック・フェルドマン 
脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン 
演出・日本語訳・訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)
出演:岩﨑大昇、星風まどか、加藤清史郎、横山賀三、霧矢大夢、石川禅ほか
2024年10月9日(水)~29日(火) 東京・日生劇場
2024年11月3日(日・祝)・4日(月・休) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
2024年11月9日(土)~11日(月) 福岡サンパレス ホテル&ホール
https://www.tohostage.com/newsies/

文=望月リサ
写真=佐藤 亘

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