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星風まどかが、柚香光から教わった“センスの磨き方”「髪を短くしてみたかった」退団後に出会う新しい自分

CREA WEB / 2024年10月6日 11時0分


星風まどかさん。

 今年5月に宝塚歌劇団を退団され、退団後初の舞台、ミュージカル『ニュージーズ』にも出演する星風まどかさん。インタビュー後篇では、宝塚退団後の新生活や、美容など、星風まどかさんの現在のライフスタイルを語っていただきました。


宝塚を辞めた直後は実感がなかった


星風まどかさん。

――宝塚歌劇団を退団されて、生活リズムもガラッと変わったと思いますが。

 辞めた直後は実感がなくて、朝パッと目が覚めてから「今日はもう公演がないんだ…」みたいな感じで、なかなか頭から仕事が離れませんでした。退団公演中は自分が思っていた以上に気を張っていたようで、その緊張をほぐすのになかなか時間がかかった気がします。在団中はあまり帰れていなかった東京の実家に帰って、実家のワンちゃんと遊んだり、宝塚以外の舞台をいろいろ観劇したり。そんな時間を過ごすうちにようやく慣れてきた感じです。

――なにかルーティンに変化はありましたか?

 在団中は、食事をしっかり摂らないと体がもたないので、意識的に食べるようにしていました。歌うにしても踊るにしても食べていないと途中で失速してしまうので、朝食もルーティーンに組み込んでいたんです。でも最近、公演がない日々だとお腹ってあまりすかないんだな、と気がつきました(笑)。『ニュージーズ』が始まったら、また朝食の習慣が戻るのかな? 自分でもわからないので、今はそれも楽しみではあります。

――どんなものを召し上がられていたんですか?

 朝は、パンよりは白米ですね。納豆ご飯とか大好きでした。あと私、お子様ランチみたいなものが好きなんです。ハンバーグとかオムライスとか、カレーライスとか。


星風まどかさん。

――体づくりや美容などでの変化は?

 動いていないとやっぱり肩が凝っちゃうんですね。だから肩まわりの筋トレやストレッチとか、家でできる範囲のことはしています。美容に関してはそんなに変わっていないですね。でも、毎日舞台化粧していた頃より、今の方が肌にとってはいい環境だと思うのですが、生活環境の変化に対応しきれていないのか…。そこは徐々に体も馴染んでいくのかなと思っています。

――髪も短くされて、雰囲気も少し変わられた感じがします。

 昔から髪を短くしてみたいという気持ちがありました。宝塚時代はどうしても髪をまとめるのに、ある程度の長さが必要だったので……。

 でも服装に関しては、在団中から娘役らしさにとらわれることなく自分の好きなファッションをさせていただいていましたから、そんなに変化はないんです。柚香さん(元花組トップスター・柚香光さん)は、「今のファッショントレンドの勉強にもなるから、自分の着たい服を着てセンスを磨いたほうがいいよ」とおっしゃっていましたので、いろんな雑誌やネットを見て勉強して、今のトレンドを取り入れたりもしていました。

ネガティブな自分の短所も、受け入れられるように


星風まどかさん。

――新たな環境に身を置くことは、誰であっても迷ったり悩んだりすることがあると思います。星風さんは、宝塚に入団されての寮生活や組替えもありましたが、新しい環境に身を置く読者に向けて、なにかアドバイスをいただけたらと思うのですが。

 自分が楽しくなれる選択をしていきたいですよね。自分が選んだ道であれば、壁があっても責任を持って進みたいと思うし、それが乗り越える原動力になる。気持ちを前向きに持っていたら、何があってもきっと打開策が見つかると思うんです。だから、まずはどんなときでも自分がワクワクするような選択をしたらよいのかなと思います。

――もともと前向きなタイプなのでしょうか?

 そうではありませんが、前向きに生きていらっしゃる方って素敵だなと思っています。悩みは探せば誰にもあるはずで、考えれば考えるほど見つかって尽きることがなくて、結局は自分の心次第。

 だから、心をどう導いていくかが大事なんですよね。もともとはネガティブというか、悩むことが多いんです。それは自分の短所だと思っていましたが、宝塚に10年間在籍して、その短所が慎重さに繋がっているということにも気がついて、そこも受け入れられるようになりました。大事なのはバランスだと思っています。

――人見知りだそうですが、それはどう克服されてきましたか?

 宝塚時代はありがたいことに、ずっと舞台という向き合うべきものがありましたから。ただ、宙組からトップ娘役という立場で花組に組替えになったときは、ちゃんとしなくちゃという気持ちが強くて、最初は空回りしていた気がします。でも、花組のみなさんは本当にあたたかく迎えてくださいましたし、それを肌で感じたら、知らない間に緊張もほどけていきました。

 それに、みなさんがいい作品を作りたいという気持ちを持っていて、そこに集中して取り組んでいるわけで、同じ目的を持っていることで必然的に関係性って築かれていくんですよね。ですから、読者のみなさんも、まずは新しい場所で目の前のことに一生懸命取り組んでいたら、気づいたら周りに馴染んでいるということ、あるかもしれないですよね。


星風まどかさん。

――今、目の前にいろんな選択肢が広がっていますが、ここだけはこだわっていたいと思うことはなんですか?

 周りの人を大事にするということでしょうか。自分がここにいるのは、周りのいろんな方のお力添えがあってだと思うんです。だから、これからも周りの方々への感謝を忘れないようにしたいです。あと、自分自身の品を大切にしたいと思います。

――今、挑戦してみたいこと、やってみたい作品などはありますか?

 もともと大好きなミュージカル作品に携わっていけたらいいなと思っています。お芝居に関しては、映像作品にも挑戦してみたい気持ちはあります。ただ、舞台でのお芝居とは違うと思いますので、たくさん訓練して学んで経験を積んでいけたら嬉しいです。そして、歌うことが好きなので、歌はずっと歌っていきたいという願望があります。

――挑戦してみたい楽曲はありますか?

 それこそ今回の作品で歌うキャサリンの曲は、地声で歌ったり、音域が広かったり、パワフルに歌うことが求められていたり……今後私が挑戦したいと思っていた課題が詰まっています。どの曲も素晴らしいので、まずはキャサリンとしてしっかり務めていきたいと思っています。

星風まどか(ほしかぜ・まどか)

1996年11月11日生まれ、東京都出身。’14年に宝塚歌劇団に入団し、宙組に配属される。翌年の『王家に捧ぐ歌』で新人公演初ヒロインに抜擢され、同年の『相続人の肖像』でバウホール公演のヒロインを務めるなど、早くから注目される。’17年に宙組トップ娘役に就任。その後、専科を経て、’21年に花組に組替え。花組トップ娘役として高い人気を誇り、今年5月『アルカンシェル』で退団。来年にはミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』への出演も決まっている。

ブロードウェイミュージカル『ニュージーズ』


作曲:アラン・メンケン 
作詞:ジャック・フェルドマン 
脚本:ハーヴェイ・ファイアスタイン 
演出・日本語訳・訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)
出演:岩﨑大昇、星風まどか、加藤清史郎、横山賀三、霧矢大夢、石川禅ほか
2024年10月9日(水)~29日(火) 東京・日生劇場
2024年11月3日(日・祝)・4日(月・休) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
2024年11月9日(土)~11日(月) 福岡サンパレス ホテル&ホール
https://www.tohostage.com/newsies/

文=望月リサ
写真=佐藤 亘

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