日本を代表するラグジュアリー客船「飛鳥Ⅱ」で体験するショートクルーズの魅力とは?
CREA WEB / 2024年10月13日 17時0分
すべての客室から海が眺められる
「飛鳥Ⅱ」は、郵船クルーズが運航する日本船籍最大の豪華客船である。総重量は50,444トン、そして乗客定員は872名というスケールを誇る。
この船による航海には、国内を巡るワンナイトクルーズやショートクルーズから103日間で世界を一周するクルーズまで、ゲストのニーズに応じたさまざまなラインナップが用意されている。
特に、ショートクルーズは、ツアーごとにデスティネーションやテーマもバラエティに富む。祭りや花火を楽しんだり、スペシャルなステージを鑑賞したりしながら、ギュッと凝縮された飛鳥Ⅱの魅力を気軽に味わうことができるというわけだ。
今回は、秋の3連休を利用し、9月14日(土)~16日(祝・月)の2泊3日で催行された「HULA ON ASUKAⅡ」に参加した。このクルーズは、船内がハワイ一色に彩られるテーマクルーズ。食事や音楽、ハンドクラフトなどを通じて、幸せに満ちたアロハスピリットを体感できる内容となっている。
発着地は、いずれも横浜港。この航海は、駿河湾を幾度かにわたって周回する。美しい港町の風景に囲まれつつ大さん橋に停泊する飛鳥Ⅱの威容は、これから始まる旅への期待を否応なく高めてくれた。では、この船とクルーズの素敵なディテールについて紹介していこう。
客室は、いずれも安らぎと華やぎをあわせ持った快適空間。最上級のロイヤルスイートを筆頭に、9タイプのキャビンが用意されている。全室が海に面しているため、心行くまで眺望を楽しむことが可能だ。
海の上で堪能する多彩な食の饗宴
飛鳥Ⅱに乗船したなら、その食に関する充実ぶりにも驚嘆することだろう。船内にはさまざまなスタイルのレストランやカフェが設けられ、朝から晩まで、多彩なジャンルのグルメを堪能することができる。
フォーマルなコース料理も、カジュアルなビュッフェも、好みのスタイルがチョイスできるのがうれしい。ちなみに、HULA ON ASUKAⅡのビュッフェには、マラサダやマウイ風スパムサラダなど、ハワイにちなんだメニューも並んでいた。
クルーズ中の船内における食事、軽食、ソフトドリンクは、すべて旅行代金に含まれているから、好きなだけ食欲を満たすことができるのだ(アルコール、イブニングハイティー、寿司店「海彦」での食事は有料)。
旅情の横溢する船の中で、美酒を楽しむのも粋なものだ。飛鳥Ⅱには、趣の異なる個性豊かなラウンジやバーがいっぱい。それぞれの雰囲気を堪能しながら、ゆったりとワインやカクテルに酔いしれたい。これぞ、まさに大人の時間。
イベントが満載だから退屈知らず!
クルーズをまだ体験したことがない読者の中には、「船旅って、退屈なのでは?」と訝しむ向きも少なくないかもしれない。しかし、その心配はご無用。なぜなら、飛鳥Ⅱのクルーズには、趣向を凝らしたイベントやプログラムが満載だから。
例えば、HULA ON ASUKAⅡでは、フラやウクレレのワークショップ、ハワイアンキルトのデモンストレーション、ハワイアン手芸教室などを開催。船上にいながらにして、ハワイ気分を満喫することができた。これらのスケジュールに関しては、毎日、各室に配布される「ASUKA DAILY」という船内紙に詳しく解説されている。
また、船内には、スポーツやリラクゼーション、そしてアミューズメントのための施設が揃っている。
開放感溢れる「シーホースプール」では、きらめく陽光とさわやかな潮風を浴びて、のびのびと泳いだりジェットバスに浸かったりできる。
露天風呂を備えた「グランドスパ」は、これぞ日本のクルーズ船ならでは! と讃えたい極楽スポット。目の前に広がる大海原の絶景を眺めながら、時の過ぎるのを忘れて最高の湯浴みを堪能したい。
ルーレットやスロットマシンに興じ、本場のカジノのごときムードを味わえる「モンテカルロ」、船内映画館「ハリウッドシアター」、充実した蔵書がうれしい「ライブラリー」なども、心を躍らせる。
大迫力のエンタテインメント
船内イベントの白眉と称すべきが、「ギャラクシーラウンジ」で披露されるエンタテインメント。飛鳥Ⅱオリジナルのプロダクションショーや、クルーズごとに招かれる豪華なゲストによるコンサートは、忘れられない思い出を胸に刻んでくれるはず。
HULA ON ASUKAⅡでは、ハワイ文化の伝道師として名を馳せるフラの達人、カレオ・トリニダッド氏のスペシャルステージが開催され、満場の喝采を浴びた。
飛鳥Ⅱには、クルーズ船の常として、ドレスコードが存在する。夕方以降の時間帯は、ディナーやショーの品格に似合う形で、一定の服装が指定されるのだ。このルールが、非日常を演出する格好のスパイスとなっている。
ドレスやタキシードが求められる「フォーマル」、ワンピースやスーツ、ジャケットが必要とされる「インフォーマル」など、いくつかのパターンがあるが、HULA ON ASUKAⅡのドレスコードは「アロハ・カジュアル」。カラフルなアロハシャツやムームーをまとったゲストが行き交う船内は、晴れやかな空気に包まれていた。
2泊3日のクルーズを終え、飛鳥Ⅱは横浜港大さん橋へと帰還。クルーに見送られながら、ゲストたちは船を後にした。飛鳥Ⅱは、リピーター率も大変高いという。乗客の満足気な笑顔が、雄弁にその事実を物語っていた。クルーズというと、一大決心が必要と身構えてしまうかもしれないが、ショートクルーズなら、カジュアルに楽しむことができるのだ。
なお、現在、2025年の就航を目標として、新しい豪華客船「飛鳥Ⅲ」が建造されている。この2隻が共存し、飛鳥の物語は、さらなる進化をとげてゆくことだろう。
【今回のクルーズはこちら】
「HULA ON ASUKAⅡ」
9月14日(土) 横浜港出発
9月15日(日) クルージング
9月16日(月・祝) 横浜港帰着
代金(1名)/136,500円~(1室2名利用)
文=CREA Traveller編集部
撮影=橋本 篤
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