水原希子「生理の話題のようにセルフプレジャーもフランクに話せるといい」その思いに至った経験とは
CREA WEB / 2024年11月13日 11時0分
女性特有の不調や生きづらさにアプローチするフェムケア・フェムテックが世界で大きなうねりとなり、その波が日本にも到達。それに伴い、新たなアイテム・サービスが溢れ、玉石混交状態に。そこで「CREA Due ベストフェムケア 2024」では、知見のある方々の「使ってみて本当によかったアイテム」を大特集。また、女性の体にまつわる最新キーワードも徹底解説。これから先の人生を、より自分らしく生きるためのヒントが詰め込まれた一冊より、一部を抜粋し、掲載します。
セルフプレジャー&フェムケアアイテムを展開する、「iroha」のアンバサダーを務める水原希子さん。公私での経験や活動を通じて、性について話し合うこと、自分の体と向き合うことの大切さを語ってくれました。
セルフプレジャーを通じて自分の体を深く知れた
(前篇より:セルフプレジャーについて、みんなフランクに話せるようになればいい……)水原さんがそう感じる背景には、セルフプレジャーによって自分の体と向き合い、深く知ることにつながった経験がある。
「性に対する関心が高まるにつれて、自然と、自分で自分を触れるようになったと思います。私はこのポイントが気持ちいいな、じゃあここはどうだろう? と試す中で、自分の体に対しての不安がなくなっていく感覚があったんです。自分で知っておけばパートナーにも伝えられるし、自分で性欲を解消することもできるので。
今の私にとって、セルフプレジャーは“ご褒美”であると同時に、体調のセルフチェックを担う行為でもあります。恋人とのセックスは抱き合っているだけで気持ち良いし幸福感があるから、オーガズムは重視していないんですけど、セルフプレジャーは自分自身を大切にする時間にしたい。
気分は盛り上がっているのにオーガズムに達せない日は、大体ひどく疲れているんですよ。体のSOSだと受け取って、ゆっくり湯船に浸かったり、マッサージを受けたりして、体を労わるようにしています。セルフプレジャーは、オーガズムに達しても、達せなくても、心と体の健康につながる。日常に欠かせない、セルフケアの一つです」
じっくり感じたい時は、指に装着して動かす「iroha petit」。手軽に気持ちよくなりたい時やパートナーと楽しみたい時は、振動のある「iroha mai」。気分や用途によってアイテムを使い分けると言う水原さんに、セルフプレジャー初心者におすすめのアイテムを聞いた。
「振動に抵抗がある人には、『iroha petit』。自分で動かして楽しむものだから、気持ち良いポイント探しに最適です。私はもともと振動するタイプを使っていて、後からこれを試したんですけど、オーラルセックスと似た感覚を得られて衝撃を受けました! 振動するタイプは、直感で可愛いと感じた色や形をおすすめしたいです。見た目に愛着が湧くと、試すハードルが下がるはず。セルフプレジャーを試すことに抵抗を感じてしまうのって、恥ずかしさや罪悪感があるからだと思うんです。もちろん絶対にする必要はないけれど、もし興味関心があるのならば、躊躇する理由はないんじゃないかな。食わず嫌いと同じように、大好きになる可能性があるものを試さないのは、私はもったいないと感じます」
自分を認めることで自分をもっと愛せる
心身ときちんと向き合い、健やかに暮らしをアップデートし続ける水原さん。最近は新たにアファメーション(=なりたい自分や、日々への感謝を口に出して表現すること)を取り入れ、ポジティブな変化を感じているそう。
「恋人もそうなんですけど、アメリカは、自分を肯定する人が多い印象があって。他人の私に対しても、些細なことで、“アメイジング!”“ゴージャス!”と大袈裟に褒めて肯定してくれるんです。最初は照れくさくて“そんなことないよ”と否定していたんですけど、素直に“ありがとう”と受け止めたときの方が、気持ちよかった。
思い返せば、私は昔から自分に自信がなくて……失敗したり思い通りに物事が進まなかったりすると、“努力が足りないんだ”などと、自分を否定していました。そうやって自分に暗示をかけることで、自分を愛せなくなっていたんですよね。バリ島のウェルネスイベントに参加し、初めてアファメーションを試したら、不思議と気分が上がって。
以降、自分を認めて褒めてあげることを習慣づけたら、どんどんポジティブになり、体調も表情も良い方向に変わっていったんです。瞑想やストレッチ、読書、日記を書くことも日課にしていて、それらをこなすだけで、自分を褒める理由ができるんですよ。“自分のために頑張っている自分、えらい!”みたいな。
そして、もう少し頑張る元気が湧いてくる。これから自分がどんな風に成長していくのか、すごくワクワクしています」
水原希子(みずはら・きこ)
1990年10月15日、アメリカ・テキサス州生まれ。俳優、モデルとしてマルチに活躍。2010年に映画『ノルウェイの森』でスクリーンデビュー。『あの子は貴族』(2021年)で高崎映画祭・最優秀助演女優賞を受賞。自身のブランド「OK」では、日本のギャル文化からインスピレーションを受けた、自由で解放的なスタイルを追求。今年はライフスタイルブランド「kiiks」を発表し、自然由来と手作りにこだわったプロダクトを提供。
文=中西彩乃
写真=島田彩枝加
照明=長橋隆一郎
照明アシスタント=今久保星七
花屋=ジェダイ
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