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【まるで天空に続く散歩道】ダイナミックな爆裂火口、赤土のマーブルは必見! 長野県・硫黄岳の旅へ

CREA WEB / 2024年10月23日 17時0分


山頂へと続く道へは雲がかかっており、そのまま歩いていくと、天空へと到達しそうなほど。

 ウェルネスなトリップを提案する本連載では、幅広い知見を生かしてアウトドアカルチャーを提案するレーベル「焚火遊道」の猪野正哉さん、田中行太さんがさまざまな旅の楽しみ方をコーディネート。


左/モデル・星野絵美里さん。右/マムート ストア 新宿店のスタッフ西原真妃さん。年に1〜2回ほどのペースで山を楽しむ星野さんを、ベテラン西原さんがサポートしながら山頂を目指す。

 第5弾となる今回は、連載初の山小屋泊を敢行。長野県・八ヶ岳にある赤岳鉱泉に一泊し、硫黄岳の山頂を目指します。


朝靄が立ち込める中、幻想的なトレイル歩き


日の出前の薄暗く、朝露でしっとりした表情の森も魅力。

 赤岳鉱泉から硫黄岳までのコースタイムは約3時間。樹林帯を登り、「赤岩の頭」と呼ばれる尾根のポイントを通って山頂へと向かいます。


時折道を塞ぐ倒木をよけながら、アスレチックな登りを楽しむ。

 日もまだ昇らぬ早朝に出発。まだ眠りのなかにある静かな森からはつんとした冷たい空気が漂っていて、そこそこ勾配のある坂も気持ちよく登れます。


雲海は秋にもっとも発生しやすい。

 徐々に辺りが白けてくると、木の隙間から綿菓子のような雲海が左右いっぱいに広がっているのが見える。もう少しすすんだところでは、朝靄がかかった南八ヶ岳のシンボル・大同心も見えてとても幻想的です。


朝靄に陽の光があたってきれい。

夢中でシャッターを切る。

「訪れる季節、時間によって表情がまったく異なるのが山の魅力。刻々と変わり続けるその姿を一瞬でも逃したくないから、山ではついたくさん写真を撮ってしまいます」と西原さん。


標高が高く吹きさらしの場所では高い木の生育が難しくなるため、低木のハイマツが優先的に生育する。高山帯で植生が切り替わるこのポイントを森林限界という。

 樹林帯を1時間半ほど登り終え、周りに生えていた高木が背の低いハイマツの群生に変わると尾根に近づいてきたサイン。視界が一気に開ける赤岩の頭まで、あと少しです。


振り返ると横岳方面が見える。

赤土のマーブルと茅野ブルーを眺めながら朝食を


硫黄岳山頂につづく西側稜線。

 少し広めの広場になっている赤岩の頭で、山頂アタック直前の小休憩を取ることに。

 硫黄岳の火山らしい赤土と白砂が描くマーブル模様や、眼下の茅野の街並みが青々ときらめく様を眺めながら、赤岳鉱泉で作ってもらった朝食をいただきます。


茅野方面の街が遠くまで見渡せる。

風が吹きさらしの尾根では体がすぐに冷えるので、防風性の高いレインジャケットやウィンドシェルを羽織っておく。

朝食は手軽に食べやすいちまき。

 朝食に手渡されたのは、もっちりしたもち米にゴロゴロのチャーシューが入ったビッグサイズの中華ちまき(それも2つ!)。 エナジーチャージは十分完了。ちまきゆえに、山で手が汚れないのもうれしいポイントです。


ボリューム満点の手のひらサイズ!

2個のちまきをあっさり完食。

硫黄岳山頂方面を示す道標。気持ちのいい尾根歩きが待っている。

標高2760mへ続く、天空の散歩道


この日初めての青空が広がる。

 尾根を歩き始めた瞬間、雲の切れ間に青い空がのぞき、朝靄のベールに包まれていた南八ヶ岳の輪郭もあらわになってきました。前方にはこれまで見えなかった北八ヶ岳側の山まで登場!


後ろを振り返ると、横岳、赤岳にかかっていた靄が少し薄くなっていた。

北八ヶ岳でもっとも標高の高い天狗岳も発見!

 こうしてずっと遠くに街が、自分と同じ目線にいろんな山のてっぺんが並んでいると、空の上にいるような不思議な感覚になってくる。まるで天空の散歩道を歩いているようです。


絶景を前に足取りも軽やか。

赤土が交じるザレ場は滑りやすいので注意。クッション性とグリップ力に優れ、スムースな足運びを可能にしてくれるマムートのデュカンⅡが調子いい!

 最後にあるごろついた岩場をトラバースしたらゴール。道幅が狭く、切り立ったポイントが一箇所だけあるので、慎重に通過します。


山頂までラストスパート!

足場が悪く、高度感もあってひやっとしますが、慌てず歩けば問題なし。

一歩一歩慎重に……。

 ついに山頂に到着。視界を遮るものは何もなく、360°の絶景を堪能しよう! という場面で、またしても靄のなかに……。気を取り直して、山頂をゆっくり散策することにします。


ふたりで記念写真をパシャリ。山頂は平らで、だだっ広い。

断崖に吸い込まれそうな大迫力の爆裂火口


火口の縁を歩くことができる。

 数百年前から1万年前まで火山活動を繰り返していた硫黄岳は、その名残である爆裂火口が見られることで有名です。長さは直径約1㎞、深さは約550m。

 火口の縁を歩きながらおそるおそる下を覗き込むと、爆発によってえぐれ、むき出しになった山肌が。その圧倒的なスケールと自然の畏怖に、つい目が惹きつけられます。


山体崩壊した火口跡。

イワヒバリに遭遇。

「空気が澄んでいて、少し肌寒いこの感じがたまらなく好き」(星野さん)

 残念ながらしばらく待っても靄は晴れず。でもそんな思い通りにいかないことも、登山のおもしろいところだと星野さんは言います。

「山に登ることは、大小さまざまなリスクをつぶしながら、自分の思い通りにならない自然と向き合うこと。そこには思った以上の没入感があって、日々の悩みからいったん離れることができます。心健やかに過ごすためにも、そういう時間が私には必要だと思っています」


無事、赤岳鉱泉に到着!

戻ってきたら、ランチを食べて下山。

ビーフ・タヒチ・インド・ジャワ風・マレーシアの5種類のカレーから選べる。ふたりはインドカレーをオーダー。

一泊二日旅で重宝した山服&山コスメをご紹介


マムートのレインジャケット35,200円、パンツ18,700円、シューズ31,900円、ハット7,700円(マムート)

 雨風を凌ぐレインジャケットは山登りの必須アイテム。今回のように稜線を歩く山行では雨風にさらされるので、体が冷えないよう注意が必要です。

 星野さんは、環境にやさしい耐久撥水加工が施されたマムートのアルトライトハードシェルを着用。

「着心地はとても軽く、ストレッチも利いているので腕周りがゴワゴワすることなく動きやすいです。山のなかで映える発色のいいピーチカラーも素敵」


マムートのレインジャケット35,200円、パンツ18,700円、シューズ31,900円、ヘッドバンド4,950円(マムート)

 ロゴ入りのアイコニックなヘッドバンドがお似合いの西原さんは、愛用のパンツを教えてくれました。

「スムースな足上げを可能にし、快適に山を歩けるパンツ選びは重要。私が愛用しているトレッカーズはタフで伸縮性が高く、膝にダーツも入っているので岩場の足上げも楽ちんです」


マムートのザック18,700円(マムート)

 一泊二日の山小屋泊をともにするザックは、25ℓサイズでも十分。

「リチウム25は自然なフィット感のある背負い心地や多彩な収納力、底にレインカバーが付属するなど使い勝手抜群。さらにウエストポケット内部にはスマホ専用の縦ポケットも付いていて、細やかな気遣いが光ります」


スマホ専用ポケットがあれば、ウエストポケットのなかの荷物がごちゃつかない。

左からデリケートゾーンに使用できるPubicare organicのフェミニンコットンシート クールミント 5枚入り605円/ひんやりと清涼感を得られるPubicare organicのクールミントミスト 冷冷霧水1,980円 /汗を含んだ服、洗濯のできない山行に心強い浄化防臭スプレー。nahrinのサンダルウッド ルーム & ファブリックスプレー2,090円/ 強い日差しから肌を守る。化粧下地の兼用可。All Goodのサンスクリーンバター spf502,145円(以上、ピープルウェブストア)

 女性にとって山歩きの大敵となる生理。とくに山に泊まるとなると風呂に入れなかったり、入っても石鹸では洗えなかったりと清潔に保つのは一苦労です。そんな悩みを解決してくれるのがピュビケアオーガニックのフェミニンコットンシート。

 デリケートゾーンをひと拭きできるオーガニックシートで、生理中の敏感肌を手軽に清潔にケアできます。もちろん汗拭きシートとしても利用可。持ち物に加えておけば、急な生理が来ても慌てません。


汗もササッと拭いてサラサラに。

モデル
星野絵美里(ほしの・えみり)

ファッション誌やファッションコレクション、大手メーカーのCM・広告に多数出演。ウォーキングやランニングなど体を動かすことが好きで、2020年に熊野古道伊勢路を8日間かけて歩いた。友人に誘われて20代半ばに始めた登山は、年に1〜2回のペースで楽しんでいる。

マムート新宿店スタッフ
西原真妃(にしはら・まき)

2016年入社。吉祥寺のオープニングスタッフを経て、2020年から新宿店に勤務。マムートに入社してから登山にハマり、休みのたびに同僚と山へ向かう。八ヶ岳エリアでは過去に赤岳、天狗岳に登ったことがあり、冬季の硫黄岳にも訪れたことがある。好きな山は屋久島。

焚火遊道


猪野正哉さん(左)と田中行太さん(右)。マムートカーと一緒に。

焚き火マイスター/日本焚き火協会会長
猪野正哉さん

メンズノンノモデル出身。モデルやライター、千葉市でアウトドアスペース「たき火ヴィレッジ〈いの〉」を運営するなどマルチに活躍。焚き火を中心としたアウトドアアクティビティを通して、自然の魅力を伝えるために奔走中。著書『焚き火の本』、『焚き火と道具』。

ファッションディレクター/プロモーションプランナー
田中行太さん

ブランドプレスやセールス、セレクトショップのキュレーターやバイヤーを歴任。現在は、ブランドやショップの販売戦略から企画、WEBデザイン、生産管理まで、多くのブランド・ショップのディレクション業を担う。Tシャツブランド「WHO’sMAKING...」主宰。

クレジット

<星野さん>
ハット7,700円、Orangeジャケット35,200円、Orangeダウンジャケット27,500円BlackロングスリーブTシャツ12,100円、Blackパンツ18,700円、トレッキングシューズ31,800円/すべてマムート

<問い合わせ先>
マムート https://www.mammut.jp/
ビープル ウェブストア https://www.biople.jp

文=平野美紀子
撮影=深野未季
スタイリスト=永田哲也

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