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いじめられ『世界に一つだけの花』を聞き涙した少年時代。當間ローズが語る“バチェロレッテ”のその後

CREA WEB / 2024年10月26日 17時0分

 婚活サバイバル番組『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1に出演し、鍛えあげられた肉体と甘いマスクで大ブレークした“ラテン系の貴公子”當間ローズさん。モデル、歌手、華道家とマルチに活躍し、8月には配信シングル「涙~世界のどこかで瞬間(いま)~」を日本語とポルトガル語で同時リリースしました。

 取材当日バラの花を持って登場した當間ローズさんに、歌への想いや人生で大事にしていることを聞きました。


『世界に一つだけの花』を聞いて涙を流した少年時代


シングル「涙~世界のどこかで瞬間(いま)~」をリリースした當間ローズさん。

當間ローズさん(以下、ローズ) 今日は取材、よろしくお願いします。これ、よかったらどうぞ(と、持参した深紅のバラの花を取材陣の女性たちにひとりひとり手渡してくれる當間ローズさん)。

――えっ、バラいただけるんですか…? (震えながら受け取る)。感動です、ありがとうございます。

ローズ 喜んでいただけて、僕も嬉しいです。僕、仕事でもプライベートでも、人とお会いする時はバラの花をお渡しするようにしているんです。お花を差し上げて嫌がられることはまずないので、今日もみなさんに喜んでいただけるかな……と。

 このバラは、実は規格外のため市場に出回らない「ロスフラワー」です。僕は、小さかったり曲がっていたりして売り物にならず、廃棄されてしまう運命だった花たちを子供たちに贈る活動も続けていて、今日もそのロスフラワーをお持ちしました。でもすごく綺麗だと思いませんか?


華道家として「ロスフラワー」の問題にも取り組む當間ローズさん。

――廃棄するなんてもったいないくらい綺麗ですね。ローズさんはなぜこのロスフラワーに興味をお持ちになったのですか?

ローズ 僕がずっとやらせてもらっているラジオ番組で、花農家さんの取材をしたことがあって。標準の規格から少し外れてしまうだけで「規格外」として売り場に並べてもらえず、廃棄処分される花たちがあることを知ったのがきっかけです。かつての自分と重なりすごく心が痛みました。

 僕は5歳で日本に来たのですが、日本語が話せないことと、外見が違うことですごくいじめられたんです。そんな自分と境遇が重なって見えて、なんとかできないかと考えたことが、ロスフラワーを救う活動を始めたきっかけとなりました。

 僕はいま、華道家としても仕事をさせてもらっていますが、生け花では曲がったり、クセのある花や枝は、すごくいいアクセントになります。だから、「規格外」と言われている花たちにも、絶対に輝ける場所がある。そんな想いで、ロスフラワーを使ったアレンジメントの制作や、ロスフラワーを子どもたちに贈る活動もしています。

――素敵な活動ですね。

ローズ ありがとうございます。僕がロスフラワーを救う活動をしているのは、来日して間もない頃にテレビで見ていたSMAPさんの『世界に一つだけの花』の影響が大きいかもしれません。

 みんな同じ「花」で、どれもみんな綺麗。だけど、当時「違う」というだけで“選ばれなかった”僕は、「どうして同じ“花”なのに、人は選ぶんだろう。どうして自分は選ばれないだろう」と考えてしまって、歌を聞いて泣いてしまったんです。

2つの仕事をかけもちして働く母を癒したブラジルの音楽


當間ローズさん。

――そんなふうに聴いたことがありませんでした……。

ローズ 当時はまだ子どもだったので、「いじめられるのは、自分がダメなんだ」とマイナス方向に考えがちだったんです。でも、心の底では、自分を愛して大事に育ててくれた両親を悲しませたくない、心配させたくないという気持ちがあったので、「自分が悲しんだり落ち込んだりしては、両親もハッピーにはなれない」と考え、どんなことがあっても自分はハッピーでいようと思うようになりました。

 それに、テレビで見ていたSMAPさんはとにかく楽しそうでかっこよくて魅力的でした。こんなふうに自分がもしテレビで活動することができたら、友達もたくさんできるのではないか。そして何より自分自身がハッピーでキラキラ輝いて生きられそうだと思い、芸能界に入ってグループで活動したいと夢を描くようになりました。

――歌は、もともとお好きだったのですか?

ローズ はい、大好きでした。ブラジルでは、祖父母が毎週末、自宅に近所の人を招いて、1週間の疲れをねぎらうため歌ったり踊ったりしていました。貧しい地域だったので、忙しく働く人が多く、僕の母も平日は週末を楽しみに、仕事を二つかけもちで働いていました。だから、歌がいつも生活のなかにある家庭だったんです。

 日本に来てからは、僕が寂しくないようにと、祖父が作って送ってくれた沖縄民謡やいろんな日本の歌の入ったCDを毎晩聴いていたので、歌は僕の心の支えにもなっていました。

「空から鉄のパンが降ってくる」と訳詞した


最新曲では日本語からポルトガル語への訳詞にも挑んだ當間ローズさん。

――8月には、韓国アーティスト、Kennyのために作られた楽曲「涙~世界のどこかで瞬間(いま)~」を日本語とポルトガル語でリバイバルカバーされました。この曲を最初に聴いた時はどのように思われましたか?

ローズ 今こそ届けるべき歌だと感じました。

 歌詞の中にもありますが、今も世界のどこかでは、戦争で涙を流している人たちがいます。

 直接的に何かできることはないかもしれませんが、歌を通してみんなで思い続けることはできると思いましたし、一緒に祈ることで、もしかしたら誰かの平和が早く訪れるかもしれない。そんな願いを込めて歌いたいと思いました。

――心に響く、素敵なバラードですね。

ローズ ありがとうございます。言葉の本来の意味を考え、「自分らしく歌う」というよりは、歌で戦いの中にいる人たちに寄り添いたい、歌の力で少しでも平和の尊さを伝えられたらという想いが大きかったので、張り上げたくなる気持ちを抑えながら、優しさで包み込むイメージで、祈るように歌いました。

――今回は日本語版とポルトガル語版とを同時にリリースされています。ポルトガル語版はローズさんが訳詞も手がけたのですよね。

ローズ はい。ポルトガル語は単純に日本語版よりも言葉がたくさん入るので、伝えられる余白が増えます。だから、作詞家の方が言いたかったであろうことに自分の想いを上乗せして、訳詞を作り上げました。

 具体的には、ポルトガル語版には、「空から鉄のパンが降ってくる」というような、日本語にはない比喩的な表現を入れました。パンは通常なら大切な日々の食事ですが、それが鉄に見える。つまり生を与えてくれるものではなく、逆に生を奪うものになる、という比喩的表現です。

 また、日本語で「赤く染まる」という歌詞には「赤ワインの色に染める」という言葉を当てたりするなど、随所で比喩的に苦しみを表現しました。

――訳詞は初めて挑戦されたのですか?

ローズ いいえ。僕はこれまでも、自分のライブでポルトガルの歌を日本語に訳して歌ったり、その逆もやったりしてきたので、訳詞をすることはそんなに大変ではありませんでした。ただ、ライブはその場限りですが、今回はCDになって残ります。そこはかなり意識しました。

 ポルトガル語の歌詞を書くときは、いつも母が僕の書いた言葉をチェックしてくれるので、今回も書き上げた時点で母に送ったのですが、「めちゃくちゃ素敵じゃない」と褒められました。母は歌を聴いて泣いてくれたので、よし、と思いました(笑)。

回を追うごとに疲れて「素」に戻っていたかも(笑)


「ロスフラワー(廃棄対象の商用花)を救いたい」という想いから、子どもたちに花を贈る活動をしている當間ローズさん。

――ローズさんは4カ国語を操る「クワトロリンガル」ですが、普段はどのように使い分けているのですか? 使用言語によってキャラクターが変わったりすることはありますか?

ローズ 僕は「小さな脳みそが頭の中に4つ入っている」とよく表現しています。日本語以外は主張がストレートなので、日本語を話しているときに比べ、ほかの言語を話しているときは、より自分の感情をストレートに出すことは多いかもしれません。

 でも、言語によって性格が変わることはないと思います。當間ローズは何語で話していても當間ローズです(笑)。

當間ローズ(とうま・ろーず)

1993年ブラジル生まれ。静岡県湖西市故郷大使、浜名湖親善大使。5歳で来日し、静岡県で育つ。歌手として2018年にメジャーデビュー。2020年にAmazon Prime Videoで配信された恋愛リアリティ番組「バチェロレッテ・ジャパン」への出演で注目を集める。2021年にはブロードウェイミュージカル「ピーターパン」に出演。2023年4月から、NHKラジオ第一で毎週土曜日17時時05分から放送されている「ちきゅうラジオ」のMCとして得意の語学を活かして出演中。

文=相澤洋美
写真=鈴木七絵

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