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「AAA時代、ステージで踊るときにナプキンの羽根が擦れて…」「たくさん悩んで我慢した」伊藤千晃が語る“後悔”

CREA WEB / 2024年12月19日 11時0分

発売中の「CREA Due ベストフェムケア 2024」では、知見のある方々の「使ってみて本当によかったアイテム」を大特集。これから先の人生を、より自分らしく生きるためのヒントが詰め込まれた一冊から、フェムテックについて積極的に発信し続ける、伊藤千晃さんのインタビューをご紹介します。


伊藤千晃さん。

自分をラクにする方法を伝えたい

 雑誌の連載やイベントへの登壇など、フェムテックに関連した活動を数多くしている伊藤千晃さん。アーティストである伊藤さんが、なぜフェムテックの伝道師となったのだろうか。

「2、3年ほど前、知人との会話で初めて“フェムテック”という言葉を知り、『女性なら絶対に知識を持っていたほうがいいよ』という言葉が耳に残って、その日に一人になってから、いろいろ調べてみました。そうしたら、そのとき私が感じていた不調を解決する策やアイテムがそこにはたくさんあって、のめり込むように興味が広がっていったんですよね」

この1年でフェムテックが浸透してきた実感がある


伊藤千晃さん。

 まず、吸水ショーツやデリケートゾーン専用ソープ、月経管理アプリを生活に取り入れるようになり、そこからフェムテックに関する発信を始めるまでに、あまり時間はかからなかったそう。

「生理について話題にするのは憚られる―そんな空気感の中で育った世代なので、私と同じようにPMSなど生理にまつわることで悩んでいる女性が驚くほどたくさんいるということを、フェムテックを知る中で初めて実感したんです。そして、次の瞬間にはもう、フェムテックには解決できる方法があることをみんなに伝えて共有したい、という気持ちが芽生えていました」

 発信するには責任が伴うと考え、フェムテック協会認定資格2級を取得。当初は、言葉選びにも慎重になっていたという。

「最初は、偏見を持たれず、言いたいことがきちんと伝わるように、あえて腟ではなく“フェムゾーン”と言い換えていましたけど、最近ではその必要を感じなくなりました。この1年ほどで、フェムテックが浸透してきたことを肌で感じていて、私が腟という言葉を口にしたときに、どんな表情をしたらいいのか戸惑う方はまだいるかもしれないけれど、公の場で堂々と下ネタを言っていると揶揄するような風潮が薄れてきたように感じます」

快適さが上回れば手間を手間と感じなくなる


伊藤千晃さん。

 伊藤さんは、20代を男女混合パフォーマンスグループAAA(トリプルエー)のメンバーとして駆け抜け、30歳を迎える年にグループを卒業し、男児を出産。ライフステージの変化とともに、体調も大きく変わった。

「出産してから、とにかく体がつらくて。20代では感じたことのない疲労感に襲われて、それがなかなか回復しない。でも、子育ては休みなく続いていくという状況にありました。年齢のせいだけではなく、自分の心が弱いからじゃないかとか考えてしまって、ものすごく気持ちが沈んでしまうときもあり、苦しかったです」

 産前にはなかったPMSにも悩んでいたけれど、生理にまつわる痛みは我慢するもの、そんな固定観念が自分を縛りつけていた。

「グループで活動していた20代は、生理を頑張れないことの言い訳にしたくなかったので弱音は吐かず、でも、裏ではたくさん悩んで我慢していました。ステージで踊るので羽根付きナプキンを使うけど、羽根のところがスレて脚の付け根が痛かったり、汗で蒸れるのでかゆみを感じやすかったり、常に何かしらトラブルがあるような日々でした」


伊藤千晃さん。

 当時の自分と同じくナプキンで悩んでいる人に、吸水ショーツを使えば心身の負担が減ることを教えてあげたい。それもまたフェムテックを語る理由のひとつ。

「ステージに立つ2時間だけでも吸水ショーツに替えられたら、ナプキンのスレや経血の漏れを心配せずに済んで、身体的にも精神的にもすごくラクだったと思います。吸水ショーツは手洗いするのが面倒と思っている方が多いんですけど、私の場合は、手間よりも快適さのほうが断然上回っているし、実際に、それほど手間もかからないんですよ」

 最初は、生理が来そうだなというときに吸水ショーツを試してみるのがおすすめだそう。

「念のためにつけるナプキンの無駄使いと煩わしさから解放されるだけでもQOLは格段に上がります。生理の1日目は経血量が少ない方が多いと思うので、吸水ショーツを軽く手洗いするだけで普通に洗濯もできるし、気になるなら、ランジェリー専用洗剤につけ置きしてから洗濯機で洗えばいいだけ。実際、手間と呼ぶほどのことでもないんです」

「まぁ、いいか」から気持ちの余白が生まれる


伊藤千晃さん。

 便利さや快適さが上回れば、手間を手間と感じなくなる。そうやって、自分をラクにするアイテムを増やしていくことが、自分を労ることにつながっていくという。

「フェムテックという言葉が新しいだけで、テクノロジーから生まれたナプキンもフェムテックですし、生理中にアロマを焚いてリラックスするのはフェムケアです。すでに身近にあるものをより便利にする、より快適にするのが最近の吸水ショーツや専用ソープだと考えれば、フェムテックは決して、他人事でも特別なものでもないと思いませんか?」

 生理中には腹巻きをして、寝るときはレッグウォーマーを着ける。伊藤さんが実践している温活もまた、フェムケアの一環だ。


伊藤千晃さん。

「自分の体に目を向けて、手当てをすることが大事かなと思います。無理をしなきゃいけない日って絶対にあるけど、無理をしたらその分、自分を最優先にして労るようにすると、体はグッとラクになります。実際、私のPMSもそれでだいぶラクになりました。以前の私は、すべてを完璧にやりたくて頑張りすぎちゃうところがあったけど、フェムテックと出合ったことで、一人で抱え込む自分から変わることができました」

 そんな伊藤さんが今、大切にしている言葉が「まぁ、いいか」。

「女性の1カ月はホルモンバランスの変化に合わせてジェットコースター並みに揺らいでいるのだから、メンタルが安定しなくても当たり前。時には弱音を吐いても『まぁ、いいか』、テイクアウトのご飯でも『まあ、いいか』。忙しい毎日で、そう思える余白の中にこそ、自分を労うための時間が隠れていると思うので、ポジティブにこの言葉を使っています」

伊藤千晃(いとう・ちあき)

1987年、愛知県生まれ。2017年に男女混合パフォーマンスグループAAAを卒業、18年よりソロ活動を始動し、アーティスト、モデル、タレントとして多方面で活躍。近年では自らの経験より、フェムテックやオーガニックを通して、全ての女性たちが輝ける生き方について発信している。22年3月、フェムテック協会認定資格2級を取得。

衣装クレジット

青いドレス 14,993円/ファーストハンド(ファーストハンド レイヤード ミヤシタ パーク) ニットベスト 62,000円、ミニマフラー 8,000円/ともにフェイブル アンド フェイラー(office. koizumi.) リング左手中指 42,900円、チェーンリング左手中指 55,000円/ともにマフ リング右手中指 38,500円/スクア

白いニットトップ 14,300円、ベスト 11,000円、ハーフパンツ 16,500円/すべてアールビーエス(ビームス ウィメン 原宿) ピアス 10,000円/ジェンマ アルス リング 66,000円/スクア シューズ/スタイリスト私物

Text=Yuki Imatomi
Photographs=Ichisei Hiramatsu
Hair & Make-up=Nami Matsunaga
Styling=Masumi Yakuzawa

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