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肌寒い季節の救世主・生姜は使い方で効果が違う? いますぐ役に立つ薬膳知識&生姜レシピ3選

CREA WEB / 2024年11月6日 11時0分

 だんだんと肌寒さが増してくる季節になりました。厳しい残暑を乗り越えひと息つきたくなるこの時期ですが、体の冷えが気になる方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は国際中医薬膳師のさとうあいさんに、体を温める効果が期待できる生姜を使った薬膳メニュー3選を伺いました。


体を温める効果が高い生姜を毎日の食事に取り入れて

 生姜は古くから健康食材として重宝されており、寒い季節にぴったりの食材です。血行を促進し、体を内側から温める効果がありますので、肌寒い日々を乗り切るための強い味方となります。


生姜は調理法によって体に与える効果が異なると言われる。

 生姜は、言わずと知れた温活食材。体を温める効果が高いと言われていますが、薬膳では調理法によって体に与える効果が異なるとされています。

 生の生姜は、冷えを散らす効果や殺菌作用があり、お腹を温めて胃腸の調子を整えてくれます。そのため、風邪の予防や初期症状に、食中毒の予防にも効果があります。冷え症状におすすめの生の生姜ですが、のどに痛みがある場合には悪化させてしまうこともあるので避けましょう。

 お腹をさらに温める効果を得るためには、生の生姜を蒸して乾燥させた「乾姜(かんきょう)」がおすすめです。生姜を加熱すると温め効果が高まり、血行促進効果も強まります。寒い時期や体が冷えやすい方が乾姜を摂ることで、内側から身体が温まり、体温を上げることが期待できます。

◆生の生姜を使って:生姜ダレ


時間のある時に生姜ダレを作っておけば、3度の食事に重宝する。

 生の生姜を使った生姜ダレは、風邪の初期症状であるゾクゾクする寒気や手足の冷えにおすすめのレシピです。体に入った風邪のウイルスを追い出してくれる生の生姜や長ねぎに、温め効果が高い干し桜海老をプラスすることで、体内の循環を良くします。さらに、発汗してウイルスを体外へ追い出してくれる働きも期待できます。

 すっきりとした味わいの黒酢は体を温めるだけでなく食欲を促す効果があります。日持ちもするので冷蔵庫に常備し、手軽に風邪や冷えの対策に活用できるのも嬉しいポイントです。

●生姜ダレの材料(作りやすい分量)


材料はこちら。

・生姜:30g
・長ねぎ:30g
・白炒り胡麻:大さじ3
・干し桜海老:大さじ2

<調味料>
・醤油:大さじ2
・黒酢:大さじ2
・砂糖:小さじ1/2
・ごま油:小さじ1

●作り方

(1)生姜、長ねぎはみじん切りにします。


生姜、長ねぎはみじん切りにする。

(2)白炒り胡麻は、すりおろします。


白炒り胡麻はすり鉢ですりおろす。

(3)容器に(1)、(2)、干し桜海老を入れます。


容器に(1)、(2)、干し桜海老を入れる。容器はできれば煮沸して。

(4)<調味料>の食材を入れ、よく混ぜます。ひと晩、冷蔵庫で味を馴染ませて「生姜ダレ」の完成です。


<調味料>の食材を加えてよく混ぜる。ひと晩、冷蔵庫で味を馴染ませて完成。

(5)温野菜や、肉、魚、豆腐など、お好みのお料理にかけて召し上がってください。


温野菜や肉、魚、豆腐など、お好みの料理にかけて召し上がれ。

◆乾姜を使って:乾姜入り紅茶


生姜の皮の近くには辛味成分や有効成分が多く含まれる。

 乾姜は、高い温熱効果を持ち、血行や消化促進に働くため、冷え性でお困りの方におすすめのレシピです。生姜の皮の近くには、辛味成分や有効成分が多く含まれているため、皮ごと使うことで効果が高まります。今回は乾姜を手作りする方法をお伝えしますが、インターネット等で購入することもできます。

 紅茶は茶葉を発酵させているため、体を温めリフレッシュ効果も期待できるので、冷えを感じる日に体の内側からじんわり温めるのにおすすめのお茶。乾姜は紅茶のほか、黒豆茶や、ほうじ茶、ミルクティーなどに入れても、美味しく召し上がれます。

 乾姜の注意点は温める作用が高いこと。ほてりやめまいを感じる方は食べ過ぎないようにしましょう。

●乾姜の材料(作りやすい分量)


材料はこちら。皮ごと使う。

・生姜:2袋

●作り方

(1)生姜の皮をよく洗って、皮ごと薄切りにします。


生姜の皮をよく洗い、皮ごと薄切りにする。

(2)蒸し器に並べ、30分~1時間ほど蒸します。


蒸し器に並べ、30分~1時間ほど蒸す。

(3)串が刺さるくらいまで加熱したら、蒸し器から取り出します。


串が刺さるくらいまで加熱して、取り出す。

(4)分厚い生姜は、粗熱が取れたら包丁で削ぎ切りにします。


分厚い生姜は、粗熱が取れたら包丁でそぎ切りにする。

(5)ザルに広げ、3日間ほど天日干しをします。
もしくは、80℃のオーブンで30分~1時間加熱します。


ザルに広げ、3日間ほど天日干しにする。時短するなら、80℃のオーブンで30分~1時間加熱してもOK。

(6)水分が飛び、しっかり乾燥したら「乾姜」の完成です。


しっかり乾燥したら「乾姜」の完成。

(7)紅茶に乾姜1~2片入れ、3分ほど蒸らし、乾姜入り紅茶の完成です。


紅茶に乾姜1~2片入れ、3分ほど蒸らしたら乾姜入り紅茶の完成。

◆皮ごと生姜を使って:生姜ご飯


皮ごと生姜を使う炊き込みご飯で元気をチャージ。

 体のだるさや疲れが気になる方におすすめなのが、皮ごと生姜を使う炊き込みご飯です。免疫力を高めてくれる舞茸と栄養価の高い油揚げは、薬膳では体のエネルギーを補ってくれ、疲労回復や風邪予防におすすめの食材です。体調を崩しやすいこの時期に、体の内側から元気をチャージしていきましょう。

 擦り下ろさず、千切りにした生姜を加えることで、辛味が少なく風味豊かなご飯に仕上がりますよ。

●材料(4人前)


材料はこちら。

・生姜:20g
・米:2合
・舞茸:1パック
・油揚げ:2枚

<調味料>
・醤油:大さじ1
・みりん:大さじ1
・調理酒:大さじ1
・塩:少々

●作り方

(1)生姜はよく洗い、皮ごと千切りに、油揚げは食べやすい大きさに千切りにします。舞茸は薄切りにします。


生姜はよく洗い、皮ごと千切りに、油揚げは食べやすい大きさに千切りに。舞茸は薄切りにする。

(2)米を研いで炊飯器に入れ、<調味料>を加えて2合のラインまで水を入れます。


米を研いで炊飯器に入れ、<調味料>を加えて2合のラインまで水を入れる。

(3)(1)の食材を入れ、30分ほど水分を吸収させます。


(1)の食材を入れ、30分ほど水分を吸収させる。

(4)炊飯し、炊き上がったら全体をよく混ぜます。


炊飯し、炊き上がったら全体をよく混ぜる。

(5)器に盛り付けて完成です。


器に盛り付けて召し上がれ。

生姜を使いこなして冬も元気に冷え知らず!

 この時期は、夏の疲れと秋の季節の特徴である乾燥により、体のエネルギーが不足しやすい傾向にあります。エネルギー不足になることで気になるのが冷え。

「冷えは万病のもと」という言葉があるように冷え性は免疫力を低下させ、風邪をひきやすくさせます。血行が悪くなることで肩こりや便秘、婦人科系の病気などさまざまな不調を引き起こす原因にもなります。体を内側から温めて免疫力を高める食生活を心がけ、寒い冬も楽しめる体を作っていきましょう。


さとうあい

宮城県仙台市在住の料理家。フードコーディネーターや学校講師などを通して飲食業界に携わること20年以上。現在は国際中医薬膳師の資格を取得し、子どもの不調を整える薬膳料理講座や、企業へのメニュー提案などをする傍ら、レシピライターとしても活動中。

文・撮影=さとうあい

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