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かが屋・加賀 翔が“逆転の発想”をコンセプトにラジオで語る2時間! 「答えを出すより“話を聴く”のが得意」

CREA WEB / 2024年11月11日 17時0分


加賀 翔さん。東京タワーが見えるスタジオにて。

 この秋からJ-WAVEで始まった夜の帯番組『GURU GURU!』。

 常識をさかさまに見ることで、見えている世界がぐるぐる回るような新しい発想や価値観を生み出すラジオ番組です。

 ラジオ愛好家のやきそばかおるさんは、なかでも、月曜ナビゲーターを担当する、お笑いコンビ「かが屋」の加賀 翔さんをフィーチャー。

 東京タワーの夜景が美しいスタジオでお話を聞きました。


出たり入ったり、自由に聴いてほしい


「J-WAVEに来るのはまだ緊張する」。

――『GURU GURU!』が始まって1カ月ちょっと。まだ始まったばかりですが、感触はいかがでしょう?

加賀 翔さん(以下、加賀) バラエティに富んだ企画が多い番組なので2時間があっという間です。オープニングトークもあればテーマメールの紹介、「鈴木ジェロニモ 半径3mの違和感短歌」のコーナーもあるし、月曜は羊文学も出るし若手のバンドをバックアップするコーナーもあってどこを聴いても楽しめます。

 忙しくて2時間まるまる聴くのは無理という人も、出たり、入ったりして気軽に聴いてもらえる番組だと思ってます。


「夜景がきれいなスタジオにまだ緊張しています」。

――番組中にかかる音楽も印象的です。加賀さんは音楽もお好きですよね?

加賀 好きだけど詳しくはないんですよ。J-WAVEだと若手のバンドの曲もたくさんかけるから毎回新鮮に感じてます。

 僕の親はBOØWYが好きだったので、子どもの頃から布袋(寅泰)のギターを聴いてました。テレキャスターのカッティングにハマって、カッティングがうまいギタリストを調べて聴いていた時もあります。

 お気に入りのバンドを見つけるとルーツを探って、それから派生してまた別のバンドのルーツを探っていましたね。

――のめり込むタイプですか?

加賀 多分、そうですね。

 ギターは弾いていたけど作曲をしなかったことを後悔していて、10代の時に曲を作ってみたかった。人生変わったかもしれないですよね(笑)。

今まで“野良ラジオ”しかやっていなかったので……


「ほかの放送局と違う!」。

――J-WAVEの印象はいかがですか? スタジオからも夜景がすごくて。

加賀 ほかのラジオ局と雰囲気が全然違いますよね!

  僕らが広島のラジオ局で作っている『かが屋の鶴の間』(RCCラジオ)はいつもRCCの東京支社の会議室で収録しているので、救急車やバイクの音が普通に入ってくるんです。RCCの社員の方のクシャミまで入りますから。しっかりしたスタジオから放送する『GURU GURU!』と比べると『鶴の間』は“野良ラジオ”といったところです(笑)。

――それはそれで味がありますよ(笑)。

加賀 しかもJ-WAVEは東京タワーも一望できる33階にあって、スタジオ自体もおしゃれ。僕はまだまだよそ者感があります。

 局員の皆さんも学校の同じクラスだったとしたら友達になってないような雰囲気なんです(笑)。育ってきた環境が違うというか、まだ距離感は感じますが、これから縮めていきたい!


他の曜日のナビゲーターとのつながりも興味深い。

――各曜日のナビゲーターとの繋がりを教えてください。もともとのつながりはあったのでしょうか。

加賀 火曜ナビゲーターのダウ90000とは結構前から繋がりがあります。ちょうど僕が長期休養に入った頃に出てくるようになりました。ネタを見て「面白い!」「すごい!」と思っていたら、休養期間が開けてライブで一緒になったんです。実際に生でネタを見たらすごく面白かったし、演劇公演の『旅館じゃないんだからさ』の初演も観て「この人たちは絶対に良い事務所に入らなきゃダメだ」と思ったほどです。

 ダウ90000には、なぜかお節介を焼きたくなるんですよ。ネタが面白いのはもちろん、みんながお節介を焼きたいと思ったから売れたんでしょうね。横並びとはいえ、まさかその数年後にはダウ90000とラジオで喋る日がくるとは思いませんでした。

――木曜ナビゲーターのエバースは10月に開催された「NHK新人お笑い大賞」で優勝しましたね。

加賀 そうなんですよ! 僕らも出ていて手応えがあったから、エバースの町田に「どうでした?」と聞かれて「良かったと思う。票も入りそう」と言ったけど全然票が入らなくて恥ずかしかったです。それにしても僕らが優勝したかった!

 水曜ナビゲーターのティモンディの前田(裕太)さんは同期のはずだけど、まだきちんと話したことがないんです。僕の印象だと、好きなものへの愛が深く、頭の回転も速い反面、気になることについて怒っていて”知的な野犬“という印象です(笑)。


東京タワーと加賀さん。

――それはイメージが湧きやすいです。

加賀 福留光帆さんとも交流はないけど、YouTubeの『佐久間宣行のNOBROCK TV』の企画でアルコ&ピースが福留さんの大喜利力を検証するドッキリ企画の回で、福留さんが大喜利に強いことを知って「すごい人が出てきた!」とビックリしました。

 トンツカタンの森本(晋太郎)さんと福留さんのふたりで出てきた時もとても面白いコンビネーションで、福留さんの逸材っぷりが発揮されていましたね。僕は森本さんと仲が良くて「これまでにたくさんの”ボケ芸人“と絡んできた森本さんに、またひとりすごい相手が出てきた」と感動したほどです。

“逆転の発想”はコントの中にも


“グルー”との接し方は?

――『GURU GURU!』のコンセプトは、世間の常識や多数派の声、あたりまえの事実をあえて逆の視点と発想で考えていく逆転ラジオですが、加賀さんが作るネタのアイデアも逆転の発想から生まれているように感じています。

加賀 たしかに、コントの基本にあるかもしれません。例えば、ヘッドホンを音楽を聴くために使うのではなく、別の使い方をするとしたらどうなるのか、それがネタに結びつかないだろうか、という感じで考えることはありますね。


身振り手振りを交えて語る加賀さん。

――おお、では、『GURU GURU!』のコンセプトに近いものは加賀さんの中にあったわけですね。10月21日の放送でMOROHAのアフロさんがゲストとして出演した時に、俳優の夢を諦められないという女性リスナーに加賀さんとアフロさんがそれぞれに電話でアドバイスしていたのがとても愛を感じて興味深かったです。

加賀 実はアフロさんと僕は立ち位置がまさに真逆。

 アフロさんは悩みに対して思うことをストレートに返します。ところが僕は責任をとることに重圧を感じて困ってしまうので、自分からアドバイスをするというよりは、メールをたくさん読んで皆さんの話を聴くほうに向いているんです。

 “我が道をゆく”人がいますが、僕は“我が”の部分がない。だから、僕が“ラジオスター”になることはないと思うんですよね(笑)。


メールを送ろう!

――メールを送ってみたくなります。

加賀 そうなんです。リスナーさんの話を聴くのが好きです! メールやSNSでいっぱい話しかけてほしい!

バナナマンの番組でメールを読まれて興奮して朝まで歩き回った


『JUNK』のリスナーだった。

――ちなみに加賀さんは、学生時代にはラジオを聴いていましたか?

加賀 中学・高校時代は『JUNK』(TBSラジオ)をほぼ毎日聴いてました。

 住んでいたのが田舎だったので、電波がよく入る時と入らない時があって、部屋のなかで電波が入る場所を探しながら聴いていたんです。一度『バナナマンのバナナムーンGOLD』で読まれたことがあります。「うわ!!」と興奮して、あまりの嬉しさに朝日が昇るまで外を歩きまわりました(笑)。

――それは興奮しますね。今は、お気に入りのラジオやポッドキャスト番組はありますか?

加賀 こちらも他局で申し訳ないんですけど『マユリカのうなげろりん!!』『紅しょうがは好きズキ!』『はちくちダブルヒガシ』です。3本ともラジオ関西のポッドキャストで、完全にハマってます。


ラジオ関西も勢いがある。

 マユリカさんとは早い段階でお会いできて、『うなげろりん!!』のイベントは配信で観ました。なかでも中谷さんによるひとりミュージカル「七里、山越えて」は腹を抱えて笑いましたね。

――わかります! 面白いですよね。

加賀 紅しょうがさんとはなかなかお会いする機会がなくて、初めて会った時は緊張しました(笑)。

 熊元プロレスはおそらく同期なので「タメ口で話しましょう」という話になったけど、なにしろ緊張していたので“頑張って”タメ口で話しました。

 ダブルヒガシとも会うと「あ、ダブルヒガシだ!」とテンションが上がります。


本番前の緊張感。

――ラジオやポッドキャストが好きだからこそのリアクションですね。ところで、加賀さんはもともと芸人が好きで、普段から写真も撮ってらっしゃいますよね。

加賀 僕自身が“ファン”だから、好きな芸人に会うと撮りたくなっちゃうんです。

 僕には写真を撮るセンスがあるというよりは、これまでに積み重ねてきた関係性があって、いろいろな写真を撮ることができていると思います。

 僕は複数の人数を撮る時はなるべくのそれぞれの顔を近づけてもらって撮るようにしています。そのほうが良い写真になるんです。お互いに離れているとスマホで撮った時とあまり変わらないんです。それくらいなんです。


この日は自身で撮影した「まあるいふたり」のTシャツで。かわいい!

――本当に芸人が好きなのが伝わってきます!

◇◇◇
“我”を出すのではなく、リスナーの声に耳を傾ける加賀さん。堅苦しい日々を逆転の発想で乗り越える。ちょっと生きづらいな、と感じる人には毎週月曜日の夜はJ-WAVEがぴったりです。

J-WAVE『GURU GURU!』

毎週月曜~木曜 22:00~24:00
https://www.j-wave.co.jp/original/guruguru

加賀 翔(かが・しょう)

お笑いコンビ・かが屋のメンバー。岡山県出身。写真の腕にも定評があり、11月15日には芸人を撮影した写真集『芸人地図』(東京ニュース通信社)を発売。写真展「加賀翔 芸人地図 Photo Exhibition」を「hmv museum 渋谷5」にて開催する。ラジオ番組のレギュラーにJ-WAVE『GURU GURU!』、RCCラジオ『かが屋の鶴の間』がある。
Instagram @kagaya_kaga


やきそばかおる

山口県出身。ラジオコラムニスト・インタビュアー・ライター。新聞、ラジオ、雑誌、webで全国のラジオ番組を紹介。取材、インタビューを積極的に行っている。『やきそばかおるのラジオコンシェルジュ』(渋谷のラジオ 隔週金曜18:00~)では毎週、各地のパーソナリティーをゲストに楽しくトーク。元ハガキ職人で、学生時代はハガキ、FAXで多い時には月に330枚を投稿していた。

文=やきそばかおる
写真=佐藤 亘

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