今、注目の“オクシズ”へ。静岡は掘れば掘るほど魅力的! 静岡の“奥”を巡る旅へ出発
CREA WEB / 2024年11月15日 11時0分
東京駅から新幹線でわずか59分。静岡県の県庁所在地である静岡市は、東西に50.62キロメートル、南北に83.1キロメートルの長さがあり、面積はおよそ1,412平方キロメートル。全国の市町村の中でも5番目に広い面積を有します。
それゆえ都市機能を備えながら、市街地から車で少し足をのばせば、野生の鹿が日常的に現れるような豊かな自然にも恵まれ、都会と田舎の魅力をどちらも味わえるのが特長です。
中でも“オクシズ”の愛称で知られる奥静岡エリアは、茶畑やわさび田、温泉宿など昔からの魅力に満ちたスポットがありながら、新たな注目スポットが続々誕生し、今こそ訪れたい地域。そんな、オクシズエリアを中心に静岡市の見どころをご紹介します。
世界農業遺産に選ばれたわさび田
わさびの生産量が全国一位の静岡県。中でもわさび栽培発祥の地として知られているのが静岡市葵区有東木(うとうぎ)です。標高600メートルほどの場所にあり、周辺には湧水を利用したわさび田がそこかしこで見られ、水わさび栽培が盛んに行われています。
生わさびを使った絶品さびめしに舌鼓
まさにわさびの里とも言えるこの有東木で、生わさびを堪能できる店が「うつろぎ」です。地元のわさびやお茶、農産物を販売。さらには地元食材を使って有東木のお母さんたちが作る定食やわさび漬け、金山寺味噌、わさびのり、ほうばもち、よもぎ金つばなども人気となっています。
ここを訪れたら、お土産を買うだけではなく、やはり定食を食べたいですよね。オススメしたいのは、わさびの産地だからこその新鮮な味わいを楽しめる、さびめし定食。鰹節がかかったごはんの上に、おろしたわさびをのせ、醤油をかけたわさび飯をいただきます。
さびめし定食は、わさび飯のほかにも地元で採れる季節の食材を使った天ぷらやわさび漬け、わさびのり、郷土料理のたたきごぼう、手打ちそば、デザートがセットになった贅沢な内容で、有東木のおいしいものを存分に満喫できます。
食事の際は、湧水の水流を見ながら食事ができるカウンター席でぜひ!
うつろぎ
住所 静岡県静岡市葵区有東木280-1
電話 054-298-2900
営業時間 平日10:00~15:00、土日祝9:00~16:00
定休日 火曜、年末年始、農繁期(5月上中旬頃)
https://utougi.hiho.jp/
足久保ティーワークスで静岡茶の魅力を満喫!
静岡と言えば、お茶! それを象徴するスポットが、静岡茶発祥の地と言われる足久保にある「はじまりの紅茶 テラスカフェ」です。運営するのは、足久保にあるおよそ50軒の茶農家からなる「足久保ティーワークス茶農業協同組合」で、足久保のお茶をより多くの人に知ってもらい、飲んでもらうために「はじまりの紅茶 テラスカフェ」では年間を通して、さまざまな活動を行っています。
お茶とフルーツサンドを特別なテラスで楽しむ
中でもぜひ体験したいのが、茶畑テラスでの「フルーツサンド ティータイム」。これは茶畑の上の見晴らしの良い場所に設置されたテラスに座り、眼下に広がる足久保の茶畑を眺めながら、お茶とフルーツサンドを楽しむというもの。
「はじまりの紅茶 テラスカフェ」で和紅茶と緑茶、フルーツサンドを受け取ったら、いざ茶畑テラスへ。平地を約10分進んだあと、山道を10分ほど登るとテラスへ到着。絶景を見ながら贅沢なティータイムを過ごせます。
セルフツアーとガイド付きがあっていずれも要予約。公式ウェブサイトから申し込みます。足久保のお茶文化について詳しく知りたい人は、ガイド付きプランがおすすめです。
「はじまりの紅茶 テラスカフェ」では、「はじまりの紅茶」ブランドの全種類のお茶をテイスティング可能。「はじまりの〈赤ワイン和紅茶〉」や「はじまりの〈白桃和烏龍茶〉」など、興味をそそられるネーミングのお茶も多く、気に入ったお茶は茶葉の購入もできます。
オープンテラスで、お茶を使ったドリンクや期間限定メニューを味わうこともでき、カフェの前に広がる茶畑の風景を見ながら、のんびりとした時間を楽しめます。
足久保ティーワークス
はじまりの紅茶 テラスカフェ
住所 静岡県静岡市葵区足久保口組2082-2
電話 054-296-6700
営業時間 10:00~16:00
定休日 火曜(祝日の場合は翌日休業)
https://www.ashikuboteaworks.com/
https://hajimarino.official.ec/
オリジナルのチャイづくりができる体験工房
紅茶発祥の地(駿河区丸子)とも言われる静岡市。安倍川の上流に位置する梅ヶ島では、標高700メートルから1000メートルの山間に茶畑が点在。1日の中で寒暖差があり、日照時間が適度。さらには霧が立ち込めるなど自然の条件がインドのダージリンに似た、お茶の栽培に適した土地なのです。
梅ヶ島では代々受け継がれてきた在来種をブレンド。ここでしか味わえない紅茶を生み出しています。
そんな梅ヶ島で紅茶やお茶の魅力をさまざまな形で体験できるのが「紅茶体験工房ウメガシマ」です。
例えば、チャイティーバッグづくり体験では、梅ヶ島紅茶にスパイスをブレンドして、オリジナルのチャイのティーバッグを作ることができます。
用意されたスパイスは、シナモン、クローブ、カルダモン、ジンジャーの4種類。計5グラム加えることは決まっていますが、配合の割合は自由。すべてをバランスよくブレンドするのもよし、どれかひとつを多めに3種類だけ加えるのもあり、1種類だけにしてみるなんてこともOKです。
ティーバッグは自分へのお土産にピッタリ
茶葉にスパイスをブレンドしたあとは、それを4グラムずつティーバッグに入れ、シーラーで封をして仕上げます。
最後は好きなシールを貼ったパッケージに詰めれば、完成です! パッケージにマジックで好きな文字や絵柄を描き加えることで、より自分だけのチャイティーバッグになります。
ほかにも「紅茶体験工房ウメガシマ」では、紅茶づくり体験やほうじ茶焙煎体験などができるので、ぜひトライしてみては。
紅茶体験工房ウメガシマ
住所 静岡県静岡市葵区梅ヶ島5342-3 梅ヶ島新田温泉 黄金の湯内
電話番号 080-3711-3112
営業時間 10:00~16:00
定休日 月曜~金曜
https://umegashima.love/
徳川家康を中心に静岡の歴史を学ぶ
徳川家康が生涯で3度も暮らした街として知られる静岡市。「静岡市歴史博物館」は家康を展示の中心にした施設です。
例えば、家康の生涯がわかる展示や東海道図屏風から江戸時代の駿府城下町の様子がわかる展示、静岡藩や清水港などの近現代における静岡の街の様子がわかる展示など盛りだくさん。毎週末にはイベントも開催。
歴史が好きな人にはたまらないスポットになっています。
遺跡をそのまま展示した臨場感
中でも珍しいのが、建設予定地で発見された「戦国末期の道と石垣の遺構」を、発掘された当時のまま館内で公開展示していること。はるか昔、まさにこの場所で人々が暮らしていた。そう思うだけで、当時の様子をリアルに想像することができますし、ロマンを感じます。
遺跡が剥き出しになった館内のデザインもユニークです。
ミュージアムショップとカフェも充実
展示の観覧後は、1Fのミュージアムショップ&カフェでお茶をしながらゆっくり過ごしてみては。運営するのはハグコーヒー。静岡市内に複数の店舗を展開する地元で人気のカフェです。
駿府城の東御門や巽櫓を眺めながらお茶をすることができるのもポイント。展示の余韻に浸りながら、本日のコーヒーや和三盆抹茶シェイク、和菓子のセットなどでひと休み。
カフェで一息ついたら、ミュージアムショップのグッズをチェック! オリジナルのトートバッグやTシャツなどは、いずれも洗練されたデザインが魅力です。
パッケージのイラストがかわいいドリップバッグコーヒーも人気。静岡土産にぴったりのグッズが揃います。
静岡市歴史博物館
住所 静岡市葵区追手町4-16
電話番号 054-204-1005
営業時間 9:00~18:00(展示室への最終入場は閉館30分前まで)
休館日 月曜(月曜が祝日の場合は開館。翌平日休館)
観覧料 基本展示一般600円ほか※企画展は別途料金設定あり
https://scmh.jp/
帰りに立ち寄りたい名茶が味わえる喫茶
静岡を満喫したら、帰りは少しだけ時間に余裕を持って静岡駅へ。向かうのは、JR静岡駅北口地下広場にある「しずチカ茶店 一茶」。
こちらは静岡茶商工業協同組合が運営する日本茶のカフェ。組合に加盟するおよそ50社のお茶が勢揃いする、静岡茶の全貌を知るにはもってこいの場所なのです。
店内では静岡市内産こだわり名茶選と題して、7種類のお茶が菓子とセットで味わえます。
1煎目はお店の方が淹れてくれますが、2煎目、3煎目は砂時計を頼りに自ら淹れていきます。この手間が楽しいですよね。
香りも味わいも個性豊かなお茶がラインナップされていますので、何杯か飲んでみるのもいいですね。気に入ったら茶葉の購入も可能です。
気になるお茶をお土産にしたい
「しずチカ茶店 一茶」では、およそ50社の茶商が厳選した60種類以上の茶葉を購入することもできます。しかも価格はすべて500円のお手頃価格。ひとつひとつに産地の様子や味わいなど特徴が記されているので、それを参考に選んでもいいですし、気に入ったパッケージデザインのものをジャケ買いしてみるのも良さそうです。
しずチカ茶店 一茶
住所 静岡市葵区黒金町49-1 JR静岡駅北口地下広場(しずチカ内)
電話番号 054-253-0030
営業時間 10:00~19:00(L.O.18:30)
休館日 水曜(祝日の場合は翌日休み)、年末年始
https://www.ocha.or.jp/issa/
文・写真=石川博也
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