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「健ちゃんは、すぐに気付かれちゃう」釜山国際映画祭で喝采を浴びた有村架純と坂口健太郎が釜山で感じたこと

CREA WEB / 2024年11月14日 11時0分


釜山国際映画祭で喝采を浴びた有村架純さんと坂口健太郎さん。

「さよならのつづき」で主演をつとめた有村架純さんと坂口健太郎さん。事故で恋人を失ったさえ子と、その恋人の心臓を移植された成瀬のラブストーリーは、アジア最大級の映画の祭典、釜山国際映画祭でも喝采を受けたが、ファンタジーとリアルの間を行き来するような役柄を演じる上では大変さもあったという。

 後篇では、演技についての真摯な語り口から一変して、坂口さんからのちょっと意外な逆質問が。そして昨今韓国でも知られる顔になった坂口さんのナチュラルぶりを心配する有村さん。釜山の海を見ながら、リラックスして語る二人の素顔にもご注目を。


新しいものを一緒に作りたいっていう熱量の高さに、心動かされました


有村架純さん。

――この作品に出演を決めたフックになったものは何ですか? 有村さんは脚本の岡田惠和さんと朝ドラの「ひよっこ」(2017)をはじめ、多くの作品で組んでいらっしゃることも大きいとは思うんですが。

有村 まず、自分が信頼している岡野(真紀子)プロデューサーがNetflixに移籍されて、一緒にやろうっていうことを言ってくださったのが最初です。

 岡野さん、岡田さん、そして監督の黒崎博さん(「ひよっこ」演出)で企画が動き始めて、おおまかな物語が決まり相手役は坂口さんが良いと思っている、という段階でお話をいただきました。

 岡野さん、岡田さん、坂口さんとは「そして、生きる」(2019)でもご一緒していて。皆さんの新しいものを一緒に作りたいっていう熱量の高さに、やっぱり心動かされました。

 若い頃から自分の成長を見てきてくれた人、そして成長を喜んでくれる人たちと作品を作れるというのはそんなにあることではない。それってすごく幸せだし、ありがたいことだと思うんです。そういう人たちが今までのいろんな出会いの中にいてくれてるっていうことが、心強かったのもあります。

坂口 僕はいつもは脚本で決めることが多いんですけど、今回はこの信頼出来るチームとやる、ということがやはり本当に決め手でしたね。架純ちゃんもふくめ「そして、生きる」のチームとまた一緒に出来るということが大きかった。黒崎さんとは今回が初めてですが。もちろん新しい人たちといろんな作品を、という面白さもあるけど、自分のことをある程度理解してくれるチームとやる面白さもある。理解してくれてるからこそ、どんどん新しいものが出てくる場合があるので。信頼がちゃんと確立してるから、安心してその場に臨めるし。

「さよならのつづき」の場合、脚本が固まってくると実はすごく難しいことに挑戦しようとしてるんだなとも思いましたね。ファンタジーの要素というか、説明がつかない現象をリアルな芝居で見せないといけないのは、すごく難しいなと思いながらやっていました。

ニュージーランドと北海道で行われたロケ


Netflixシリーズ「さよならのつづき」独占配信中

――有村さんはさえ子として、目の前にいる坂口さんの成瀬の中に、死んだ雄介(生田斗真)を感じるという演技をしないといけない。とても難しい気がします。

有村 もちろん成瀬さんと雄介では見た目も声も違うし、性格も違う。それなのに、自分が大切に思っていた人と何かつながっていると感じたら、どうしても追いかけずにいられない。

 さえ子が成瀬さんを好きになるとしても、本当は成瀬さん本人を見た方が彼に対しても失礼にならないし、彼自身と対峙する方が良いはずなのに、そこは理屈じゃないんですよね。

 やはり、そこに雄介がいるって信じたい気持ち、感じたい気持ちが最初にあったと思うんです。うまく言えないけれど、さえ子もこんがらかっていて、その感覚を出すようにしました。


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――坂口さんは成瀬であるけれど、雄介が乗り移ってるとまでは言わずとも、彼とリンクしてしまうわけですよね。

坂口 成瀬の中に雄介の心臓が入って以降の芝居には、いろんなパターンがあったと思うんです。例えば、ちょっと生田さんが演じてる雄介に寄せてみるのか、それとも全然違う存在としてやるのか。ただ雄介の言葉を僕は口走ったりもする。

 当初、黒崎監督からは、雄介の芝居を見て、何か特徴や癖があるんだったら成瀬としてそれを出してもいいという話もあったんです。でも雄介役の生田さんのメインの撮影は最後だったので、ほとんど雄介としての演技を見ることができなかったんです。

有村 さえ子と雄介のシーンの主な撮影はもう最後でした。昨年のニュージーランドロケのあとに、今年の初めに北海道で撮ったんです。


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――物語の冒頭を最後に撮ったということですね。

有村 そうですね。真冬のシーンだったので。

坂口 生前の雄介とさえ子、成瀬とミキ(中村ゆり)が偶然一緒になるところとか、いくつかは先に撮っていたので、生田さんとお会いしてはいたんですが。

 ただ成瀬が図書館でさえ子に急に「誕生日おめでとう。今日は特別な日だね」って言う場面は、確実に成瀬の中の雄介が言っている。ここはどういう気持ちで言えばいいのか悩みました。今急に言いたいことを思いついた、と感じているのは成瀬なんですよ。

 実際、「ちょっと菅原さん、聞いてください」って最初に言うわけで。だから成瀬としては、「誕生日おめでとう」という言葉が口から出てしまうことに、困惑してた方がいいのか。それともその言葉を言っている瞬間には、雄介のようにちょっと笑みを湛えていた方がいいのか。果たして何が正解なんだろうかと。

 最終的には、言い終わった瞬間に成瀬に戻る、というふうに監督がおっしゃって。これはすごく難しいなと思いながらやりましたが、そこに至るまで監督や架純ちゃんとも色々とコミュニケーションを取ったんですね。

 他の場面もそうです。悩んだ末に一番最初にやろうとした芝居に戻ったりすることもあったんですが、やってることは同じでも、多分中身はちょっと違う。それを繰り返していく作業でしたね。

坂口健太郎さんからCREAに逆質問が


坂口健太郎さん。

――今回、釜山で数日間過ごして、何が一番楽しかったですか?

坂口 あ、僕の方から質問してもいいですか? CREAさんってよく韓国特集をやっていますよね。ご飯屋さんの紹介をしたり。あれは釜山映画祭に合わせてやっているんですか?

――わー、読んでくださって嬉しいです。毎回、釜山国際映画祭に合わせてというわけではないんですが、韓国特集は多いですし、釜山でグルメ取材もしますよ。

坂口 釜山でおすすめのご飯屋さんを聞きたいなと思ったんですよ。あ、僕が楽しかったことを言わなきゃですよね(笑)。やっぱり楽しかったのは食事。僕は焼肉ばっかり食べてます。やっぱり美味しくて。

――釜山は海の街だから、海鮮も美味しいですよ。

坂口 そうですよね、海鮮食べないとですよね。生のタコとか?

――タコも美味しいですけど、ぜひ「スミニネ」という貝焼き屋さんに行ってみてください。映画祭に来た俳優さんたちがよく行くお店として有名なんですよ。以前CREAでも、ホン・サンス映画や「冬のソナタ」で有名なクォン・へヒョさんがおすすめしてくれました。漁村の近くにあるテント張りのお店で、タクシーでないと行けないんですが、魚介類やウナギが新鮮でとても美味しいです。

有村 牡蠣小屋っぽい感じですか?

――そうそう、そんな感じです。他にも、釜山はフグもおすすめですよ。

坂口 貝焼き、いいですね。ぜひ行ってみます。


釜山国際映画祭の様子。

――有村さんは今回、何が一番の思い出になりましたか?

有村 健ちゃんがどこに行っても、「坂口くん! ケンタローさん!」って言われて大人気で、それを私が横で見ていたことですね(笑)。

坂口 いやいや、あなただって「カスミちゃーん!」って言われてたじゃない(笑)。

有村 でも健ちゃんは、韓国ドラマにも出ているから、お店に行っても街を歩いてても、すぐに気付かれちゃうんですよ。そんなに普通に歩いていて大丈夫、って心配になっちゃうくらいでした。

坂口 大丈夫、大丈夫。

有村架純

1993生まれ、兵庫県出身。2010年に「ハガネの女」でドラマデビューし、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13)の好演で注目を集める。『映画 ビリギャル』(15)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞・新人俳優賞W受賞。同作と『ストロボ・エッジ』(15)で、ブルーリボン賞主演女優受賞。『何者』、『夏美のホタル』(16)で日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞新人賞受賞。連続テレビ小説「ひよっこ」(17)で橋田賞 新人賞、『花束みたいな恋をした』(21)で、日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞受賞。その他の主な出演作に、映画『コーヒーが冷めないうちに』(18)、Netflix映画『ちひろさん』(23)、ドラマ「「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(16)、「中学聖日記」(18)、「そして、生きる」(19)、「太陽の子」(20)、「姉ちゃんの恋人」(22)、NHK大河ドラマ「どうする家康」(23)、「海のはじまり」(24)など。公開を控えている作品に映画「花まんま」(25)、「ブラック・ショーマン」(25)がある。

坂口健太郎

1991年、東京都出身。2014年に俳優デビュー後、映画『64-ロクヨン-前編/後編』(16)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。「シグナル長期未解決事件捜査班」(18)で連ドラ初主演を果たし、ソウルドラマアワード2021「アジアスター賞」を受賞。『ヘルドッグス』(22)で日本アカデミー賞 優秀助演男優賞受賞。その他の主な出演作に映画『今夜、ロマンス劇場で』(18)、、『劇場版シグナル長期未解決事件捜査班』(21)、『余命10年』(22)、Netflix映画『パレード』(24)、ドラマ「東京タラレバ娘」(17)、、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(21)、「婚姻届に判を捺しただけですが」(21)、「競争の番人」(22)、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22)「Dr.チョコレート」(23)、「CODE-願いの代償-」(23)。「愛のあとにくるもの」(24)では韓国ドラマに初挑戦した。

有村架純さん衣装

エンポリオ アルマーニ 173,800円(ジョルジオ アルマーニ ジャパン 03-6274-7070)

文=石津文子
ヘアメイク=廣瀬瑠美(坂口さん)、尾曲いずみ(有村さん)
スタイリスト=壽村太一(COZEN inc)(坂口さん)、瀬川結美子(有村さん)

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