この時期だけの味【東京の和栗モンブラン】スイーツなかののイチオシ5選 賞味期限60分以内の逸品も！

スイーツなかのイチオシの和栗モンブラン5選。

　よろスィーツ！　スイーツなかのです。以前洋栗のモンブランの特集をやりましたが、今回は、和栗のみにしぼり、シェフこだわりのモンブランを5つご紹介。

　この時期にしか出会えない、秋にぴったりの美味しさが待っています。

---

賞味期限60分以内の絶品モンブラン

◆パティスリー ショコラトリー レシィ

「モンブランエフェメール」920円。

　世田谷・東松原にある「パティスリー ショコラトリー レシィ」。オーナーシェフパティシエは、数々の名店で経験を積んだ寺﨑貴視氏で、その確かな技術から生まれる洗練されたお菓子に注目が集まっています。

　モンブランの栗は、最高のものを作るために様々な栗を試す中で出会ったという、理想的な甘みと風味を持つ中山栗を使用。中でも、特に良質な和栗に与えられる「秀」というグレードのものが使われています。

　たっぷりと入ったクレームシャンティーには、乳の風味が強く自然な香りを持つ生クリームを用い、中山栗との相性が良い和三盆糖を合わせて仕上げています。メレンゲは、低温でじっくりとキャラメリゼするように、厚みたっぷりに焼き上げ、香ばしく繊細な食感に。

　モンブランクリームは風味豊かで、それ自体が美味しいのはもちろんのこと、クレームシャンティー、メレンゲと一緒に食べたときの美味しさは格別で、ボリュームがあるのにどんどん食べられる軽やかな味わいがナイスィーツ！

　鮮度を保つために「賞味期限60分以内」と設定されているのも、この美味しさを知れば納得がいきます。シンプルでありながら奥深く、一度食べたら忘れられないモンブランです。

Patisserie Chocolaterie Recit（パティスリー ショコラトリー レシィ）

所在地　東京都世田谷区松原5-26-15 松原パレス 1F
電話番号　03-4362-9185
https://recit-tokyo.studio.site/

2種の和栗をブレンドした至福のモンブラン

◆プレファレンス

「和栗のモンブラン」800円。

　2024年にオープンした、新中野にある「プレファレンス」。モンサンクレール系列の5つのブランドの統括責任者を務めていた実力派パティシエ・池田龍一氏が手がける、ケーキからパンまで幅広く揃う、今注目のパティスリーです。

　こちらのモンブランは「利平栗のペースト」と「粗挽きの栗のペースト」の2種をブレンドしたつくり。どちらも熊本県産のものを選び、粗挽きの栗のペーストを混ぜることで、栗本来の香りと奥深い味わいを表現しています。

　栗の味わいはもちろん、メレンゲにもこだわっているのがポイント。白い色に焼き上げるお店が多いですが、こちらはキャラメル色になるまでしっかりと焼き込み、ザクザクとした食感が楽しめます。

　濃厚な栗の美味しさもありながら、メレンゲの香ばしさもたまらなく、何度でも食べたくなるような力強い味わいがナイスィーツ！　モンブランクリーム、シャンティクリーム、メレンゲと全体のバランスも絶妙で、中に蒸し栗が入っているのも嬉しいところ。

　ムラングシャンティに和栗のクリームが合わさったような、相乗効果で美味しさが広がっていくモンブランです。

Preference（プレファレンス）

所在地　東京都中野区本町4-6-20
電話番号　03-6382-4823
Instagram　@preference_tokyo

栗本来の美味しさに包まれる贅沢モンブラン

◆フキアージュ

「栗のあわぐも」980円。

　調布にある「フキアージュ」。フィナンシェやカヌレなど焼き菓子が人気のパティスリーですが、毎年秋になると栗のお菓子がたくさん登場します。

「素材の良さがストレートに出る分、品質の良い栗を選別することもパティシエの大切な仕事の一つ」と畠山和也シェフが語るように、フキアージュのモンブランは栗本来の持ち味を堪能できるつくりです。

　和栗は熊本産の美久里種を使用し、木から落ちたての栗をすぐに加工しているため、栗の香りが抜群。また、栗のほくほく感を活かすために、モンブランクリームの水分、糖分、油分が最小限に抑えられており、余計な手は加えられていません。

　食べると栗の香り高さに驚き、濃密ながら気づくとなくなっているような口どけの良さに感動。中に入ったクリームとタルトとの一体感も良く、栗の美味しさにとことん寄り添うつくりがナイスィーツ！

　見た目も美しく、手動の機械搾りにすることで、手絞りでは表現できない繊細な仕上がりに。表面が乾くのを防いだり、香りが逃げないようにするため、容器をカバー付きのものにするなど、提供の仕方にもこだわりが詰まったモンブランです。

Feuquiage（フキアージュ）

所在地　東京都調布市小島町1-2-5 アジャンタ調布2 1F
Instagram　@feuquiage

ショコラティエのつくる爽やかモンブラン

◆ラ・バーズ・ドゥ・シェ リュイ

「モンブラン」864円。

　代官山にある「ラ・バーズ・ドゥ・シェ リュイ」。老舗洋菓子店「シェ リュイ」の新業態のお店で、ビーントゥーバー製法を用いたチョコレートやジェラートなどが並びます。

　店主の酒井將駄シェフは、洋菓子マウンテンの水野直己さんの元でチョコレートを学び、コンクールでも受賞歴をもつ注目のショコラティエ。

　モンブランもショコラティエならではのつくりで、カカオの果肉でもある「カカオパルプ」を合わせているのが大きな特徴。酸味のあるカカオパルプに負けないように、和栗は香りが豊かで甘みのある茨城県産の利平栗を使用しています。

　モンブランクリームとカカオパルプのジュレを一緒に食べると、まろやかな味わいとほのかな酸味の相性が良く、驚くほど後味が爽やか。

　薄く焼き上げたチュイルにはカカオハスク（カカオ豆の種皮）を使っていたり、和栗の香りやカカオパルプのフルーティーさを活かすために木戸泉酒造の「アフス」を合わせるなど、ショコラティエならではの細やかなつくりがナイスィーツ！

　お花を飾った見た目も可憐で、贈り物にも喜ばれるモンブランです。

LA BASE de Chez Lui（ラ・バーズ・ドゥ・シェ リュイ）

所在地　東京都渋谷区代官山町20-23 Forestgate 代官山MAIN棟1-06
電話番号　03-6712-7563
Instagram　@labase_chezlui

東京産の和栗でつくる唯一無二のモンブラン

◆Dining 33 Patisserie a la Maison

「モンブラン」1,200円。

　麻布台ヒルズにある「Dining 33」。日本のフレンチ界を代表する三國清三シェフが監修するレストランです。

　シェフパティシエを務める浅井拓也氏が手がけるモンブランは、東京の和栗を使用しためずらしいつくり。地産地消の実現のため、東京産のものをできるだけ取り入れようと準備を進めるなかで、杉並区で生産される「内藤栗」と出会ったそう。

　栗の品種は、収穫期に合わせて、筑波から利平に変わっていくそうで、鮮度に配慮しながら栗をよりいい状態で仕入れて加工。産地の近さを生かし、栗の香りを大切にしたモンブランに仕上げています。

　中には、ココナッツとアーモンドを混ぜたメレンゲ、バニラ風味のクレームシャンティーが入っていて、外側にモンブランクリームを絞り、トップにはゆでて裏漉した内藤栗が飾られています。ろくろで作る器のような印象的なフォルムは、空気を含ませるイメージでクリームを絞りながら重ねていくそう。

　モンブランクリームはまるで栗を食べているようなほろほろとした口あたりで、栗本来の香りに包まれる上品な味わいがナイスィーツ！

　クレームシャンティーとメレンゲも存在感があって大満足の美味しさです。素材の魅力が詰まった、東京産モンブランを堪能してみてください。

Dining 33 Patisserie a la Maison（ダイニングサーティースリーパティスリー ア・ラ・メゾン）

所在地　東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ 森JPタワー33F
電話番号　03-4232-5801
https://dining33-hillshouse.jp/patisserie/

スイーツなかの

東京都立川市生まれ。早稲田大学卒業後、吉本興業に所属。子どもの頃から好きだったお菓子を独学で勉強し、唯一無二のスイーツ芸人として活動をはじめる。10年間吉本で活動後、特注のパンケーキハットをトレードマークに幅広く活躍中。老舗からコンビニまで多ジャンルの和洋菓子を一万種類以上食べ歩き、その確かな知識と情報で「林先生の初耳学」「メレンゲの気持ち」「スクール革命」など多数のテレビ番組に出演。西武渋谷店では自ら企画した催事「奥渋ギフト」を開催、行政と取り組んだ監修商品を発売するなど、幅広いシーンで活動中。
Instagram　@yorosweets
X（Twitter）　@yorosweets

文＝スイーツなかの
撮影＝深野未季