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気取らず、驕らず芸能界を生きたい―櫻井海音が「一度だけ怒られた」チーフマネージャーの言葉とは

CREA WEB / 2024年11月20日 11時0分


「芸能人だからと称されるのが大嫌い」と語る理由はインタビュー前篇で。

 俳優デビューから4年。数々の作品に出演し、めきめきと頭角を現している櫻井海音さん。最新主演作のドラマ&映画【推しの子】では、母であるアイの死の真相を暴くため、芸能界に潜り込む主人公・アクアを演じています。CREA WEBでは、櫻井さんの4年間の変化やこの仕事をするうえで心がけていること、また自身の意識が変わったきっかけになった言葉などをうかがいました。


昔の自分だったら一人で外食はしなかった


櫻井海音さん。

――俳優業が増えたこの4年で、休みの日の過ごし方や食生活などに変化はありましたか?

 4年前というと19歳ですよね。きっと多くの人が19歳から23歳のころって多少の変化はあると思うんですけど、食生活で言うと昔よりはジャンクフードを食べなくなりました。一番の変化は、仕事に対する向き合い方ですかね。より俳優としてのハングリー精神がプライベートにも影響してきたかもしれないです。

――先ほど(前篇)で「撮影以外の日でもずっとアクアが頭の中にいた」と仰っていましたが、アクアは基本的に単独行動が多いですよね。その辺の影響は?

 以前の僕だったら、休みの日は友達といたいなと思っていたんですけど、最近は一人でいる時間が増えた気がします。この間も一人で焼鳥屋さんに行ってきました。昔の自分だったら、一人で外食するなんて考えられなかったかも。


©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 ©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

――【推しの子】の中で「嘘はとびきりの愛なんだよ」というアイのセリフがありますが、誰かのための優しい嘘や、自分の保身のための嘘など、さまざまな「嘘」の形があるかと思います。櫻井さんにとっての「嘘」とは?

 僕たちの仕事自体が「嘘」なんですよね。特にお芝居は嘘の塊なので、それをどう「本物」にするかなんだと思います。職業柄、常に嘘をつき続けているけど、その中にはもしかしたら本当のことや「真実」があるかもしれない。芝居をするということは、どれだけこの世に起きていない「嘘の事象」を本当にできるかを探っていくことでもあるんじゃないかな。それが難しくもあり、俳優の面白いところだなと思います。

――本作の舞台は「芸能界」。櫻井さんも同じ世界に身を置かれていますが、仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。

一度だけマネージャーに怒られた出来事


櫻井海音さん。

 たくさんありますが、ひとつは「気取らない」ことですね。自分をそれ以上に見せようとは思わないので、変にカッコつけたくないんです。常にありのままの自分を出し続けたいですし、そういう僕の姿を見て少しでも共感してくれたり、「頑張っているな」「応援したいな」と思ってくれる方に応援していただけたら嬉しいです。

――誰かに言われて心に残っている言葉や教えはありますか?

 芝居を始めたての頃に、一度だけチーフマネージャーに怒られたことがあるんです。その頃は僕が未熟で、現場に対しても今みたいにちゃんと向き合えていなかったし、弱音を吐いたこともありました。そういうことが周りの人達にも伝わって、ある日チーフマネージャーから「現場で弱さを見せるな」と言われたんです。

 どんな業界でも「眠いわ~」とか「疲れた」と口に出しながら仕事している人は絶対に重宝されないですよね。当時の僕はそこの心構えが全然できていなかったので、チーフマネージャーにそう言われてから、現場を重ねるにつれて「あの言葉の意味はそういうことだったんだな」と理解することができました。

 その時の叱咤が結果的に自分にとっていい方向に働いてくれたし、だれからも注意されず、あのままの僕でその後も作品に参加していたら、きっと今回のお話も来ていないでしょうね。自分の中でこの仕事への意識が変わるきっかけになった言葉だったなと思っています。


櫻井海音さん。

――とはいえ人間なので、時には弱さを吐き出したいこともあると思いますが、そういう時はどうしていますか。

 今は「辛い」とか「苦しい」ということをあまり思わなくなりました。その感情がたまに「怒り」に変わることはありますが、自分の中で抱え込むことや考えることはなくなりましたね。なので、よく取材で「何か悩みはありますか?」と聞かれることがあるのですが、本当になくて! 弱さを見せる自分が嫌いになったのかもしれません。

――自分の弱さを出さないためには、強い精神力がないとできないように思います。

 だけど、それも弱いことなのかなと思うんです。自分の中にある脆さや弱さを人に見せられないということは、ある意味で「弱さ」なのかなと自己解釈していて。僕は割と小心者なので、きっと人に自分の弱さを見せるのが怖いんだと思います。きっとこの先10年、20年と年をとって、家族ができたりしたら、また考え方も変わるかもしれないですね。

アフレコで泣いてしまった?


©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 ©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

――ドラマ&映画【推しの子】は、配信ドラマが8話まであり、その後、映画に続いていくという流れになっていますが、配信・公開を楽しみにしている方々にメッセージをお願いします。

 本当に原作に忠実に、みんなでリスペクトを持って向かっていった作品なので、原作ファンの方が見ても違和感のない作品になっていると思いますし、まだ見たことがない方も楽しめる作品になっていると思います。

 ストーリー展開も原作の流れ通りになっているので、ドラマの1話から6話くらいまでは芸能界の裏側をしっかりと描いていて、6話~8話から映画に向かっては【推しの子】という物語の確信に迫るような結末に向かっていきます。そこにサスペンスやミステリー要素が詰め込まれているので、いろんな楽しみ方をしながら見ていただきたいです。


櫻井海音さん。

――原作がまだ完結していないだけに、映画はどのようなラストを迎えるのかも気になります!

 ラストの方で、自分の中にある「アクア」というものや【推しの子】への思いみたいなものを一番ぶつける相手が出てくるんですけど、その役を演じた方は僕も大好きな方なので、個人的にとても充実感のあるラストシーンでした。

 最後にアクアのモノローグがあるのですが、その部分は最近アフレコしたんです。その時、撮影をしていた期間やいろいろなことを思い出して、初めてモノローグを録りながら泣いてしまいました。

「感動」というとちょっと安っぽくなってしまいますが、ひとつの物語として、いろいろな人に何かを与えられるラストになっていると思うし、僕自身もたくさんのものをもらえたので、ぜひたくさんの方に我々のラストを受け取っていただければと思います。

櫻井海音(さくらい・かいと)

2001年4月13日生まれ、東京都出身。2020年に俳優活動をスタート。近年の主な出演作に、映画『嘘喰い』、『バジーノイズ』、ドラマ「VIVANT」、WOWOW「アオハライド Season1」、など。

文=根津香菜子
撮影=松本輝一
ヘアメイク=高草木剛(VANITÉS)、吉沢実希
スタイリスト=藤井晶子

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