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【スペシャルレシピ】白味噌に青紫蘇…ジャン=ポール・エヴァンさんが教えてくれた特別なショコラ ショをあなたに

CREA WEB / 2024年12月6日 6時0分


CREAへのスペシャルな贈りもの。

 12月6日(金)に発売を迎えたCREA「贈りものバイブル」特集で、毎年訪れる京都でのお気に入りギフトを紹介してくれたジャン=ポール・エヴァンさん。同時に、お母さんに作ってもらったあたたかなチョコレート、ショコラ ショの思い出、飲む人に元気をくれるショコラ ショのレシピを紹介しています。

 同時に、実はクレアのためだけにスペシャルなショコラ ショのレシピを教えていてくれたのです! 川辺の宿で家族と過ごした取材の中で生まれたレシピをご紹介しましょう。


打ち解けた表情を見せてくれたジャン=ポール・エヴァンさん。

バカンスは必ず家族で過ごす


左がアントナン君。

 世界的ショコラティエとして、いつもは仕事で忙しいジャン=ポール・エヴァンさんですが、バカンス中はずっと家族と離れず一緒に過ごすのがエヴァン家のルール。昨夏は、奥嵐山に足を運び、緑豊かな大堰川のほとりに佇む宿でリラックスしながら、さまざまな日本文化と美食に出合う週末を楽しみました。

 その旅のさなか、コックコートを着てキッチンのある部屋にやって来たエヴァンさん。隣には、同じくコックコートを着た、12歳の息子・アントナンくんの姿が。2人でとっておきのショコラ ショをつくるというのです。

「タイトルは、『川辺のショコラ ショ』。この旅からインスピレーションを得て、味わいを考えたひと品です。楽しみ!」と、エヴァンさんは笑顔を浮かべ、アントナンくんも大張り切りでとってもうれしそう。父子の微笑ましい共演が始まりました。

白味噌に青紫蘇…どんなショコラ ショに?


白味噌入りのキャラメル!

 まずは、スペシャルな味わいを醸し出すトッピングづくり。明るい色合いに仕上げたキャラメルに加えるのは、国産大豆で造られた白味噌です。「京都でつくるショコラ ショですし、キャラメルに白味噌はよく合いますから。深みのあるまろやかな味わいが広がると思います」と、エヴァンさん。


親子で青紫蘇をちぎります。

 続いてすり鉢を取り出し、アントナンくんと一緒にちぎり始めたのは、青紫蘇(大葉)です。

「青紫蘇を合わせることにした理由はシンプル。おいしいから! 僕が京都に来るのはいつも夏で、青紫蘇がおいしい季節なんですよね。京都らしいし、大地の味が加わってショコラとも相性がいいと思います」と、エヴァンさんは話します。その傍らで青紫蘇をするアントナンくんのまなざしは、真剣そのもの。おいしいものを心をこめてつくる思いは、言葉にせずともしっかりアントナンくんに受け継がれています。


美しい所作で青紫蘇をするアントナン君。

 そしていよいよ、ベースとなるショコラ ショづくりへ。アントナンくんにやさしくていねいに説明しながら、任せられるところは任せつつ、カカオパウダーとチョコレートをミルクに溶かしていくエヴァンさん。


タブレットは味の決め手。

「今回はカカオ分76%の『タブレット エクアトゥル』を使いました。フローラルな香りが青紫蘇によく合うかと思います。ポイントは、泡立てながら加熱して、火から下ろした後にも泡立て器を使ってよく泡立てること。ほら、こんな風に泡立て器を立てて、ショコラティエール(チョコレートドリンク専用のポット)みたいに両手ではさんでクルクルッと回すと、ふわふわの泡が立つでしょう?」。ショコラティエールがなくても、細長い容器を使って必ずやってほしい工程です。


アントナンくんにお手本を見せる。

“混ぜずに飲む”ことで味に陰影が生まれる


ふわふわのショコラ ショの完成。

 カップにショコラ ショを注いだら、白味噌キャラメルクリームをマーブル状に混ぜたホイップクリームと、青紫蘇のペースト、炒り黒胡麻をトッピング。


キャラメルとホイップクリームは混ぜすぎず、マーブルに。

「黒胡麻は、味わいをより深くするために散らしました。黒は陰陽の“陰”の色で、私にとっては日本文化を感じさせる色なんです」と、エヴァンさんは話します。


おろし金に使う「薬味寄せ」で青紫蘇をちょんちょんとのせる。

 混ぜずに味わうことで、味わいと香りに変化が生まれ、より面白味のあるおいしさを楽しめるのが、とっても魅力的。エヴァンさんとアントナンくんの笑顔が溶け込んだような、やさしくてほんのり清々しく、まろやかなハーモニーが心と体にしみわたります。


「混ぜずにどうぞ」とエヴァンさん。

 そんなショコラ ショを味わいながら、「僕にとってショコラ ショは、子供の頃の思い出の味なんです」と、語り始めたエヴァンさん。園芸用樹木の栽培を仕事とし、甘いものが大好きなお父さんと、料理好きなお母さんのもとに生まれ、お母さんがよくつくってくれたのがショコラ ショだったといいます。日曜日だけはブリオッシュを買って、ショコラ ショとともに味わってとてもうれしかったのだとか。


懐かしそうに語る。

「板チョコレートを牛乳で溶かしただけのもので、今、みんなが飲んだらあんまりかもしれないけれど、僕にとっては宝物。今でもショコラ ショを飲むと、当時の光景や香りを思い出します。ちょっと落ち込んだり悲しいときは、おいしいものを見つけて大好きな人たちとシェアするのが一番幸せになる。僕にとっては大切な味なんです」

 傍らで耳を傾けていたアントナンくんにとっても、大好きなパパと一緒につくり、一緒に楽しむショコラ ショは、特別な味。おいしいものを通じて幸せを分かち合う思いは、世代を超えて大切に受け継がれていきます。

しみじみとおいしいベースのショコラ ショ

ベースのショコラ ショ。

■材料(2~3杯分)

・チョコレートのタブレット…50g
※今回は、「タブレット エクアトゥル(カカオ分76%)」を使用。
・カカオパウダー(無糖)…1.5g
・牛乳…300~330g
※330gで作ると軽めで朝向き、午後に楽しむ場合は300gがおすすめ。

■作り方

(1)ショコラ ショを作る。鍋に牛乳、カカオパウダーを入れ、火にかける。泡立て器で混ぜる。

(2)刻んだタブレット エクアトゥルを加え、絶えず泡立てながら温める。沸騰寸前で泡が出始めたら火からおろす。


沸騰する前に火からおろす。

(3)ステンレス製のポットなどに移し、泡立て器でしっかり泡立ててからカップに注ぐ。泡立て器を立てて、柄を両手ではさんでクルクル回転させるように泡立てると、ふわふわの泡が立つ。

香り立つスペシャルなトッピング


Chocolat Chaud au Bord de l’Eau ~川辺のショコラ ショ~。

■材料(作りやすい分量)

■<白味噌キャラメルクリーム>


白味噌キャラメルクリームの材料。

・生クリーム(脂肪分42%以上のもの)…35g
・グラニュー糖…20g
・国産大豆の白味噌…3~5g

・生クリーム(脂肪分42%以上のもの)…40g
・青紫蘇…約5枚
・煎り黒ゴマ…適量

■作り方

(1)白味噌キャラメルクリームを作る。鍋に生クリーム35グラムを入れ、中火にかける。50~60度になるまで温め、ボウルに入れる。

(2)洗った鍋にグラニュー糖を入れ、強火にかける。溶けてきたら泡立て器で混ぜながらさらに溶かし、明るいキャラメル色になるまで焦がす。

(3)(1)の生クリームを少しずつ注ぎ入れながら泡立て器で混ぜ、なめらかなペースト状にする。


明るいキャラメル色になったら生クリームを注ぐ。

(4)白味噌を加えて混ぜる。

(5)ボウルに移し、底に氷水を当てて冷やす。白味噌キャラメルクリームの完成。


白味噌キャラメルクリーム。

(6)生クリーム40グラムは泡立て器で7分立てになるまで泡立てる。


7分立ての目安。

(7)青紫蘇は茎を除き、ざっとちぎってすり鉢に入れ、ペースト状になるまですりつぶす。青紫蘇が固くてすりつぶしにくい場合は、水を小さじ1/2~1(分量外)加えてもよい。


すりつぶした青紫蘇。

(8)(6)の生クリームに(5)の白味噌キャラメルクリームを好みの量加え、マーブル状になるように混ぜる。スプーンですくって、カップに注いだベースのショコラ ショにトッピングする。

(9)(7)の青紫蘇ペーストをあしらい、煎り黒ゴマを全体に散らす。

※トッピングは好みの量を使ってください。

ジャン=ポール・エヴァン

1957年、フランス・ブルターニュ地方生まれ。「ホテル・ニッコー・ド・パリ」シェフ・パティシエを経て、「ペルティエ」東京店のシェフ・パティシエに。86年、フランス国家最優秀職人章(MOF)を受章し、88年独立。カカオ生産者の支援にも力を注ぎ、卓越した創造性と技術、情熱で人々を魅了し続けている。

文=瀬戸理恵子
写真=長谷川 潤
協力=星のや京都

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