【大船ひとり飲み】鹿児島出身の幼馴染同士が営む「cozi cozi.」イタリアンと焼酎を組み合わせるのが楽しい!
CREA WEB / 2024年12月7日 11時0分
鎌倉で旦那さんと暮らしながら、ハワイや沖縄、もちろん東京でも料理の本を作ったり、取材をしたり。料理編集者・赤澤かおりさんは、どんなに忙しくても元気いっぱいなのです。
忙しい毎日のなかで、ほっとするのはやっぱり、地元・鎌倉に戻って、もしくはおうちで目一杯働いて、お酒を飲む時間。基本的に前々から予約をとるよりも、その日のお腹に訊いて食べたいものと飲みたいものを求めて出かけます。
ふっと時間が空いたとき、ひとりでふらりと出かけた鎌倉で、女性ひとりでお酒を楽しむなら? 今回は鎌倉駅から横須賀線で2駅の「大船」。実は、ひとり飲みに最高すぎるエリアなのです!
2024年6月オープンで早くも愛されるイタリアン
2024年もそろそろ終わり。毎年思いますが、1年って本当にあっという間。だからこそ、毎回、飲んだり食べたりする時間は何を誰と食べるか大事にしないと、と思っています。ひとりで飲んだり食べたりする時間も然りで、いろいろ考えたり、思い返したりするにもいい時間。おいしい時間を過ごしながら、自分なりの2024年総決算をしてみるのもいいかもしれません。
今回紹介するのは、鎌倉は鎌倉でも、駅でいうと、JR鎌倉駅よりも2駅ほど東京寄りの大きな街「大船」でのひとり飲み。住所的には鎌倉市になりますが、駅からすぐの賑やかな商店街といい、新鮮な魚や肉、野菜が並ぶ市場といい、活気に溢れたここは、同じ鎌倉といえど、まったく違った雰囲気を醸し出す街。そんな鎌倉の”もうひとつの街“で、1年の振り返りにもしっくりくる居心地のいいお店をご紹介します。
2024年の6月にオープンしたばかりのここは、鹿児島出身の出田晃司さんと米森浩紀さんが切り盛りするイタリアン。JR大船駅から活気あふれる商店街を抜けたビルの中にある隠れ家的なところ。にも関わらず、どこで聞きつけたのか!? いつ伺ってもカウンターには女性や男性がひしめくようにひとり飲みを楽しんでいるんです。
最初は不思議に思っていましたが、今ならその気持ちがよくわかる! だってとにかくおいしいし、何より居心地がいい! だから、疲れて帰ってきた帰り、ついつい寄りたくなってしまうんだろうなぁ。
オープンして半年くらいなのに、みんなどこでお店のことを知るのかなと思ったら、意外と新しいビルなので、どんなお店が入っているのか覗きにきて、そのままふらりとドアを開けて入ってきてくれるんだそう。そうなんです、ここはビルの上にも関わらず不思議と躊躇することなく、すっと入れる気軽さがあるんです。
鹿児島からとある料理人に憧れ、湘南の地にやってきた晃司さん。さまざまな湘南のイタリアンで修業を重ねた後、今年6月に独立を果たしました。その際、彼と二人三脚を組むことになったのは、同じく鹿児島出身の浩紀さん。
実はふたりは鹿児島の吉野という山の方で育った幼馴染みで、高校時代に「いつかみんなでカフェをやれたらいいね」と話していた仲間のひとりだったのだそう。そんな素敵な友人だった浩紀さんがお店をオープンするという晃司さんのもとに鹿児島から駆けつけ、ゆるゆるとふたりの歩みがスタートしました。
ふたりの出身地・鹿児島の焼酎と自然派ワイン
鹿児島ということで、魚や肉もできるだけ鹿児島から仕入れ、お酒は芋焼酎と、晃司さんが修業してきたお店でも馴染みのあった自然派ワインをメインに取り揃えた、他にはあまりみることのないメニュー構成。ふたりが教室で仲良く笑っている高校時代の姿が透けて見えるかのような、故郷を想い、慈しむ料理とお酒のラインアップを伺い、胸が熱くなりました。
まずは、鹿児島から届いた鰆をカルパッチョに仕立てたものから。お酒はおすすめいただいた「白石酒造」の天狗櫻の仕込みシリーズ(と彼らが呼んでいるもの)。こちらの焼酎は、芋を作るための土造りからはじまり、芋の畑、種類、アルコール分などをも細かく記したもので、地元でもファンが多いのと、そんなに大量に生産されていないこともあり、なかなか関東まで出回ることのない貴重な焼酎。
ときにはあえて小さく作った芋で仕込んでみたり、原酒を寝かせてみたりとおいしいを追求し続けている酒造なんだそうです。
その貴重な焼酎をソーダ割りにしてもらったんですが、熟成した肉厚の鰆のねっとり感と深い甘みが芋焼酎に合う~~~! グラスを口元に近づけるたびにふわっと薫る芋の香り、続けて口の中に広がるやさしい甘み。これぞ芋焼酎の醍醐味! カルパッチョに添えられた鎌倉の紅芯大根の梅酢和えが、鰆の濃厚な味わいを際立たせてくれるひと皿との相性に本気で唸りました。
続いては鹿のパテ。これももちろん鹿児島から。最近、猪をよく食べることはあったけれど、なんと鹿! しかもパテ! という私的には初の試み。合わせてもらったお酒は、カルダモン、胡椒、シナモン、クローブ、黒文字の葉、レモンなどを煮詰めたオリジナルのシロップを芋焼酎“なかむら”で割ったスパイスソーダ。猪よりも淡白で味の濃い鹿に、このパンチのきいたソーダ割りがドンピシャ。
その後もカラスミと魚の手打ちのパスタにアルザス地方の自然派ワインを合わせるなど、おぉ~~と胃袋がもろ手をあげて喜ぶ提案が出てくる、出てくる。この組み合わせの妙は、マリアージュという言葉に当てはめるにはやや物足りないくらい、いい意味で予想外の暴れん坊。何度もそうきたか、と楽しませてもらいました。
Cozyな居心地のよさに、つい途中下車
ところで店名の「cozi cozi.」とはどういう意味なのか!? お店の名前をググるとまず出てくるのがあのアニメのかわいいャラクターで(笑)、なんだかちょっと店主の晃司さんに可愛らしさが似ていなくもないが、それとはまったく関係なく、店主の名前が“晃司”ということ(これはなんとなく予想通り!)、それとイタリア語で“まぁまぁ”という意味からだそう(控えめですな、まぁまぁだなんて)。
もうひとつ、英語の”cozy”の居心地がいいという意味も含めて、この名前にしたのだそう。
鹿児島でははしご酒の文化が他の土地に比べ、昔から色濃く根付いているそうで、自分たちが生まれ育った土地のそんな文化をここ大船でも楽しんでもらえたらということで気軽に立ち寄って欲しいという気持ちも込めたと、晃司さん。
居心地の良さ、確かに。一度伺ったらまたすぐ訪れたくなる不思議な感じは、彼らのやわらかな笑顔と、いい感じの距離感。こちらが求めればさりげなく手を差し伸べてくれる、そうでなければ静かに見守ってくれるようなカウンターの居心地の良さにもあるような気がしました。
だからかな、この間なんて、約束の時間までに40分ほど時間ができたので、偶然1席空いているのをいいことにさっと2杯。さらにその後、みんなと飲んだ後にも同じ日にまた伺って、ちょっと飲みをしてしまいました。そうするとやっぱりパスタも食べたかったなーとなって、またすぐ行きたくなる。このループ! 居心地の良さって恐ろしい。もちろん、お酒も料理も最高なんですけれど。ひとりですから、その辺も大事だなと。
彼らのルーツの鹿児島の食材と地元鎌倉のものを気負いなく合わせた料理はイタリアンなんだけれど、カテゴライズしたくない自由さのあるもの。加えてお酒のメインは芋焼酎と自然派ワイン。型におさまることのない、自由なスタイルと鹿児島らしい南の空気を纏った彼らの料理とお酒の組み合わせにすっかりハマってしまいました。というわけで、しばらくは大船での途中下車が続きそうです。
cozi cozi.(コジコジ.)
所在地 神奈川県鎌倉市大船1-12-7
電話番号 0467-55-8272
営業時間 12:00~14:00・17:30~22:00(土曜、日曜、月曜)、16:00~23:00(火曜、水曜、金曜)
定休日 木曜
Instagram @cozicozi.24
赤澤かおり(あかざわ・かおり)
料理雑誌の編集部を経て、フリーランスに。料理と旅の編集者として活動。料理本のほか、30年以上通い詰めるハワイについての執筆、単行本編纂も多数。近著に「人生にはいつも料理本があった」(筑摩書房刊)、編著に「いざ、豊島屋」(KADOKAWA刊)。
Instagram @kaoriakazawa.akalohasunny
文=赤澤かおり
写真=榎本麻美
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