2024年フードライター白央篤司さんが各地で出会った美味しいもの5選 荻窪で買った酒まんじゅうは「忘れがたいおいしさ」
CREA WEB / 2024年12月17日 11時0分
料理を「作らない・作れない」ことに罪悪感を持っている人に贈る、フードライター・白央篤司さんの金言&レシピ。
どんなものであれ、作ろうと思ったそのこと自体が尊い。今晩はひと品、作ってみませんか?
2024年に買ってよかったもの
毎年12月は「今年買ってよかったもの、おいしかったもの」をまとめてご紹介しております。ああ、今年もいろいろ食べたなあ……! まず最初は、素敵なおつまみからいきますよ。
◆01 西荻窪「OKASHIYA Karhu」のマサラナッツとトムヤムナッツ
東京の西荻窪に『OKASHIYA Karhu』(おかしや かるふ)というスイーツ店があるのですが、こちら「お酒にも合う」お菓子がコンセプト。
「マサラカシューナッツ」と「トムヤムナッツ」にハマりました。どちらもスパイスとハーブの香りのきかせ方が実にいい。ふふふ、お酒に合うどころかビールが止まらなくなっちゃいましたよ。
お酒好きの友人への手みやげにもおすすめ。あと、「エダムチーズと塩のクッキー」もいいんだなあ。こちらは白ワインと合わせたい。
OKASHIYA Karhu
https://okashiya-karhu.com/
◆02 明石「魚秀」の魚の味噌漬け
年末年始はちょっとぜいたくしてお取り寄せを……なんて方に伝えたいのがこちら。兵庫の港町・明石(あかし)で出合った焼魚専門店「魚秀」の味噌漬けが最高でした。
明石といえば鯛が有名ですが、すずきもさわらも鮭の味噌漬けも実にうまかった。旨み濃厚だけどくどすぎず、塩気もほどよく、焼くだけで素晴らしいおかずになり、つまみになります。
焼いてる間からいい匂いが漂ってたまらないんだ。うちの猫がソワソワしてました(笑)。
魚秀
https://uohide.shop/
◆03 福島・いわき「長久保のしそ巻き」
知人が教えてくれた、福島はいわきの名産品「長久保のしそ巻き」。お漬けものです。
ほどよい細さに切られた大根にしそが巻いてあるんですが、さっぱりしててポリッとした食感もよく、香りもいい。塩気もくどくない。地元で長年人気というのに納得でした!
なんだか昨今、「うまい漬けもの」が食卓に欠かせなくなってきてます。
長久保のしそ巻き
https://www.nagakubo.net/
◆04 築地「天まめ」のてんまめ
たっぷりの煮豆に小豆、そして寒天を黒みつで楽しむ「てんまめ」、今年知ったものの中で忘れられない味のひとつです。豆って、おいしいんだなあ……と久しぶりに思わされました。
小豆、黒豆、白いんげん豆、赤えんどう豆の4種が詰まっていますが、特に白いんげん豆のねっとりした食感がいいんですよ。サクッと軽く、ほんのり磯の香りがする寒天との対比もよくて。
煮豆、寒天、黒蜜とすべてお店で手作りだそう。テイクアウトのみで通販はやられていないのですが、築地周辺に寄ったらぜひ。
天まめ
https://www.instagram.com/tenmame.fu/
◆05 荻窪「高橋の酒まんじゅう」
こちらも取り寄せなど出来ないものですが、東京は荻窪「高橋の酒まんじゅう」が忘れがたいおいしさでした。フカッとしつつなめらかで香りのいい生地に素朴な甘さのあんこが入った酒まんじゅう。郷愁を誘うおいしさとはまさにこのこと。
東京の荻窪みたいな都市部でこんな味わいがまだまだ作られているのですねえ。田舎のない都会育ちの人でも、味わったらきっと懐かしい気持ちになるんじゃないでしょうか。しかしまあ、皮とあんこのバランスが素晴らしい。いくらでも食べたくなってしまうおいしさでした。
午前中に売り切れることも多いようです。うーん、また食べたいな、荻窪まで行ってきます。
あと、今年は「コメダ珈琲店」のみそカツサンドにもちょっとハマったんですよ。意外なぐらいおいしくてねえ……! 試したことある人、あまりいなそうなので最後に書き添えておきたくなりました。ご興味あれば、ぜひ。
高橋の酒まんじゅう
所在地 東京都杉並区天沼3-1-9
電話番号 03-3220-2103
高橋の酒まんじゅう 宮前店
所在地 東京都杉並区宮前3-30-11
電話番号 03-5336-0225
さあ、今年もあとわずかですね。私の周囲ではのど風邪にかかっている人がやたら多いのですが、皆様は大丈夫ですか?
何かとせわしないこの時期、そして飲み会も多いこの時期、どうぞ体調管理お気をつけて。
ではまた、来年お目にかかります!
白央篤司(はくおう あつし)
フードライター。「暮らしと食」をテーマに、忙しい現代人のための手軽な食生活のととのえ方、より気楽な調理アプローチに関する記事を執筆する。近著に、卒業間近の美大生、就職したばかりの青年、保護犬猫60匹と暮らす女性、日本に暮らす韓国人男性、奥さんを亡くしてひとり暮らしの85歳の男性……などなど、18人の「きょうの鍋」と個人史を追ったノンフィクション『名前のない鍋、きょうの鍋』(光文社)がある。
https://hakuoatsushi.hatenablog.com/
文・撮影=白央篤司
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