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「七十二候」をテーマに据え心地よい五感への刺激と没入感あるダイニング体験を叶える特別なひととき【ザ・リッツ・カールトン京都】

CREA WEB / 2024年12月19日 11時0分


季節の食材を無駄にすることなく「始末の心」で料理に取り組む。

 京都の鴨川の畔、東山三十六峰を一望する抜群のロケーションに建つ「ザ・リッツ・カールトン京都」。ラグジュアリーアーバンリゾートとして“京都のためにつくられたホテル”は2024年に開業10周年を迎え、同年10月には「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」をリニューアルオープン。京都の「七十二候」をテーマに新たな設えで表現する新時代の料理は、五感をフルに刺激してくれる総合芸術といえるでしょう。


◆米を再評価し、米を中心とした料理へのアプローチ


コースの〆に登場する「天然茸のおじや」。米は京都の伏見産「いのちの壱」を使用。

「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」の指揮を執るのはヘッドシェフの井上勝人さん。京都の豊かな食の伝統に敬意を表し、生産者のもとへ足を運んで見極めた確かな食材を、1年を72に分けた季節を表す「七十二候」のリズムに即した料理へと昇華させ、移りゆく季節の恵みを反映したメニューを日々考案し続けています。


伝統と革新をシームレスに融合する哲学をもとに、進化し続ける井上勝人シェフ。

 東京・イタリア・スペインなどの名立たるレストランで腕を磨いてきた井上シェフが、今回のリニューアルで注目したのは「水」と「米」。水は京都の地下水をシェフ自らが毎朝汲み、米は伏見で育てられている「いのちの壱」をセレクト。コシヒカリの約1.5倍にもなる大粒の米は、甘くて香りも高く、粘りも弾力もあるのが特徴です。


鶏の出汁で炊く「天然茸のおじや」には富士山で採れる天然キノコも加わる。

「いのちの壱」は日本に900も存在する米の銘柄の中からシェフ自らが厳選。水はもちろんのこと炊き方にもこだわったうえで、日本料理の伝統的な味わいと、世界最先端の技術を融合させて、米本来がもつ多様な味わいを表現しています。

 日本が誇る食材、米を中心とした料理への革新的なアプローチは、伝統を重んじながら現代的な美食を追求する姿勢にも通じます。

 食材を無駄なく使いきるために創意工夫をこらし、調理の際に出る野菜の皮や種、茎の部分を乾燥させて、炒って粉にしたものをパン生地に加えて焼き上げる。これは京都に根付く「始末の心」や「食の循環」、「持続可能性」といった料理の考え方に繋がり、毎回加える乾燥野菜が変わることからも、オリジナリティ溢れる一品がうまれます。


調理の際に出る野菜の皮や種を乾燥、粉末にして加えるパン、フォカッチャは、毎回風味も異なる一期一会の味わい。

◆新たな内装は「伝統と継承」をテーマに五感を通じて楽しめる空間に


庭師の鈴木浩樹さんの職人技も加わり、季節ごとの設えで楽しませてくれる。

「シェフズ・テーブルby Katsuhito Inoue」の内装は、京都の禅寺の庭をテーマにデザインされています。足を踏み入れると、そこは京都ならではの美意識に満ち溢れた、まるで小さな庭園のよう。寺院で目にする石、苔、水、樹木、木の葉などの自然のエレメントや、庭の水面に反射する自然光の移ろいを、雪見障子や写し鏡の技法を用いることで繊細かつ洗練された特別な空間に設えました。

 洗練された空間は、床から天井に及ぶ細部にまでに至ります。重厚感のある天然の庵治石(あじいし)をテーブルトップに配し、木目の質感が美しいトチノキを壁から天井まで包むように使用することで、自然界のナチュラルな素材感を重視した造りを実現。

 訪れたゲストは目で見て香って素材に触れて、と五感をフル稼働させながら(同時にくつろぎながら)、井上シェフの美しく芸術的な料理を空間ごと体験できるのです。


木、石、花など自然界の要素がバランスよくコーディネイトされたテーブルに心和む。

◆京都の繊細な季節感を「七十二候」の“食”を通じて知る


海藻のメレンゲ、昆布締めにした自家製ジャージーミルクのリコッタに淡路産のウニがのる。ウニと乳製品を合わせることで、ウニ独特のカドが取れ、風味が増す。

「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」のリニューアル後すぐの10月初旬(初候)は二十四節気でいう「寒露」で、「七十二候」では第四十九候の鴻雁来(こうがんきたる)。朝晩の冷え込みが厳しくなり、ツバメと入れ違いに雁が北から渡ってくる頃で、「雁が多数飛来して、客人となる」と解釈する説もあるようです。

「七十二候」いずれのコースも、その時期の旬の食材を使い、京都の四季折々の美しさを盛り込んだ14~15品から構成されますが、ここからは、鴻雁来のコースからメニューの一部をご紹介します。


丹波の黒豆納豆に、ベルガモットをきかせた自家製の味噌を加えたペーストは大原のエディブルフラワーで彩り、焦がし野菜を練り込んだフォカッチャとともに供される。

アワビは蒸してから炭火で香ばしく焼き、肝と自家製ポン酢、レモンオイルで味わうイタリアンテイスト。花背産のマコモ茸もアワビと異なる食感で旨みが増幅される。

アワビは和歌山の由良産。

明石産の天然車エビは西京漬けにして焼き、エビの頭の味噌を加えたサンゴ色の薄焼き卵でくるむ。上賀茂産のトマトをドライにしたもの、赤柚子胡椒と白みそで味付けを。

レアに焼いた車エビは甘く、震える美味しさ。

琵琶湖の子持ち稚鮎を揚げてから黒文字で燻製に。ピンクのソースは、クラフトビネガーをエスプーマにしたもので、揚げた鮎の美味しさを引き立てる。

冷製パスタの焼き渡り蟹泡ソース。泡のソースにはトマトと昆布のエッセンスも加わり、混ぜながら食べるとえも言われぬ旨みが広がる。

鷹峯産の赤唐辛子を練り込んだ麺。

近江牛のフィレと2年熟成のきたあかりの黒味噌麹つつみ焼き。ソースは近江牛肉醤。メインの近江牛の火入れは、まず塩釜にしてオーブンで温めてから、炭火焼きに。シルキーなおいしさに悶絶。

 インパクトのある油脂に頼らず、昆布の出汁を活用し、発酵調味料の旨みや特性を随所に取り入れた料理の数々。それらがベストなタイミングで目の前に提供される幸せな時間が続きます。

 広く深く、ハイレベルな料理経験を積んだ井上シェフの料理はいずれも、ひと皿ひと皿がイタリアンや和食などといったジャンルで括れないクリエイティブなものばかりで、見た目にとてもシンプルながら、驚くべき手のかけようです。

 素材の見極めにはじまり、下ごしらえや火の入れ方、調味料もできる限り自家製をという料理に対する真摯な姿勢が、コースが進むにつれ強く感じられます。さらに、気さくでわかりやすい解説を聞けば“美味しい理由”が腑に落ちるのです。井上シェフの人柄の良さも含めて、必ずや心に刻まれる経験になるに違いありません。


デザートは城陽産のイチジク。右は焼き城陽イチジクのミニタルト。

井上シェフを中心にしたチームワークの良さが、特別で素晴らしい料理空間を成立させる。

 春夏秋冬、どの時期に訪れても発見がある京都。いつでも「七十二候」のいずれかに当てはまる京都の季節を「食」を通して感じてみてはいかがでしょう。

「シェフズ・テーブル by Katsuhito Inoue」

住所 京都府京都市中京区鴨川二条大橋畔 ザ・リッツ・カールトン京都1階
席数 8席
営業時間 18:00~(一斉スタート)
定休日 日曜、月曜
※営業時間、定休日は変更になる場合も
コース料金 35,000円(サービス料込)
メールアドレス Rc.kyoto.restaurant.reservation@ritzcarlton.com
予約・問い合わせ https://chefstable.ritzcarltonkyoto.com/

文=CREA編集部

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