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【新連載】聖夜にアガる! 東京駅を見下ろす高級ホテルのレストランで三ツ星シェフ監修のフライドチキンを齧りたい

CREA WEB / 2024年12月21日 11時0分


ラグジュアリーな空間で聖夜にフライドチキンという完璧な提案。

 フライドチキンとかけまして、クリスマスと解きます。その心は、どちらもアゲアゲでしょう! 町を彩るイルミネーションや、たいせつなひとへのギフト選びに心をときめかせながら「そろそろフライドチキンが恋しい季節」とひそかに肉肉もとい、わくわくしているご同胞のための短期連載、その名も「フライドチキン齧り隊」。

 肉を糧に生きる肉食系ライターの小寺慶子が、東京の寒い冬をアゲアゲ気分で過ごすことができる、フライドチキンが自慢のレストランをご紹介します!

 第一夜は、ギリギリクリスマスに駆け込み隊!


【第一夜】あの三ツ星シェフがレシピを監修! ホテル de フライドチキンの高揚感やいかに!?


東京摩天楼とフライドチキン。

 無類のフライドチキン好きであるが、初めてフライドチキンを食べたのはいつだったかまったく思い出せない。焼肉デビューの記憶はある。すき焼きやしゃぶしゃぶもあるし、焼鳥もある。なんならローストビーフも豚の丸焼きも(これが一番衝撃だった)“お食い初め”の記憶があるのに、フライドチキンはないのである。

 家族や友人にも初めてフライドチキンを食べた日のことを聞いてみたりするのだが、みな口を揃えて「そういえば、いつだろう」と言う。でも、たとえその初めての食体験が記憶にうずもれてしまっていたとしても、これだけはチキンと断言できる。

 私は、フライドチキンが大好きだ。

 高温の油で揚げられた衣のガリッとした香ばしさ、きらきらの脂をたたえたジューシィな肉に歯がめりこんだときの恍惚感、手指の汚れや口内やけどもいとわず食べ終えた後の達成感。


フライドチキンを頬張る「フライドチキン齧り隊」隊長近影。

 原稿が行き詰ったとき、私はフードデリバリーで某チェーン店のフライドチキンを頼むことを一種のストレス解消法としているが、それは骨付きの肉にかぶりつくという行為でしか得られない快感を本能が欲するからだ。単に骨付きの肉ならラムチョップでもT-ボーンステーキでもいいのだけれど、油で揚げた衣つきの肉であるということが重要で、こんなに頭を使っているのだから多少のカロリー摂取も必要だと自分に言い聞かせながら、フライドチキンを頬張るのは至福のひとときである。

ラグジュアリーなホテルでフライドチキン……?


「マルノウチ フライドチキン コーンブレッド ランチドレッシング」4,800円。サワークリームなどが入ったソースは味変に。素朴な甘みのあるコーンブレッドはチキンのスパイスとも相性よし。ピクルスまで美しい!

「丸の内のフォーシーズンズホテルがフライドチキンを出している」という噂を耳にしたのは、たしかコロナの真っ最中だった。以来、寝ても覚めても(というのは言い過ぎだが)そのことが頭から離れず、そうこうしているうちに時は流れ、先日やっと念願のフライドチキンとの対面の機会に恵まれた。


撮影が行われたコーナー席。新幹線のホームを見下ろす空間はファミリーのゲストからの人気も高い。公式サイトより。

 雨が夜更けすぎに雪へと変わりそうなくらい冷え込む、12月の丸の内。「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」といえば、先ごろ総料理長のダニエル・カルバート率いるフレンチレストラン「SEZANNE(セザン)」が、ミシュランガイド東京2025で三つ星を獲得して話題を集めたばかり。そして、同フロアのダイニング「MAISON MARUNOUCHI (メゾン マルノウチ)」で供される料理もダニエル氏が監修しており、なかでもフライドチキンは「MAISON MARUNOUCHI (メゾン マルノウチ)」のために作ったメニューだ。

 クリスマスのデコレーションが華やかなロビーを抜け、エレベーターで上階へ。サービススタッフに案内され、店内を奥へと進むと、眼前に東京駅の新幹線ホームをのぞむロマンティックな空間が現れる。

 席につき、まずはビールで乾いた喉をひと潤し。メニューを開くと、フライドチキンの文字が燦然と輝いて見える。

絶品フライドチキンには“鳥絶”なこだわりが!


纏う衣も繊細なフライドチキン。こちらはドラム。

 夕焼けに染まる東京の駅舎をうっトリ眺めていると、ほどなくして「マルノウチ フライドチキン コーンブレッド ランチドレッシング」が運ばれてきた。バスケットのようなかごに入ってくるのかと想像していたが、皿上に鎮座するフライドチキンの端正なこと。これぞホテルメイドの格というべきか。ナイフとフォークを使うか悩むところではあるが「フライドチキン齧り隊」的には、やはり素手でいただくことにしよう。


控えめに言って「サイ高」なのである。

 神々しささえ感じさせるフライドチキンをまえに、ドラム(脚)、とサイ(骨付き上腿)のどちらから食べるべきか少し悩む。私はビジュアルも含めてドラムが好きである。そして、好きなものは最初に食べる性分だ。

 手づかみで持ち上げたフライドチキンはしっかりと量感があり、ふんわりと鼻孔をくすぐるスパイスの香りに食欲スイッチがオン。ひと思いに齧りつけば、とぅるんと肉片がはがれ、しばしの咀嚼のあとに旨みの余韻を口中に残して胃の中におさまる。当然、陶酔。


至極ご満悦な隊長。

 日本では岩手県産の鶏を使用し、12時間ヴィネガー主体のマリネ液に漬けたものをパプリカなどのスパイスを配合した衣を付けて揚げ、さらに辛味スパイスの入った鴨脂で外はパリッと、なかはジューシィな食感に仕上げる。その愛情の深さ、思い入れの強さが感じられる味を噛みしめながら「今日が私のフライドチキン記念日」と心のなかで呟く。ともすれば、ぱさっとしがちなサイも見事な脂の潤みをたたえており、「サイ高!」のひと言。

「齧り隊」の抜カロリーのないオーダーセンスを見よ!


「ステークフリット オーストラリア産リブアイ(270g) カフェ ド パリ バター」9,000円。炭火でまわりをしっかりと焼き固め、ジューシィに、赤身の旨みがギューッと凝縮。

 フライドチキンを目当てにメニューを開いた「齧り隊」一行だったが、チキンに飽き足らず、ステークフリットも捨てがたいということで、思いきって両方オーダーしていた。デザートはバナナとドゥルセチョコレートのパノフィーサンデーでカロリー三本締めのやりたい放題である。


「バナナとドゥルセチョコレートのパノフィーサンデー」3,000円。見るからにおいし層! アーモンドのクランブル、バナナのコンポート、キャラメリゼしたピーカンナッツなどあらゆる食感、フレーバーを楽しむことができる。

 チキンの余韻の中、赤身肉の濃厚な旨みがほとばしるステークフリットも、添えられたフライドポテトの山の、デザートのパフェも平らげて、大満足。気がつけば、すっかり日が暮れた東京の景色を眺めながら、フライドチキンの記憶がしっかりとアップデートされたことを感じた四十路の冬であった。

クリスマスはテイクアウトするのもおすすめ!


ボックス入りのフライドチキン。ソースも付く。

 コチラの端正なフライドチキンは事前予約、店頭で直接ピックアップでテイクアウトもできる。オリジナルボックス入りなのでホームパーティの手土産にも最高なので、ぜひ予約してみてほしい。

MAISON MARUNOUCHI (メゾン マルノウチ)

所在地 東京都千代田区丸の内1-11-1 フォーシーズンズホテル丸の内 東京7F
電話番号 03-5222-5880
営業時間 7:00~10:00、11:30~16:15L.O.(アフタヌーンティーは18:00L.O.)、17:00~21:30L.O.
定休日 無休
https://www.fourseasons.com/jp/tokyo/dining/restaurants/maison-marunouchi


小寺慶子(こでら・けいこ)

フードライター、「フライドチキン齧り隊」隊長。雑誌の編集を経てフリーのライターに。得意ジャンルは肉全般。肉食系ライターとして様々な雑誌やWEB媒体で執筆するほか、テレビ等でも活躍。趣味はひとり焼肉とリアルミートリップ。

文=小寺慶子
写真=榎本麻美

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