「7歳の愛子さまは由莉を抱っこ」「亀や金魚も…」天皇ご一家のおそばにいた“生きもの”【猫の写真も話題】――2024年BEST記事
CREA WEB / 2025年1月2日 11時0分
2024年にCREA WEBで反響の大きかった記事を発表します。皇室部門の第3位は、こちら!(初公開日 2024年6月27日 ※記事内の情報は当時のものです)
現在、国賓として26年ぶりにイギリスをご訪問されている天皇皇后両陛下。先月話題を呼んだのが、天皇ご一家と動物たちの写真公開だ。あらためてご一家の歩みを振り返ってみると、雅子さま、愛子さまのおそばにはいつでも「生きもの」たちがいた。ご病気や学校の長期欠席などのお辛い時期を、そっと癒してくれる存在だったのだろう。
◆◆◆
愛子さま撮影の猫の「みー」が話題に
6月6日に宮内庁は天皇ご一家が飼われている猫の写真7枚を公開して、ご一家と「生きもの」たちとの生活が垣間見えた。
愛子内親王殿下が撮影なさったという、舌を出したユニークな表情をした「みー」(雑種・雄)。別の写真では、目の怪我で治療中のため保護具のエリザベスカラーを付けている写真もあった。
もう一匹の「セブン」(雑種・雄)も「みー」と同じ短毛のキジトラ柄と白の毛で、おすまししてカメラを真っすぐに見据えている。愛子さまの15歳のお誕生日の撮影でも一緒に写っていたお馴染みの猫ちゃん。遊具のキャットタワーに顎をのせているショットも実に可愛らしい。
写真は飼育経緯を紹介するように、赤坂御用地の東宮御所の近くに「みー」が初めて母猫と他の子猫3匹と現れて、餌を与えられているものも紹介。当時、小学3年生で9歳だった愛子さまは、そんな猫たちの様子をじっとごらんになっている後姿で写っている。
学習院女子中等科の長期欠席を癒した「セブン」との出会い
愛子さまは、母猫の名前を「人間ちゃん」(その後「人間」)と名付けた。性格が人懐こく人間の言葉が分かるような仕草をしたことが由来だったという。天皇ご一家は「人間ちゃん」と「みー」を飼われて、他の3匹はお友だちに引き取ってもらったそうだ。
その後も愛子さまは猫の飼い主のお友だちと猫の話をなさったり、写真を見せ合ったりして、猫たちの成長を見守っている。
3カ月の「セブン」との出会いは、愛子さまが15歳の時。愛護団体から動物病院を経由して、ご一家が子猫を引き取られることになった。
愛子さまは、セブンがビルの7階で見つかったことやラッキーセブンという言葉通り、多くの幸せを期待する気持ちを込めて名付けられた。
「その年は愛子さまにとっても激動の一年で、初となる公式式典にご出席なさった一方で、過度の疲労から、通われていた学習院女子中等科を長期欠席なさり、随分とお痩せになった。そんな時期に『セブン』という家族が増えて、お部屋の中でご一緒に過ごされることが多かった。辛い時間もあったと思われますので、動物たちには癒されたのではないでしょうか」(元侍従職)
雅子さまが縫われた幼稚園バッグの刺繍
今回、宮内庁が猫の写真を発表する前に、同じ写真を雅子皇后が4月の園遊会で現代美術家の横尾忠則氏ら猫好きの招待客に披露された。
「当然、記者会が写真の内容を紹介して欲しいという要望を出したことも発表に繋がった」(宮内記者)
天皇ご一家は、インスタグラムでの写真公開を始めとして、皇室のご活動の一部をオープンにしている。「生きもの」とご一家の写真によって、皇室がより身近なものに感じられるようだった。
振り返ってみると、ご一家の近くにはいつも「生きもの」たちがいた。愛子さまがご誕生なさった時には、すでに当時の皇太子ご夫妻は2匹の犬の「ピッピ」と「まり」(雑種・雄と雌)を飼われていた。2匹は両陛下に寄り添い愛子さまのご成長を側で見守ってきた。
愛子さまが学習院幼稚園のご入園にお持ちになっていた幼稚園バッグには、2匹の犬をモチーフになさった刺繡を雅子さまが縫われていたほどだった。
保護犬だった生後2カ月の「由莉」
2匹が死んでからは、2009年に捨てられて保護されていたという生後2カ月の「由莉」(雑種・雌)を動物病院から譲り受けた。
愛子さまは「まり」に響きが似た「ゆり」という名前を考えられて、後に漢字の「由莉」になさったという。
当時、新しい家族となった「由莉」を初めてご静養先の御料牧場に一緒に連れて行く際、7歳だった愛子さまは小さな体で一生懸命に抱っこなさっていた。まるで新しい家族を記者団や待機していた人たちにお披露目してくれているかのようだった。
愛子さまが小学校2年生から不規則登校になった時も、東宮職が犬のリードを引きながら一緒に登校した日もあった。「由莉」は今でもご一家の家族として大切に育てられていて、ご一家のお誕生日やご静養先などの撮影でも登場することは多い。
アイメイト協会の啓発ブースに足を運ばれてきた
皇室と「生きもの」の歴史は長く、陛下も皇太子時代に犬を飼われていたことがある。妹の黒田清子さんも学習院初等科の卒業文集で将来の夢について、
《盲導犬の指導員になりたい》
と記されたほどだった。
「飼われていた紀州犬の『千代』にも盲導犬の訓練を受けさせたり、盲導犬育成団体が主催するチャリティコンサートやイベントにも積極的に出席なさったりしていました」(元宮内記者)
愛子さまも、雅子さまがご療養中初期の頃に、動物介在療法のフォーラムに親子で初参加なさったことがある。犬がペットとして可愛らしいだけでなく、人間に与える数々の効果を学ばれている。後に「由莉」もセラピー犬としての訓練を受けて、医療施設などでアニマルセラピーの活動に参加している。
愛子さまは学習院女子中等科在学中から、大学生時代も毎年、文化祭などで行われるアイメイト協会の啓発ブースに足を運ばれてきた。介助はもちろんのこと災害地などでの救助犬としての活動や、福祉施設、病院でも癒し効果が体調の快復に繋がるといわれている人と犬との関係は、日本赤十字社で働く愛子さまにとってご関心の一つなのかもしれない。
家族の一員として安らぎと潤いを与えてくれる大切な存在
天皇ご一家と「生きもの」の生活について、雅子さまは2018年の結婚25年の文書回答の中で次のように述べている。
《家族皆で、犬、猫などの保護された動物を可愛がって育てたり、世話してまいりましたが、この動物たちも、家族の一員として安らぎと潤いを与えてくれる大切な存在》
愛子さまは幼い頃から、猫、犬以外にも亀や金魚、兔といったたくさんの「生きもの」たちと触れ合ってきた。これからも一つの命の尊さを大切になさっていかれることだろう。
文=友納尚子
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