完全室内飼いのニワトリが可愛い! 飼い主に聞く生活のリアル 「ベッドで一緒に寝起きしてます」――2024年BEST記事
CREA WEB / 2025年1月4日 11時0分
2024年にCREA WEBで反響の大きかった記事を発表します。アニマル部門の第4位は、こちら!(初公開日 2024年3月16日 ※記事内の情報は当時のものです)
愛らしい仕草をとらえた写真や動画がSNSで大人気の名古屋コーチンの雄鶏、コッコちゃん(5歳)。日々コッコちゃんの可愛さを発信する飼い主の板倉アユミさんに、コッコちゃんとの出会いや1日のルーティーン、鶏と一緒に暮らすことで味わう幸せや苦労などについて伺いました。
こんなに懐くことが意外だった
――コッコちゃんを飼い始めた経緯を教えてください。
5年前に、名古屋コーチンを引き取って飼ってくれる人を探している、という連絡があったことが始まりです。
元の飼い主さんはゴルフの景品として、まだひよこだったコッコをもらったのだそうです。可愛がって育てていたそうなのですが、想像以上に大きくなってしまった上に鳴き声に困ってしまったらしくて。そこで、うちで引き取ることにしたんですよ。
――当時の大きさは?
生後半年でしたが、重さは5キロ。うちで飼っているトイプードルよりもすでに大きかったです。
――それは大きい! 名古屋コーチンはそんなに大きいものなのですか。
雄の標準体重が4.5キロらしいので、名古屋コーチンの中でも特に体が大きいんだと思います。今はそこからさらに二回りくらい成長しています。
――どのように飼育環境を整えていったのでしょう。
最初は、家族ぐるみで自営業をやっている関係で、事務所の外に設置した小屋で飼っていました。ただ、いざ飼ってみると、暑さや寒さに弱いことがわかって。特に夏のあいだは熱中症にかかるんじゃないかとが気が気じゃなくて、小屋に扇風機を入れたりしていました。
もう一つ予想外だったのは、人間に懐くこと。最初の1カ月は嘴で噛まれたり、飛び蹴りをされたりして、血が出るような怪我もしていたのですが、慣れるとふだん世話をしている私のそばにいたがるようになりました。事務所で仕事するあいだ外に放していると、あとをついてきて事務所に入ってきちゃったり。
そうこうするうちに、暑い時期に台風の影響で事務所が数日間停電したので、家に連れて帰ったんですね。そこからはずっと室内で飼っています。
コッコちゃんとの1日のスケジュール
――コッコちゃんとの1日のスケジュールを教えてください。
ベッドで一緒に寝ているので、まず、朝一緒にベッドで目覚めます。やはり鶏なので、以前は朝6時頃に目覚めて鳴き出していたのですが、今は年齢的なものなのか、人間の生活スタイルに合わせてくれるようになったのか、朝早く鳴くことは少なくなりました。今は私と一緒に、朝7時のスマホのアラームで起きています。
目覚めたら、ケージの中に置いている餌を新しいものに交換します。ご飯は一度に食べるわけではなく、一日中、好きなときにちょこちょこ食べている感じです。
その後、私の身支度ができたら、車に乗せて一緒に事務所まで出勤します。勤務中は事務所内で放し飼い。私以外の人があまり出勤してこない事務所なので、特に仕事に支障はありません。
勤務時間が終わったら、一緒に家に帰ります。夕方になると眠いらしく、コッコはケージの中に入って一旦寝ます。夜11時頃、私が寝るときにコッコを抱っこして、一緒にベッドに入って寝るという感じです。
――板倉さんにとても懐いているというお話でしたが、何か甘えるような仕草はしますか?
構ってもらいたくなると、嘴で手をガリガリしたり、ツンツンしたりしてくるんです。一緒に寝ていても、自分だけ目が覚めるとつまらないのか、手やお腹をツンツンしてきます。 まるで犬や猫のように甘えてきますよ。
特定の遊びをするというよりも、私のそばにチョコンといるのが好きなんだと思います。SNSで知り合った鶏を飼っている方たちも、「雄鶏は甘えん坊だ」と言いますね。
同居ワンコとの相性は?
――板倉さん以外の家族との関係はどうですか?
鶏の性格や環境にもよるみたいなのですが、雄鶏を一匹で飼う場合、家族の中でも「この人」という人を一人決めて懐くケースが多いのかな、とSNSで他の鶏飼いの方と情報交換していて思います。
コッコもそうで、べったり甘えるのはお世話をしている私、たまにおやつをあげたりする母にはまあまあ懐いている、という感じ。男性は苦手なようで、父に対してはむしろ攻撃的です。
うちはトイプードルも3匹飼っているのですが、コッコより体が小さい2匹はコッコにあまり近づきませんね。体の大きい1匹は、よくコッコと体をくっつけて寝たりしています。 仲が良いというより、互いにほどよく無関心なようです。
――ちなみに、完全室内飼いだと、排泄物の片付けや、お風呂などが大変ではないですか?
「トリトレット」という鶏用オムツがあって、それを使っているので全然大変ではないです。布製のオムツ本体に袋を取り付けると袋の中にうんちが溜まる仕組みなので、数時間に1回、袋の中身を空にする感じです。1日に3、4回、中身を捨てていると思います。
お尻が汚れたら洗うことはありますが、基本的にはお風呂に入れる必要はありません。体の匂いも、干したての布団みたいな、いい匂いなので。
――他にも、日常的に行う必要があるお世話はありますか?
ご飯を食べるときに散らかすので、ケージのお掃除はときどきします。あとは、嘴が伸びてくるので、人間の爪に使うようなやすりでときどき削ったり。削らないと、人に当たったとき痛いし、ご飯も食べにくくなるんですね。
雄の場合は蹴爪という太い爪が足の後ろ側についていて、伸びると歩くのに支障が出るので、その処置をする必要もあります。処置の仕方は飼い主さんによって異なるのですが、コッコの場合は病院で短くカットしてもらっています。
他にも、体の大きい鳥は足の裏に「バンブルフット」というタコができやすいので、タコができていないか、ときどき足裏をチェックしています。
人間のご飯を食べたがる
――ご飯はどういったものを食べているのでしょう。
山一飼料株式会社さんの愛玩家禽用のごはんをあげています。おやつには小松菜やジャイアントミルワーム、時々果物をあげます。特にみかんが大好きみたいです。
――人間のご飯は食べたがるのでしょうか。
すごく食べたがります! 一度もあげたことがないのに、ガサガサとお菓子の袋の音がするとすごい速さで走ってくるんです。
鶏は何でも食べるという誤解があるようですが、あげてはいけない食べ物の方が圧倒的に多いです。パンを与えることでそのう炎という病気になることもありますし、一見あげても大丈夫そうなほうれん草やキャベツがダメだったり……何かあげるときは、必ず大丈夫かどうかを調べてからあげています。
――鶏を飼い始めて、予想外に大変だったことは?
鶏を診てくれる病院が少ないことですね。小鳥を診る病院でも、鶏は診たことがないので診られないと断られてしまったり。今は地元から高速道路に乗って1時間くらいかかる病院に通っています。
数カ月に1回の定期健診だけならそれでも構わないのですが、先日コッコに異常がないか、緊急で診てもらう必要が生じたときは気が動転しました。そのときは、たまたま通っている病院ですぐ診ていただけたのでよかったのですが……。
コッコを迎える前から、名古屋コーチンを飼っている方のブログやSNSを見て飼育の準備はしていましたが、病院の下調べはもっとしておけばよかった、という後悔は残っていますね。
――前の飼い主さんは鳴き声に困っていたというお話でしたが、鳴き声の問題は大丈夫でしたか?
うちの場合、一軒家で庭も広いからか、ご近所さんからの苦情もなく、その点は問題を感じていません。ただ、住宅街のような環境だとそうはいかず、実際、鳴き声が大きいという理由で雄鶏が捨てられてしまうこともあるようです。
実は捨てられることが多い、雄鶏
――雄鶏が捨てられることは、実は多い?
はい。鳴き声が大きいという理由の他にも、将来卵を産んでほしいと思って育ててみたら雄だった、といった理由で、雄鶏を捨てる人が全国であとを絶ちません。また、鶏同士を闘わせる「闘鶏」に使えなくなったという理由で捨てられることもあるようで、沖縄にある保護団体の「クックハウス」さんはそういった鶏を保護する活動をされています。
――そんな状況は改善されてほしいですね……。最後に、ペットとしての名古屋コーチンの魅力を改めて教えてください。
「鳥頭」という悪口があると思うんですが、鶏ってすごく賢いんですよ。人の顔も見分けるし、物の置き場所も覚えるし、車のエンジン音も覚える。 私と他の人の靴を見分け、私の靴以外をすべてひっくり返すといういたずらをしたこともありました(笑)。
お世話してくれる人のことも見分けて懐くので、うちに迎える話が持ち上がった当初は大反対していた母も、今や甘えん坊なコッコにほだされて、可愛がっています。
鳴き声や病院の問題さえクリアできれば、意外とペットとして飼いやすいし、何より賢くて可愛い。もっと多くの人に名古屋コーチンや雄鶏の魅力を知ってもらいたいですね。
文=CREA WEB編集部
写真=板倉あゆみ
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