「スイーツを通して猫のためになる活動もしたい」生まれた時から猫と一緒に過ごしてきたスイーツなかのが愛猫ロロと登場
CREA WEB / 2025年1月3日 11時0分
お笑い芸人さんに一緒に暮らすペットを紹介してもらう「お笑い芸人の“うちの子”紹介」。第38回は『CREA WEB』で「スイーツなかのの『よろスィーツ月報』」を連載中のスイーツなかのさん。
グレーのロロちゃん(メス、14歳)、白猫のフォルテ(オス、17歳)は、なかのさんが一人暮らしをするまで、実家で一緒に生活していた猫たち。なかのさんは生まれた頃から猫とともに暮らしてきたそうで、多いときは5匹いたとか。今回紹介いただくロロちゃんは、なかのさんがお母さまの車で取材現場まで連れて来てくださいました。
取材にも同行してくださったお母さま曰く、人見知りしないというロロちゃん。初めて来た場所で知らない人も多くいるため、最初は警戒していた様子でしたが、好奇心が勝ったのか、すぐにキャリーケースから出て来て、しっぽを機敏に動かしながら興味津々で室内を散策。部屋にあった椅子が気に入ったようで座ってくつろいでいました。
『CREA WEB』の「かわいいニャンGP」にもこっそり応募
――『CREA WEB』では、連載でおなじみのなかのさん。この連載は芸人さんに愛するペットについて語っていただくものなのですが、芸人さんという紹介で問題ないですか?
もちろんです! 僕は吉本興業の養成所NSC東京の16期生で、同期にはダンビラムーチョやゆにばーすがいるんです。3年前に吉本は離れたのですが、今いる事務所でもお笑いライブをやっていまして。そこに僕も出ていて、芸人としての活動も続けているので大丈夫です。
――ありがとうございます。『CREA WEB』の「かわいいニャンGP」という愛猫のかわいい写真や動画を募集する企画に、編集部に明かさず応募されていたそうですね。
連載をやらせてもらっていますけど、ガチで挑戦したいなと思い、弟の名前を借りて応募しました。けど、やっぱりグランプリってなかなか獲れないもんですね。応募すると必ず掲載してもらえるので、前回は今日連れてきたロロで応募しました。10年前から一人暮らししているので、実家に帰った時しか会えないんですけどね。
うちの子ベストショット①「いや、そこのマーキングいる?」
――ご実家では猫をずっと飼っていらしたんですか?
母が猫好きで、実家では猫をずっと飼っていました。いない時期もあったみたいですけど、僕は生まれてからはずっと誰かしらいます。生まれた頃はたまちゃんっていう白い猫が1匹いて、そのあとにレミっていうトラ猫がずっといて。その後、黒猫のムーと三毛猫のマーブルが来ました。で、その次に来た白と黒でトラ模様が入ってるナナっていう猫がロロの母親なんです。
ロロは僕が芸人になった頃に3匹産まれた中の1匹で、そのうち2匹はほかの方に育ててもらうことになりました。この子は、父が手元に残したいと言い出したんですよ。父はそこまで猫好きではなかったんですけど、飼い始めてから好きになったらしくて。で、名前は僕がつけました。なんとなくロロっぽいなということでつけたので、特に理由はありません。
うちの子ベストショット②「おもむくままに、なすがままに。」
今はこのロロともう1匹、17歳のフォルテが実家にいます。うちにいるのは育てられなくなって引き取ったり、保護したりした猫ばかりなんですよ。フォルテは母親がやってるピアノ教室の生徒さんが飼っていた子で、一緒に住んでいた彼女が置いていったらしくて。就職を機にどうしても飼えなくなったって相談されたんだよね?(母「捨てないでね?」って言ったのよ)で、引き取ったんです。
前いたと話した黒猫のムーは母のピアノの恩師が亡くなって貰い手がなかったので引き取った子。だから、子猫の頃からずっと一緒にいるのはロロが初めて。そういう意味でも思い入れがありますね。
――ロロちゃんが生まれた時のことは覚えていますか?
朝起きたら3匹生まれていてびっくりしました。ナナはこの子達にあんまりベタベタさせないお母さんで、近くに来ても子猫たちを突き放していました。だから、僕と弟2人が猫の遊び相手になっていて、家にいる時はよく遊んでました。
うちの子ベストショット③「ここぞとばかりに肉球」
――毛の色がすごく珍しくてきれいですね。
ロシアンブルーですかとよく聞かれるんですけど、雑種なんです。ほかの2匹は白と黒、白とグレーでトラ模様になっている子でしたけど、ちょっと珍しい色ですよね。
今までにいたほかの猫たちと比べると、ロロは警戒意識が少なくて懐く子で、好奇心旺盛。寝る時、布団の中に入ってきたりするのもかわいいですよ。5匹飼っていた時は布団の中に入る子もいれば、上に乗る子もいて。
当時は隣の家で飼ってた猫が勝手にベランダから入って来て、家の中でくつろいでいたこともありました。今は母が家族のグループLINEに猫たちの写真をよく送ってくれるので、それを見て癒されています。
うちの子ベストショット④「ずっと見ていられる構図」
――ずっと猫と一緒に暮らしていたのなら、一人暮らししても飼いたくなるのではないですか。
飼いたい気持ちはもちろんあるんですけど、今住んでいる家はペット不可なので飼えないんですよね。あと、飼ってしまったら1人暮らしがより居心地よくなって、パートナーが欲しいという気持ちがなくなってしまうんじゃないかなと思ったりして。実家にはこの子たちがいますし、今は縁があれば飼いたいなと思っているくらいです。
――なかのさんの思う猫のいいところは?
猫って一定の距離があるじゃないですか。で、気が向いた時だけ近づいてくる。そういう適度な距離間が僕は好きですね。家に帰っても迎えに来てくれるわけではないですけど、寒いと布団の中に入ってくる。そういう自由さも猫らしいですよね。あと、何かを捕まえに行く時の姿勢とか所作が美しい。
今は飼えないですけど、猫のことは見ていたいし、触っていたいという気持ちはやっぱりあるんです。住んでいるエリアは地域猫が多いので、家のベランダから見える物置の上に、朝、日向ぼっこにやってくる猫を眺めたりできるのは嬉しいですし、SNSでも猫の動画をいろいろと見てしまいます。空間のどこかにいてくれたらホッとするし、僕の中で猫が占めている割合は多いんですよね。
――ただ、多くの猫を飼ってきたということは、その分、別れも経験してきたということですよね。
そうですね。たまちゃんは25年と、表彰状もいただいたくらいの長生きでした。最近だと、この子の母親のナナが亡くなってしまって……。ちょっと危ないかもなぁみたいな時は、僕も弟たちも実家に集まりました。その前に黒猫が亡くなってしまったんですけど、そろそろヤバいかもという時に家族全員が集まったら、みんなの顔を見て元気が出たのか、そのあとちょっとだけ寿命が伸びたことがありましたね。
祖母が危なかった時には、レミという猫が亡くなって、身代わりになってくれたのかなということもありました。(母「レミが身代わりになってくれたのかなと思うんです」って獣医の先生に言ったら、「そうですよ」って。「そういうことあるんですか?」と聞いたら、「猫は飼い主の身代わりになるんですよ」って言ってました)……まぁ、本当かどうかは別として、そういうことを聞くと動物ってすごいなと思いますよね。祖母は家で看取ったんですけど、祖母の布団の上にロロたちが座っていて。寒いからいただけかもしれないけど、見守ってくれたのかなと思いましたね。
うちの子ベストショット⑤「特等席は譲らない」
――ロロちゃんも長生きしてほしいですね。
できれば長く一緒にいてほしいですね。死というのは、いつかは来るものですけど、辛いものは辛いですからね。もう1匹の猫は腎臓が悪いので、腎臓がよくなる薬も早く開発されてほしいです。これは猫を飼っている人たちみんなの願いですよね。
これは誰かが言ってたことなんですけれど。当たり前のようにヒトはペットを飼っているけれど本能としては必要のない行為だと聞いて、たしかにそうだなと。となると、ペットを飼うってどういうことなんだろうと考えるんですけど…やっぱり支えになってくれる部分が大きいなと思います。
うちの子ベストショット⑥「猫吸いで疲労回復」
――『CREA』2024年夏号「猫のいる毎日は。」では、猫に関連するスイーツを紹介されていました。
あの企画、声をかけてもらえてすごく嬉しかったです。猫をモチーフにしたスイーツって結構多いんですよね。
――カテゴリーに沿ったスイーツを紹介していた中に、「ぽっちゃり猫」っていうカテゴリーがありましたよね。ペット連載の担当者が「猫をイメージしたときにぽっちゃりという項目が思い浮かぶのは、なかのさんがそういう猫が好きだからではないか」と考察していました。
あぁ、それは当たっています(笑)。猫って、まぁるいほうがかわいいじゃないですか。ロロは……ぽっちゃりではないのかな? ちょっと大きくてふっくらしてますけど、こういう猫のほうがかわいいなとは思いますね。
和猫が好きというか、こういう子しか飼ったことがないからそう思うだけかもしれないですけど、ふっくらしている猫のほうが親しみを感じますね。
うちの子ベストショット⑦「母のお手製『猫ボード』は誰か潜っている知らせです」
――ふと疑問に思ったのですが、猫用のスイーツってあるんでしょうか? 犬は誕生日ケーキでお祝いしたりしますけど、猫は聞かないですよね。
たしかにそうですね。猫は犬のようにいろんなものを食べるわけじゃないし、それぞれ好みの差が激しいからないんじゃないでしょうか。ただ、スイーツを通して猫のためになる活動をやってみたい気持ちはあります。猫好きなパティシエも多いので、ヒトが食べるスイーツで猫関連の活動に寄付できるようなものを一緒に作ってみたいですね。
――では、なかのさんにとって――もしかしたら今まで一緒に暮らしてきた全ての猫に共通するかもしれないですが――ロロちゃんはどんな存在ですか?
今、自分では飼ってないですけど、近くにいて気になるというか常に頭の片隅に置いている存在ですね。猫は何もしなくていいんです。ご飯を食べて寝てくれて、そばにいてくれるだけでいい。求めることは何もないけど、そばにいてほしい。僕にとってそういう存在です。
スイーツなかの
東京都立川市生まれ。早稲田大学卒業後、吉本興業に所属。子どもの頃から好きだったお菓子を独学で勉強し、唯一無二のスイーツ芸人として活動をはじめる。10年間吉本で活動後、特注のパンケーキハットをトレードマークに幅広く活躍中。老舗からコンビニまで多ジャンルの和洋菓子を一万種類以上食べ歩き、その確かな知識と情報で「林先生の初耳学」「メレンゲの気持ち」「スクール革命」など多数のテレビ番組に出演。西武渋谷店では自ら企画した催事「奥渋ギフト」を開催、行政と取り組んだ監修商品を発売するなど、幅広いシーンで活動中。
Instagram @yorosweets
X(Twitter) @yorosweets
文=高本亜紀
写真=スイーツなかの
撮影=鈴木七絵
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