3時間のメイクの末…甲斐翔真のヴィジュアルに、井上芳雄も思わず「可愛いじゃん」
CREA WEB / 2024年12月29日 11時0分
ミュージカル俳優だったら“喉から手が出るほどやりたい役”を片っ端から無双中の甲斐翔真さん。2024年は『イザボー』を皮切りに、『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』、そして『next to normal』と休むことなく話題作に出演、どの作品でも高い評価を得ています。そんな甲斐さんが次に射止めたのはミュージカルの大作、『キンキーブーツ』のローラ役。出演への思いを語っていただきました。
“まだ開かれてないトビラ”を開くのが、このローラという役
――オーディションに参加されたとのことですが、ローラ役が決まったときの心境を聞かせてください。
『キンキーブーツ』は初演から見させていただいていて、どれだけ人々に愛されているのかも知っていましたし、ローラという役が難しい役だというのも理解していたので、そういった意味では挑戦的な気持ちでオーディションを受けました。
いざ受かったら、「ああ、この切符が手元に来たんだな」という喜びはありましたが、覚悟を決めるような瞬間でもありました。
――別のインタビューで、ご自身の思い描いているローラ像とご自身が違うとおっしゃっていたのですが、どんなローラ像を描いていらしたのでしょう。
いちファンとして過去に演っていた(三浦)春馬くんや(城田)優さんのローラを観たときに、「今までやってきた僕の役にはなかった」と思ったので、ローラを演じるには、僕のまだ開かぬトビラを開いていく必要があるなと。
だからこそ、自分がやるとなったときは「あんなふうに人々を魅了していたあのローラを、僕が出来るだろうか」という思いが先に生まれましたね。
――甲斐さんが考えるご自身のイメージはどういったものですか?
たぶん皆さんは僕のことを「ミュージカルオタクで、まっすぐに役と向き合った、夢を言葉に出して叶えていく」みたいなイメージをお持ちなんじゃないかと……(笑)。
それもそうなんですが、僕自身はわりと楽観的なところがあります。だからこそまっすぐ進めてきているのかもしれませんし、共演者の方々にも物怖じせずに接しているので、あんまり他にいないタイプなんじゃないかと思います(笑)。実際にそう言ってくださる方もいらっしゃいますし……。自己分析って難しいですね。
――ご自身ではどのようにローラという役を解釈して、どういうふうに演じようと思っていらっしゃいますか?
ローラ、もといサイモンは、ドラァグクイーンという世界で自分の可能性を開花させた人だと思っていて。人には、自分の居場所を見つける瞬間ってあると思うんです。これを身につけた自分は最強だ、と思える瞬間が。
“俳優・甲斐翔真”の人生とローラの人生を照らし合わせたとき、僕はドラァグクイーンをやったことはないですが、そういう自分の居場所を見つけるような“瞬間”を共感させていって、結果的に表現に繋げていけたらいいなと思っています。
――ご自身の居場所を“ミュージカル”というところに見つけた甲斐さんが、ローラとリンクするところもあるのではと思います。
そうかもしれないですね。いろんな公演を今までやってきましたが、何十公演に1回、とてつもない公演があったりするんです。その瞬間は、何もかも忘れて幸福に満ちあふれるというか……。それが好きで、僕も芝居をやっているので、きっとローラもそういった瞬間を求めて、サイモンでは叶えられないことをローラで勝ち取りに行っているのだと思います。そんな構図はリンクしているかもしれません。
――ローラを演じるための準備として、体づくりにも挑戦されましたか?
ファンの方はもしかしたら薄々気づいていらっしゃるかもしれませんが、1、2年前とはかなり体型が変わっているんです。
ローラは元ボクサーという肩書なので、そこは忠実にやりたいと思っていて。ローラの迫力とかパワー、そして“えぐみ”は、キレイで妖艶な格好とは真逆の男らしい体つきというところにもあると思うので、そこも意識しています。というわけで、照準は来年の4月に合わせてあります! 体づくりはジムに通って行っています。
自分の居場所を探すというテーマに挑みたい
――『キンキーブーツ』を知っていくなかで感じた本作の魅力を改めて教えてください。
『キンキーブーツ』のテーマはとてもストレートで、皆が共感しやすいものだと思っています。自分の考えを変えることで世界が変わる、自分の輝ける場所が見つかるというのがテーマ。
ただ、どれだけそのテーマを皆さんに染み渡らせることができるか、というのが重要だと思っています。単純に「ドラァグクイーンの話なんだ」で終わらせない。そこだけを捉えるのではく、傷ついている人たちがいて、そこから這い上がろうとする葛藤などもきちんと伝えていきたい。素敵なテーマを塗りつぶしてしまわないように、というのは今のうちから考えています。
――前作にご出演された小池徹平さんや城田優さんなどにアドバイスをもらったり、お話されたりはしましたか?
優さんからは「翔真らしくやったら、絶対に大丈夫」って言ってもらいました。
徹平さんとは、実はコンサートで『NOT MY FATHER'S SON』を一緒に歌う機会があったんです。あの曲はチャーリーにとって、ものすごく大事な曲。ローラが初めて他人に、サイモンとして吐露する“本当の自分”、心の中にあるものを歌っている曲だから「すごく難しいよね」という話をさせていただきました。徹平さんからは「内容の“詰めがい”のある曲だから、楽しんでね!」と言っていただきました。
――ダブルキャストは同じ事務所の松下優也さんです。松下さんが演じられるローラはどんなふうになりそうですか?
優也さんとは先日取材日でご一緒しました。強気で勝気なオーラがある方だと思っていましたが、一方ですごく繊細なセンスをお持ちで、ローラの繊細なところをどのように表現されるのか楽しみです。
優也さんのローラはキレがあるでしょうし、妖艶そうだなと想像しています。体の動きなどもすごく勉強になると思います。
あとは、歌声。アーティストのルーツを持っている方なので、シンディ・ローパーの楽曲をどういうふうに歌うんだろうと、僕自身も気になっているところですし、きっとファンの皆さんも気になっているはずです(笑)。
――甲斐さんはミュージカルのご出演も多いですし、歌唱という面ではグングンと実力を伸ばしていらっしゃると思いますが、シンディ・ローパーが作った楽曲を歌ううえでの課題はありますか?
『キンキーブーツ』の初代ローラはビリー・ポーターさんが2013年にオリジナルキャストとして演じられていて、僕の中では深い声で歌う曲だという認識があります。今までそういった楽曲があまりなかったので、すごく僕も楽しみにしているところです。
曲の印象は僕の声にフィットしているというイメージがあるので、ここからどうお芝居やその曲に色を付けていくかという部分が楽しみで……。もう、楽しみなことだらけですね(笑)。
――『キンキーブーツ』のヴィジュアル撮影の様子を映したリールをInstagramで拝見しました。裏話などあれば、ぜひ教えてください!
準備だけに3時間かかったんです! これまでの人生で、3時間かけてメイクしたのは初めてでした。
ヴィジュアル撮影はまだ『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の公演中だったのですが、劇場で(井上)芳雄さんに会ったんです。「可愛いじゃん♡」と言われて、どう反応したらいいか分からなかったです(笑)。
甲斐翔真(かい・しょうま)
東京都出身、1997年11月14日生まれ。2016年に『仮面ライダーエグゼイド』のパラド/仮面ライダーパラドクス役でデビュー。初舞台を踏んだ2020年の『デスノート THE MUSICAL』以降、同年に『RENT』のロジャー役、翌年は『マリー・アントワネット』のフェルセン伯爵役、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のロミオ役(主演)、『イザボー』『next to normal』などに出演、ミュージカル界でスターダムを一気に駆け上がる。2022年~23年にかけてはミュージカル『エリザベート』にてルドルフ役に抜擢。2023年~24年の『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』ではクリスチャン役をWキャストで演じた。25年は『キンキーブーツ』のほか、10月に『マタ・ハリ』に出演予定。
文=前田美保
写真=佐藤 亘
ヘア&メイク=木内真奈美(オティエ)
スタイリスト=山本隆司(style³)
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