アート&カルチャーが溢れる【アメリカ西部の旅①】街中のストリートがまるでギャラリー! 日本から直行便のあるコロラド州デンバーへ
CREA WEB / 2025年1月13日 11時0分
アメリカ本土の旅先といえば、すぐ思いつくのはニューヨークやLA・サンフランシスコ。実は意外と知られてないけれど、アメリカ西部にあるコロラド、ニューメキシコ、アリゾナの3つの州は、西部開拓時代の雰囲気やネイティブアメリカンの文化が今も残り、THEアメリカが味わえます。
そんなアメリカ西部の3州を公共交通とシェアライドで回った旅を紹介します。第1回は、日本からのゲートウェイでもあるコロラド州デンバーへ。
空港から鉄道で市内へ。歩いても回れる街、目抜き通りには無料シャトル!
東京・成田からユナイテッド航空の直行便で、行きは約10時間40分で到着するコロラド州の州都デンバー。ロッキー山脈はじめ緑豊かな国立公園などここから大自然の旅へ出るという人も多いですが、西部開拓時代から栄えたデンバー自体も歴史を感じられる町並みと斬新なストリートアートなどが同居する実に魅力的な街です。
空港からダウンタウンのユニオン・ステーションまでは鉄道で一本。快適な車両で約37分、片道10ドルで行けます。ユニオン・ステーションから公園やコロラド州議事堂も近いコロラドシビック・センター・ステーションまで、街の目抜き大通り16thストリートには無料のシャトルバス「フリーモールライド」が走っています。
停車場は1ブロックごとで乗り降り自由。朝の5時台から夜中の12時過ぎまで3~15分間隔で運行しています(現在工事中のためカーティスストリートから先、15thと17thを迂回運行中)。
ゴールドラッシュの面影と流行の先端、おしゃれなラリマーストリート
ユニオン・ステーションから歩いて10分程度のラリマーストリートあたりは、19世紀半ばにゴールドラッシュにわいたデンバーの面影を残すヴィクトリア調の歴史的な建物が並びます。今は、最先端のショップやレストラン、カフェなどが入って、町歩きが楽しいエリア。
デンバーのフーディが集まるおしゃれなレストラン「Rioja リオハ」は、洗練された地中海料理と選りすぐりのワインが楽しめるお店。素材を一段と引き上げるおいしさで、料理のアカデミー賞と言われるジェームズ・ビアード財団賞の南西部ベストシェフ賞に輝いたのもうなづけます。
ディナーのシグニチャー「タコのグリル」は、香ばしくグリルした肉厚のタコがステーキのよう。トマトやパプリカをベースにしたスパイシーなブラバスソースとともに(36ドル、ハーフポーションもあり)。ブランチやランチなら20ドル以下のメニューも楽しめます。
Rioja(リオハ)
所在地 1431 Larimer St, Denver, CO 80202
電話番号 303-820-2282
https://www.riojadenver.com/
ツアーで見て回る、街を変えたデンバーのストリートアート
ぜひ訪れたいのが、デンバーのダウンタウンの北、リバー・ノース・アート・ディストリクト、通称「RiNoライノ」。かつての工場地帯の建物の壁一面にグラフィティ(壁画)が描かれ、ストリートアートに溢れたエリアです。ダウンタウンからシェアライドを利用して、5分10ドル程度。
ライノの壁画は、街や建物のオーナーも支援をしてアートイベントとなり、今や国際的にも知られるようになっています。壁画が工場地帯だったこのエリアをおしゃれでトレンディなエリアへと塗り変えていったようです。
日系、韓国系、中国系などダイバーシティに富んだアーティストたちによるメッセージ性のある作品も多いので、アーティストや街の説明を聞きながら効率よく1時間ほどで回れる「Discover Denver Tours」が、おすすめ(35ドル~)。
個性的なブティクやカフェ、バーなどをのぞきながら、最後に訪れたのはデンバーの一番古い醸造所「オデル(Odell)ブリューイング」の「ファイブ・ポインツ・ブリューハウス」。冷涼な気候で水のきれいなコロラドは、クラフトビールの名産地。タップで楽しめる新鮮なビールは、1パイント(16oz)8ドル。4ozの6種を選んで試せる「テイスティング・フライト」(24ドル)がいろいろ味見できておすすめです。
オデル・ブリューイング・ファイブ・ポインツ・ブリューハウス(Odell Brewing Five Points Brewhouse)
所在地 2945 Larimer St, Denver, CO 80205
電話番号 720-795-7862
https://www.odellbrewing.com/locations/fivepoints/
“古さ良きこそ新しい魅力”と感じさせられたデンバーの街
宿泊は、ネイバーフッド(地元エリア)のストーリーをテーマにするライフスタイルホテル「ホテル インディゴ・デンバー・ユニオンステーション」がおすすめ。ここでもゴールドラッシュや西部開拓をモチーフにしたモダンアートが飾られています。宿泊者には、近くのレストランでの無料アぺタイザーや割引などを提供する地元コラボや、無料貸出し自転車もあり、気軽に街に繰り出すこともできます。
ホテル インディゴ・デンバー・ダウンタウン−ユニオンステーション(Hotel Indigo Denver Downtown-Union Station)
所在地 1801 Wewatta St, Denver, CO 80202
電話番号 303-623-4422
https://www.indigodenver.com/
駅から徒歩5分の快適なホテルで過ごした出発の朝は、ユニオン・ステーションの中にある朝食とブランチの人気店「スヌーズ・アン・A.M. イータリー」で、アメリカらしいブレックファストを。クラシック(ベーコン、エッグ、ハッシュ、トースト13.5ドル)、パンケーキフライト14.75ドル。ベーコン入りブラディ・メアリー(ウォッカとトマトジュースのカクテル)9.95ドル。ウィークデーには10ドルのセットも登場。
スヌーズ・アン・A.M. イータリー(Snooze, an A.M. Eatery)
所在地 ユニオン・ステーション駅舎内
電話番号 303-825-3536
https://www.denverunionstation.com/locations/snooze-an-am-eatery/
ライマーストリートや工場地帯の跡地をアートスポットに変えたライノ、そしてこのユニオン・ステーションなど、古い建物を活かした街並みが新しい魅力を発信しているデンバーは街歩きが本当に楽しい。もっと街中を探訪したいと後ろ髪を引かれつつ、次回はネイティブアメリカンとヒスパニックが交流するカルチャーやアートが魅力のニューメキシコ州サンタフェをご紹介します。
ブランドUSA
https://www.gousa.jp/
コロラド州政府観光局
https://www.colorado.com/
小野アムスデン道子
ロンリープラネット日本語版の立ち上げより編集に携わったことから、ローカルグルメや非日常の体験などこだわりのある旅の楽しみ方を発信するトラベル・ジャーナリストへ。エアライン機内誌、新聞、ウェブサイトなどへの寄稿や旅番組のコメンテーター、講演などを通して、次なる旅先の提案をしている。日本旅行作家協会会員。
X https://twitter.com/ono_travel
文・写真=小野アムスデン道子
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