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長野県・湯田中温泉郷のシンボルが再生オープン! 全5室のスモールラグジュアリー温泉宿「松籟荘」

CREA WEB / 2025年1月21日 11時0分

伝統を受け継ぎながら生まれ変わった数寄屋建築の温泉宿


外観などの姿は以前と変わったが、館内の随所に「旧・松籟荘」の意匠を再現している。

 “また、ここで、心ゆくまで”……。そんなメッセージを掲げ、再生リニューアルオープンした、信州湯田中温泉の「松籟荘(しょうらいそう)」。

 ここは江戸時代(寛政年間)より200年以上に渡って湯宿を営む、「萬屋傳蔵(よろづやでんぞう)」による、3施設目となるスモールラグジュアリー宿だ。


チェックイン時には、ヴィンテージ家具が配されたロビーラウンジで、料理長手作りの和菓子が振る舞われる。

ツインベッドを配した和洋室スイートの例。純和室スイートと和洋室スイートの2タイプがある。

 木や畳の香しい匂いに包まれた全5室の数寄屋造りの客室は、杉皮の網代(あじろ)天井や籠目編みの壁板など、地元の職人たちの技の結晶といえる空間だ。さらにアンティークの松本民芸家具やリメイク照明などを配することで、温もりに満ちた居心地のよさを演出している。


客室露天風呂の一例。1~2階の客室すべてに坪庭が設けられている。坪庭を望むゆったりとしたテラスへ出ると、心地よい風が通り抜ける中で贅沢な湯浴みができる。

 全室かけ流しの温泉付きというのも贅沢な趣向だ。自家源泉である天然温泉かけ流しの檜の露天風呂と、四季折々の景色を楽しむことができる坪庭を設け、自然と一体となる日本の建築美を愉しみながらの湯浴みが叶う。

 ちなみに隣接する姉旅館の本館「よろづや」は3つの源泉を有し、そちらの大浴場を利用することも可能だ。


夕食のイメージ(写真は秋の献立例)。献立は月替わりで、季節の旬素材を取り入れた料理が味わえる。

 四季折々の信州の風土と文化を活かした料理は、長年日本大使館などで腕を振るっていた料理長の井上邦彦氏のもと、細部までこだわり尽くした五感に響くメニューが並ぶ。

 夕食は、長野県の豊かな食材をふんだんに使用し、丹精込めて創り上げる月替わりの和会席。そして朝食には、季節の恵みをたっぷり詰んだ三段の重箱が供される。

 客室タイプによって部屋食または個室食事処での食事となるので、好みに合わせて客室選びができる点もうれしい配慮だ。


隣接する「よろづや」の大浴場「桃山風呂」も、「旧・松籟荘」と同じく国の登録有形文化財として認定されている。「松籟荘」の宿泊客は「よろづや」の大浴場も利用可能。

 さて、姉旅館の本館「よろづや」の離れとして、五代目館主が「旧・松籟荘」を増設したのは1939年のこと。2003年には、国の登録有形文化財として認定された数寄屋造りの建物は伝統と風格を持ち合わせ、湯田中温泉のシンボルとして多くの人々に愛されてきた。しかし残念ながら、2021年に「旧・松籟荘」は火災により全焼。

 いっときの間その美しい姿は消えてしまったものの、再建プロジェクトが発足。3年のときを経て、2024年3月に新生「松籟荘」は堂々のオープンを果たしたのだった。


館内のそこここに、熟練の職人たちの技と丁寧な手仕事を見ることができる。

 新生「松籟荘」では、館内に「旧・松籟荘」の意匠を再現し、調度品の一部は「旧・松籟荘」で使用していた物と同じデザインで制作。さらに本物の素材にこだわり、手仕事の美を追求。訪れるゲストを日本建築の美の世界へと誘ってくれる。

 建築・食・温泉。日本の伝統を継承する「松籟荘」は、落ち着いた休日を過ごすことができる大人のための宿として、今後も多くの人に愛されて歴史を刻んでいくに違いない。

松籟荘(しょうらいそう)

所在地 長野県下高井郡山ノ内町平穏3071-1
電話番号 0269-33-2114
https://shoraiso.com/

文=立花奈緒(ブレーンシップ)

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