【遅いが熱いぞ! 2024紅白レポ】復活組の誘惑にお手上げ。ウルトラソウルに全茶の間が飛んだ2024紅白に乾杯!
CREA WEB / 2025年1月24日 11時0分
「一月往ぬる 二月逃げる 三月去る」という言葉がある。正月から三月までは時間があっという間に過ぎる、という意味だ。わかるッ。私も今まさに思っている。「もう紅白歌合戦を見てから1カ月近く経ったの? 早ッ」と。B’zの「ultra soul」でハイッと飛び上がったのが昨日のことのようだ。
ああ、目をつぶるとメリーゴーランドのように紅白の名シーンが巡る。そもそも今回は11月19日の出場歌手発表から熱かった。「THE ALFEE出るの! GLAYも!? ちょ、南こうせつにイルカさん!? 髙橋真梨子も復活うぉぉ!!」
ヨッシャヨッシャとパソコンの前で乱舞し膝を強打し、1カ月という時間をかけてどうにか冷静さを取り戻したのに、NHKは容赦なし。12月25日、B’z出演決定のお知らせがクリスマスプレゼントフォー・ユーとばかりに届いたのである。
FBIから超スゴ腕の交渉人をスカウトでもしたのか!? とにもかくにもここ数年で一番ドストライクだった紅白。すっかり日が経ってしまったが、こんなん、何度思い出してもいいですからね(ミルクボーイ風)! 特に印象的だったアーティストを振り返っていきたい。(敬称略で失礼します)
【前半】10周年グループのあの人に恋をした!
名曲「切手のないおくりもの」に乗ってオープニングからフルスロットル! GLAY・TERUのカメラ目線で手ピストルバッキュンポーズ、バービー人形な椎名林檎ともも、司会の3人有吉弘行、橋本環奈、伊藤沙莉がお辞儀をするたびに真後ろにいるTHE ALFEEの3人がもれなくドアップで映る「司会からのTHE ALFEE、3めくりスタイル」など、濃厚な絵面に早くもSNSが沸いた。
●ME:I「Click」
挨拶で使ったハンドマイクが回収されないまま曲に移るも、「これも小道具です」とばかりに堂々と歌い踊るリーダー、MOMONAさんの貫禄よ。さすがアイドル人生二周目だと唸る。
●こっちのけんと「はいよろこんで」
まあるい笑顔と超高速ステップ、リズミカルな歌詞、アミアミのベストが限りなくナイス! オロオロしながら一緒に踊るTHE ALFEEの桜井、石川さゆりにほっこり。
●Da-iCE「I wonder」
もう10周年とは知らなんだ! しかも歌のうまさは認識していたが、全員こんなにスペシャルキュートとは……。特に金色の短髪の彼、笑顔の威力に鍋を食う手が止まる。今回の「紅白でいきなりフォーリンラブ」枠。
●放送100年特別企画「歌って踊ろう! KIDS SHOW」の「パプリカ」
Number_iの平野紫耀がマンガのように飛び跳ね、Mrs. GREEN APPLEの藤澤涼架がムチウチを心配するレベルで首を曲げ踊る姿が微笑ましい。この曲は人を幼子に戻すサブリミナル効果でも仕込まれているのだろうか。
●新浜レオン「全てあげよう」
所ジョージと木梨憲武が応援するだけあり、歌声も表情もまぶしいほどに陽キャラ。「膝スライディング(膝スラ)」という摩擦どんとこい的新技&西城秀樹リスペクトも好感度大だ。令和の歌謡界を照らしてほしい。頑張レオン!
●山内惠介「紅の蝶」
アルコ&ピース、とにかく明るい安村、もう中学生がダンサーで参加。ドッと心配になったが、長年紅白を盛り上げてきた花柳糸之社中がしっかりフォロー。客席の通路を使っての舞が美しくてアッパレ!
●tuki.「晩餐歌」
父親に出世払いするからと頼んでこの曲を出したというエピソード、70年代を思わせるフォーク声、歌い終わった後の15歳らしい素朴な受け答え。私の好みフルコース! すくすく育ってほしい。
●水森かおり「鳥取砂丘~紅白ドミノチャレンジSP~」
スターターを任されたスケードボードの堀米雄斗選手は、前回の堺雅人同様、気の毒なほど緊張されていた……。しかし無事に指チョンを決め、3万6千個のドミノが倒れ、二十世紀梨、松葉ガニ、名探偵コナンという鳥取の三大名産品が姿を現した。そのなかで朗々と歌唱する水森の姿は、貫禄の一言。
●郷ひろみ「2億4千万の瞳 放送100年 GO!GO!SP」
ヒロミGOがジャペアアンと歌いながら西川きよしにツッコミを入れられ、ジュリアナダンスを楽しみ、Windows95発売の列に並ぶ! 合成がとても自然で表情も最高。いっそ100年分ガッツリ「郷ひろみ歌って踊ってタイムトラベル」という映像を作ってほしいと思ったのは私だけではないはず。
【後半】復活組の逆襲!
●Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」
自然に立ち上がり、体を横に振ってしまう魔法曲。ラッパーのR-指定、歌詞忘れてオヨヨとか舌噛んでイテテとか、これまで一度もないのだろうか。ダジャレも上手なのだろうか。歌いっぷりが見事すぎて、興味津々である。
●あなたへの歌 特別企画 「ディズニーファンタジーメドレー」
大森元貴 (Mrs. GREEN APPLE) とSAKURA (LE SSERAFIM)の『輝く未来』がエモすぎてコタツから飛び起きたぜ! Mrs. GREEN APPLEの皆さんは、いつ映っても楽しそうでいい。郷ひろみさんを継ぐ紅白ハッピー隊長として今後も注目。
●GLAY「誘惑」
25年ぶりの紅白も最高にロック! TERUの両手をバッと広げる仕草、「キャモーン!」のシャウト、アガルわ~!!「ゆく年くる年」の時間を少々ずらし、もう一曲「Winter,again」を歌っても許された気がする。TAKUROの背の高さを改めて知る。
●坂本冬美「能登はいらんかいね」
石川県輪島市の輪島高校体育館で歌唱。地元の伝統である御陣乗太鼓に合わせ、ひとりひとりと握手しながら歌う彼女の姿に、歌の原点を見た気がした。
●特別企画 B'z「イルミネーション」
まさかの生出演、マイクトラブルからの速攻復活、「ultra soul」のNHKホール全員総立ちからのジャンプという神盛り上がり。さらにSNSでは「ステージを見て風邪が治った」というコメントまであり、まさに奇跡の7分54秒。
●藤井 風「満ちてゆく」
ニューヨークから生中継。メメント・モリな演出に見惚れた。朝日までも味方につける、藤井風に仰天。B'zの稲葉浩志と藤井風を生んだ岡山県の底力におののく。すごいな晴れの国!
●南こうせつ「神田川」イルカ「なごり雪」
2曲とも70年代の歌だが、いい曲は何十年経っても、ギター1本でも沁みまくると証明。膝を抱え一緒に歌う。お二人とも声の瑞々しさはまったく変わらずで、イルカさんに至っては姿も変わらず、タイムトラベラー説が私の界隈で囁かれている。
●西野カナ「EYES ON YOU 紅白スペシャルメドレー」
ピンクの衣装と笑顔、安定した歌声、すべてがハッピー! プリンセスの復活にガッツポーズ。
●特別企画 氷川きよし「白雲の城」
妖艶かつパワフルな「限界突破×サバイバー」も素敵だったが、ド演歌で勝負してきた今回は後光が差していた。魂の歌唱。「命ある限り歌う」宣言にガッツポーズ。私はこの紅白で何度ガッツポーズしているのか。
●THE ALFEE「星空のディスタンス」
41年ぶりの出場というミラクルな事実や、高見沢さんの「必死こいて」発言、ド派手ギターなど、歌う前から視聴者はどよめき、いざ歌うとハリのある歌声と美しいハーモニー、激しいギタープレイに歓声を上げた。「70歳? ウソだろ……」。ウソではない。70歳はまだまだ青春であると見せつけられた3分間。
●髙橋真梨子「for you…」
下のほうでキュッと指を握って歌ってらっしゃる姿が可憐! とても緊張されている感じと、艶やかな歌声のギャップに萌える。食べているみかんまで倍甘くなる気がするほどいい声。
●特別企画 米津玄師「さよーならまたいつか!」
「虎に翼」とのスペシャルコラボ。今回のロケ地は愛知県・名古屋市市政資料館。「Lemon」の徳島県・大塚国際美術館もよかったし、米津さん、文化遺産と滅法相性がいいので、日本全国巡ってほしい。
●石川さゆり「能登半島」
今歌わずしていつ歌う! その気迫が歌唱に溢れ出ていたのはもちろん、歌唱後、両手をグッと握るポーズを繰り返していたのも印象的。ドストレートの想いと表現に勝るものなし。
●特別企画 玉置浩二「悲しみにさよなら」
「愛を、世界の平和のために」。リリースから巡り巡って、この歌の力が今こそ必要だと思わせる歌ってあるよね。無数のキャンドルの中、響き渡る声は強いけどやさしい。
フィナーレでビックリ!
白組トリは福山雅治、紅組で大トリはMISIAと矢野顕子のコラボで、ああ、今年はやはり歌の力を改めて知らされる紅白だったとシミジミ思った。
その熱きパフォーマンスにありがとう、ありがとう!
フィナーレで最も驚いたのが純烈。群馬県・神流町から生中継で、ファンの方に心温まるサプライズを仕掛け大成功していたが、ガッツリ「蛍の光」を歌う4人がいるではないか。エエッ、都心から3時間の場所って言ってたのに! さすが戦隊ヒーロー出身が集まったグループである。
さすがといえば、約4時間半、いつ映っても姿勢が常に90度、ほぼ崩れなかった審査員の横浜流星。彼が武士道の本を書くなら私は買う。
とにもかくにも、おおいに盛り上がった2024年末の紅白歌合戦。音楽を聴くと、心がやわらかに動くのだな。椎名林檎も「唄、健康に善いです」と歌っていたし。
君も私も、ウルトラ級の愛とソウルがあれば、若かったあの頃よりきっと心は満ちてゆく。
2025年はいい年になる、きっと!
田中 稲(たなか いね)
大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡出る単1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/
文=田中 稲
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