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アート&カルチャーが溢れる【アメリカ西部の旅②】日干しレンガの家とターコイズ、芸術家も魅了されたニューメキシコ州サンタフェ

CREA WEB / 2025年1月30日 11時0分


現地の景観保護もあり、カフェも赤茶色の日干しレンガでできたアドビ建物。

 コンテンポラリーアートやネイティブアメリカンの文化など、新しくも根源的なTHEアメリカに触れるアメリカ西部3州の旅。第2回は、日干しレンガのアドビ建築、ネイティブアメリカンのターコイズジュエリー、そしてクロスオーバーするカルチャーが魅力的なニューメキシコ州サンタフェへ。(第1回から読む)


ニューメキシコに魅了された芸術家ジョージア・オキーフの美術館へ

 スペイン語で「ヌエボ・メヒコ」=「新しいメキシコ」を意味するニューメキシコ。16世紀半ばに黄金を求めて入植してきたスペインや隣接するメキシコ(スペインからメキシコが独立した際はその一部だったことも)の影響も受けて、ヒスパニックとネイティブアメリカンの文化が色濃く残っています。

 ニューメキシコ州の州都サンタフェは、スペインから伝わった赤茶色のアドビ建築が並ぶ美しい街。粘土・砂・ワラなどを固めた日干しレンガのアドビ建築は、耐久性もあって夏は涼しく冬温かく、サンタフェの気候に合っています。

 サンタフェには、アルバカーキ国際空港から1時間半ほど車などで移動する方法もありますが、サンタフェ空港からだと車で20分ぐらい。中心地には、ミュージアムやホテル、レストランが固まっていて、歩いて回りやすい街です。


ジョージア・オキーフがよくモチーフにする動物の骨「馬の頭蓋骨と白バラ」と「雲の上」。

ジョージア・オキーフ美術館の奥には、彼女が日本を訪問した際に求めた茶器や着物。富士山の絵も。

 ニューメキシコの荒涼としながらも美しい自然に魅了されたアーティストは、アメリカのモダニズムを代表するジョージア・オキーフ。ジョージア・オキーフ美術館も中心にある広場サンタフェ プラザから数ブロックにあり、残酷な美しさとも言える動物の骨、エロチシズム感じる花など名作がずらりそろっています。ニューメキシコにひかれていくジュージア・オキーフの生涯がたどれる展示にもなっていて必見。

ジョージア・オキーフ美術館

所在地 217 Johnson St, Santa Fe, NM 87501
電話番号 505-946-1000
https://www.okeeffemuseum.org/

アンティークな雰囲気のホテルの周りはショッピング天国


ホテル「ラ・フォンダ・オン・ザ・プラザ」のショップのジュエリーに目が釘付け。

 サンタフェでは、ホテルやレストランもアドビ建築。1922年に建てられたという歴史的なホテル「ラ・フォンダ・オン・ザ・プラザ」は、街の中心にあって、サンタフェ・プラザや旧総督邸などの観光スポットもすぐ近く。ネイティブアメリカンのジュエリーや工芸品などのショップが入ったアーケードに囲まれています。


客室は、メキシカンフォークロアを感じる趣味のよい家具が置かれた個人の邸宅のよう。

木彫りのメディシンボックスが素敵。中には自然派スキンケア「ラザー」のオートミール入りソープなど。

 ホテルの内部は、天井に木の梁が走るロビーから中庭をガラス戸で囲んだようなメインダイニング、アンティークな雰囲気のエレベーターからアートワークが並ぶ客室までの廊下とすべてがうっとりするようなインテリアとなっています。

ラ・フォンダ・オン・ザ・プラザ(La Fonda on the Plaza)

所在地 100 E San Francisco St, Santa Fe, NM 87501
電話番号 505-982-5511
https://lafondasantafe.com/

 ホテルのアーケード自体も素敵な商品がいっぱいで、ターコイズなどの自然石を使ったジュエリーに目が釘付け。値段は、小さなピアスなら20ドル程度のものもありますが、やはり数百ドル以上の高級品も多く、気軽に買うのは難しい!

 そこで、おすすめなのがネイティブアメリカンの人たちがハンドメイドのジュエリーを売りに来るマーケット。朝の8時半から夕方5時まで旧総督邸(the Palace of the Governors)で毎日開催されます。お値段も良心的で、ちゃんとシルバーの刻印も入っています。


今は州立博物館になっている旧総督邸。ファサードの下でマーケットが開かれます。

プエブロ族の人が売っていたジュエリー。下の段の中サイズのペンダントトップがシルバーの鎖付きで50ドルぐらい。

 サンタフェでは、本格的なメキシコ料理が楽しめます。ディナーで訪れたのは、1991年創業の「セゾン」、2022年には米国料理界の権威あるジェームズ・ビアード財団賞も得ています。

 アミューズとしてトルティーヤとメキシコ伝統のモーレソースが6種類も出てきます。9品のテイスティングメニューで150ドルと高級ですが、それだけの雰囲気もあり、贅沢な一夜に。


おいしくてつい食べ過ぎるアミューズのトルティーヤ。シグニチャーの豆スープは滋味深い。

セゾン(Sazón)

所在地 221 Shelby St, Santa Fe, NM 87501
電話番号 505-983-8604
https://sazonsantafe.com/

極楽な温浴施設、見逃せないサンタフェ発のユニークな没入型アート施設

 サンタフェのダウンタウンから車で約20分、77エーカー(東京ドーム6.6個分)という広大な土地に3つの温浴エリア(冬季は2つ)を持つ温浴施設「オホ・サンタフェ・スパ・リゾート」があります。

 水着着用でゆったりと温浴したり、ユーカリの香りのするスチームルームに入ったり、ボディセラピーやハイドロセラピー(別料金)を受けたりしながら、朝10時から夜の10時まで何時間でも過ごせる施設。子犬や鶏を抱いたりするユニークなアニマルセラピーもぜひ体験してください。


池に面して湯温の異なるプールが並ぶ。アメリカ旅の途中でいい湯につかれて元気回復。

 プールは天然の湧き水を温めていて、5つある円形のプールは37度から41度まで微妙に湯温を変えています。ぬるい温浴の多いアメリカで、熱めのプールに浸かってしばし極楽気分を味わってみては。料金は月~木が45ドル、金~日が65ドル(ロッカー、タオル込み。ローブは別途18ドル)。

オホ・サンタフェ・スパ・リゾート(Ojo Santa Fe Spa Resort)

所在地 242 Los Pinos Rd, Santa Fe, NM 87507
電話番号 877-977-8212


元はボーリング場だったという「ミャオ・ウルフ」。創業者がランダムに選んだ言葉で命名されたらしい。

 館内には、一見、普通の子供がいる家族が住んでいる家が建っていますが、暖炉や冷蔵庫、洗濯機の中から奇妙な別世界への通路があって、迷路のようにいろんなところ巡る仕組みになっています。

 中には、ホログラムが案内する未来型の旅行あり、子供の想像の世界にあるような恐竜の世界あり、次に何か来るかがまったく予想できません。元はボーリング場だった建物に70人以上のアーティストが参加して創り上げた異世界と言えます。怪しすぎる世界観にとりこになってしまうこと間違いなし! 入場料は40ドルからですが一見の価値ありです。


上に置かれた洗濯物までリアルな洗濯機だが、扉を開けると別世界への滑り台が出現!

子供の夢に出てくるような大型恐竜のいる部屋に続いていたりもする。

ミャオ・ウルフ・サンタフェ/ハウス・オブ・エターナル・リターン(Meow Wolf Santa Fe’s House of Eternal Return)

所在地 1352 Rufina Cir, Santa Fe, NM 87507
電話 866-636-9969
https://tickets.meowwolf.com/santa-fe/

 ネイティブアメリカンとヒスパニックが交流する古都としてだけでなく、アートの最先端施設まであるニューメキシコ州サンタフェ。一度ならず何度でも訪れたい魅力に満ちています。次は3州巡りの最後。西部の大自然とあのフランク・ロイド・ライトが終のすみかにした場所もあるアリゾナ州へ。

ブランドUSA

https://www.gousa.jp/

ニューメキシコ州観光局

https://www.newmexico.org/


小野アムスデン道子

ロンリープラネット日本語版の立ち上げより編集に携わったことから、ローカルグルメや非日常の体験などこだわりのある旅の楽しみ方を発信するトラベル・ジャーナリストへ。エアライン機内誌、新聞、ウェブサイトなどへの寄稿や旅番組のコメンテーター、講演などを通して、次なる旅先の提案をしている。日本旅行作家協会会員。
X https://twitter.com/ono_travel

文・写真=小野アムスデン道子

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