「業界ウケは悪いけれど......」一般人がコメントする映画CM続出のワケ

日刊サイゾー / 2012年10月5日 8時0分

 「○○最高!」「感動しましたっ!」など、映画館で一般人がコメントする映画のテレビCMが、近年はやたらと多い気がする。

 映画の内容はどうあれ、一般人による決まりきった新鮮味のないコメントは、映画を見たくなるどころか、むしろ面白い映画すらつまらなく見えてしまうリスクもあるのではないか。

 なぜ、あの手のCMばかりが増えているのだろうか? ある映画ライターは言う。

「一般人コメントの映画CMが多い理由は、簡単に作れて、お金がかからないということが当然あるでしょう。そもそも、ああいったCMは、大作モノの映画に多いことからもわかるように、別に映画好きの人に向けて作っているものではないですから。CMを見て面白そうだとは思わなくても、とりあえず『話題作』『ヒットしている』というイメージがあることが重要で、『ヒマだな。映画でも見るか』と考えたときに、選択肢として印象に残っているものが挙がるということで、わかりやすいCMには十分意味があるんだと思いますよ」

 また、映画関係者は言う。

「印象としては、東宝が一番やっている感じはします。以前、東宝の一般試写会の手伝いをしたときに、会場ロビーでがっつり場所を陣取って、積極的にお客さんに声をかけまくってコメントを取っていましたよ」

 この手のCMの意味については、前述の映画ライターと同様の分析をしている。

「『〇〇最高!』『感動しましたっ!』などのコメントを使うCMって、映画業界で働く人間から見ると、胡散臭くわざとらしいですが、映画をあまり見ない層からしたら、そんな簡単な感想が一番響くのかもしれないですよね」

 加えて、別の映画関係者は「客層」について指摘する。

「一般人が映画のコメントをすることによって、たとえば、カップルで見るような映画か、ファミリーが多いのかなど、その映画のターゲットがわかるという意義が大きいのではないでしょうか。映画に限らず、どんな商品でも一緒ですが、『自分に関係ないもの』と判断された時点で売り上げが伸びません。できるだけ等身大の人たち、自分と共通している人たちの声を拾うということが目的で、映画の内容を示している必要はあまりないんです」

 一般人のコメントで「つまらなさそう」と判断する人は、映画好きの人だけということなのか? 「一部の人にのみ愛される映画」でなく、敷居を低くし、ターゲットをわかりやすくする手法が、一般人コメントの映画CMということなのかもしれない。



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