見るか、さもなくば死を! 死の気配漂う萌え4コマ原作アニメ『キルミーベイベー』

日刊サイゾー / 2012年3月19日 8時0分

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 「仲良き事は美しき哉」と、武者小路実篤は言った。

 そう、友情って素晴らしい。それさえあれば、人は、過酷なセカイでも生き抜いていける......。『キルミーベイベー』(TBS系)は、見ているうちに思わずそんな気持ちを抱いてしまうアニメだ。

 原作は「まんがタイムきららキャラット」(芳文社)にて好評連載中の、いわゆる「萌え4コマ」とカテゴライズされる作品だ。

 メインの登場人物は普通の高校に通う殺し屋のソーニャと、そんなソーニャに何かとつきまとうクラスメイトの折部やすなの二人。準レギュラーとして、ソーニャと同じ組織に所属している忍者の呉織あぎりと、「没キャラ」(これが正式名称。原作では単行本にのみ登場だが、アニメでは準レギュラーに昇格されている)が登場する。

 「萌え4コマ」の代表的な作品といえば、『ひだまりスケッチ』や『らき☆すた』、『けいおん!』といった名前が挙げられる。かわいらしい女の子たちの日常に起こる何気ない出来事を魅力的に切り取り、ときに流行りのアニメやマンガのパロディでオタク心をくすぐって笑いをとる。

 この作品のキャラクターたちも、頭身低めで、コロコロとした愛らしいルックスをしている。『少女革命ウテナ』『おとめ妖怪ざくろ』を始め、数々の作品で魅力的な美少女を描いてきた長谷川眞也によるアニメ用キャラクターデザインは、シンプルで線一つでガラっと印象が変わってしまう原作の絵柄を、見事に再構成している。

 んが、しかし。

 かわいらしいキャラクターデザイン以外は、「殺し屋」という基本設定からもわかるように、この作品は「萌え4コマ」のパブリックイメージを大いに裏切る。アニメの中で展開されるのは、デンジャラスでバイオレンスでクルーエルでスラップスティックな、体を張った感のあるギャグなのだ。

 基本的な流れはこう。

 やすながソーニャにボケつつ絡む→ソーニャがつっこむ→つっこみに対してやすなはソーニャを煽るようなリアクションをとる→ソーニャがキレる→オチ

 ......このショートエピソードの繰り返し。そこで繰り広げられるやすなのボケは破滅的で、ソーニャのつっこみはエグい。

 たとえば、ある一エピソードの流れを具体的に書くと、

やすなが頭から一斗缶を被り、抜けなくなる→助けてくれるよう挑発的にソーニャに頼む→「熱すれば缶が大きくなって取れる!」という発想で、調理室のガスコンロの上にやすなを逆さ吊りにする→さすがにやすなが反発→次善の作として一斗缶の口から油を注ぎこんで滑らせて取ろうとする→取れない→油も入った状態で頭にハマった一斗缶をコンロで温めようとするソーニャ→なんやかんやで缶が外れる→「これで自在に着脱できるようになったはずだ」と思い込んだやすなが再び缶を被る→また取れなくなる

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