中国「清掃員募集」に集まった就職希望者がハイレベルすぎる理由とは?

日刊サイゾー / 2012年11月4日 12時0分

 黒竜江省ハルビン市が、街の清掃員やゴミ回収のトラックの運転手など、美化作業員を募集したところ、457人の募集枠に1万1,539人もの応募が殺到したという。実際に履歴書を提出した7,186人のうち、4割以上が大卒者で、さらに大学院卒も29人含まれていた。

 同市によると、今回の募集で市の美化作業員は平均年齢が大幅に下がり、さらに高学歴化する見込みだ。
 
 このように高学歴な若者が、清掃員のような単純労働への就職を希望する背景について、広東省ブロック紙の社会部記者はこう話す。

「毎年600万人以上が大学を卒業している中国では、その1割以上が職にあぶれており、100万人近くの大卒者が『卒業即失業』という事態となっている。卒業できたとしても、初任給の平均は2万5,000円ほどで、職歴4年の出稼ぎ労働者の給与よりも低い。そんな中、給与こそ低いものの『準公務員』としての待遇を受けられる清掃員のような職が、大卒者など比較的高学歴な人材に注目され始めている。低賃金に甘んじながらも、都市部で最低限の生活を続ける『蟻族』と呼ばれる若者たちは数年前からいた。しかし、『いつか花を咲かせよう』という夢があった彼らは、仕事を選ぶ際に福利厚生はそれほど重視しなかった。それが、重視されるようになったということは、そんな夢さえも見られなくなったという証拠では」

 社会不安が増大する中国では、若者とはいえ、日銭暮らしのような生き方ではリスクが高すぎるということか……。
(文=牧野源)

日刊サイゾー

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