もともとヤギ男だった!?  サンタクロースの実像を追いかける『12月25日の怪物』

日刊サイゾー / 2012年12月23日 16時0分

写真

 今年も間もなくクリスマスがやってくる。この時期になると、街中がイルミネーションで彩られ、どこか華やかな雰囲気に自然と心が浮足立つ。子どもの頃のクリスマスの記憶といえば、やはりサンタクロースからのプレゼント。夜、枕元に靴下を置いておくと、翌朝プレゼントがさりげなく置いてある……という家庭が多かったのではないかと思うのだが、うちの場合は庶民派で、いつも夜ごはんの時にやってきた。

 中でもすごく記憶に残っているのは、ある年、ドアをトントンとノックする音が聞こえて、弟と2人で「サンタさんが来た!」と無邪気に玄関に駆け寄ると、「どたどたどたー」とサンタがマンションの階段を転げ落ちる音がし、「うわぁ、サンタさんがコケた!!」と、必死にその後を追った。

 今となってはかなり人間くさいエピソードなのだが、そんなことがあっても、小学生の頃まではその存在を信じていた。だから、中学生になって真実を知った時には「いや、いや、そんなはずはない」と激しく動揺したのを覚えている。

 だが、サンタクロースとは、そもそも一体何者なのか?

 『12月25日の怪物』(草思社)は、そんな素朴な疑問を解決するため、世界中を旅してサンタクロースの実像を追いかける、壮大な話だ。

 この旅のきっかけは、1冊の地図帳だった。その名も「ザ・サンタ・マップ」。探検家で作家の高橋大輔氏は、1853年創業のロンドンの老舗の旅の本屋「スタンフォーズ」でこの地図と出合い、そのタイトルに惹かれ、ページをめくった。すると、そこには世界地図に美しい図版がレイアウトされ、サンタクロースに関する歴史や情報が網羅されていた。

 高橋氏はこれまで、「物語を旅する」というテーマで、小説や神話、伝説の背景を探し、世界各地を訪ねてきた。その中で、『ロビンソン漂流記』『浦島太郎』などに実在のモデルがいることを知り、物語と現実世界の接点を見つけ出すことで、物語の本当の意味や価値を咀嚼できることを学んでいた。

 サンタクロースにも、きっとその手の話があるのではないか――。

 地図をよく見ると、案の定、「サンタクロースは実在している」と書かれていた。彼は早速、サンタクロースの正体を追いかけた。そして、2006年2月から3年間にかけ、トルコを皮切りに、イタリア、オランダ、アメリカ、フィンランド、さらには、中国、日本の秋田へ向かう。

 だが、その姿を探っていくと、わたしたちがイメージするサンタクロースとは似ても似つかない存在が影をちらつかせ始める。毛皮に穴を開けただけの仮面をかぶり、頭には先の尖った角が伸びていて、全身は野獣の毛で覆われている。それでいて、二本足で直立歩行。これは、一体どういうことなのか?

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
日刊サイゾー

トピックスRSS

ランキング