著者がリアルにもくろむ「旧・大宮市の独立」『消滅した国々 第二次世界大戦以降崩壊した183カ国』

日刊サイゾー / 2013年1月15日 19時0分

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 いまや、マニアック本出版社としての地位を確立しつつある社会評論社から、またまたマニア心をくすぐる本が出版され、話題となっている。それが、吉田一郎氏の著書『消滅した国々 第二次世界大戦以降崩壊した183カ国』である。

 この本は、吉田氏が運営するサイト「世界飛び地領土研究会」(http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Lake/2917/)のコンテンツ、「消滅した国々」をもとにしたもの(サイトのメインコンテンツである「飛び地」の項目も、同社から『世界飛び地大全』として発売中だ)。

 この本、まず驚くのは本の分厚さ。総ページ数700ページ超の大ボリュームなのだ。

政変で政権が交代するとか、革命が起こって権力者が追放されるって事態はよく聞くが、国が滅びるなんて東ローマ帝国の滅亡(1453年)とか世界史上の出来事かと思いきや、実は第二次世界大戦以降も、驚くほど多くの国が滅亡しているのだ。

 それらの国の多くは、大国の思惑が絡んだりして興亡を繰り返した、怪しげなものばかり。南アフリカのホームランドなんて、まさにそれ。ホームランドとは、アパルトヘイトを行っていた時代の南アフリカ政府が、国際的非難をかわすために使った、いわば詭弁。不毛の地に黒人の独立国をつくらせて、南アフリカ国内の黒人はそこの住民だとでっち上げる。そうすれば、南アフリカの領土で働く場合は出稼ぎ労働者だから、南アフリカ国民ではない=権利が制限されるのも当然、というもの。

 卑劣な人種差別の代名詞として知られるホームランドだが、その実態を詳しく記した書籍は、これまでほとんど存在しなかった。本書では、このインチキ国家で権力を握ろうとしたり、一儲けを企んだ群像についても詳しく解説している。この人種差別政策を逆利用して一儲けした実例として挙げられているのが、ボプタツワナ共和国。この国は、南アフリカの大都市に近接している利点を生かし、リゾート都市・サンシティを建設。南アフリカでは禁止されているカジノもあるし、同様に禁止されている黒人とのセックスも楽しめるとあって、わんさか白人たちが訪れて大いに栄えたという。アパルトヘイトのイメージを覆すような事実は、目からウロコというよりほかない。

 イギリスが植民地にしていたアラビア半島の重要港・アデンの周囲にあったアデン保護領の首長国も、怪しさ満点だ。この首長国というのは、日本の戦国時代のようなもので、村を有力者が統治しているというようなスタイル。ゆえに、国を名乗ってはいるが、中には人口は百人ちょっと、というところもあったのだとか。そんな国が20世紀の後半まであったなんて、スゴイ! なお、アデン保護領はその後、アラビア半島唯一の社会主義国家・南イエメンになって独立。冷戦終結後に北イエメンと合併したはいいが、権力をめぐって南北の内戦になったり……メチャクチャな国すぎて住民にとっては迷惑なんだろうけど、なんだか興味をそそられてしまう。

日刊サイゾー

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